Number最新号
読みたかった音響デザイナー矢野桂一さんのインタビュー記事!
「天と地と」の楽曲が
いかに緻密に制作されたがわかり
あらためて素晴らしいなと思いました
※矢野さんの記事を一部抜粋しました
「彼は『SEIMEI』で、僕が理想としてきた『音楽も大事にして、ストーリーを作って、それを実現させ
る』という関係性を実現させてくれました。自分の見せ方を客観的にわかっていますし、すごく細かい
修正にこだわりながら練習を積み重ねて、表現として伝えてくれる。今回の『天と地と』も『これが
僕が理想としていたフィギュアスケートのかたちだ』って、すごく思いました」
「羽生選手の素晴らしいところは、主のメロディだけではなくて、装飾音など小さな音までも感じ取って
手先の動きだとか細かな表現ができること。彼は本当に曲を聞きこんで、身体に染み込ませています。」
羽生くんの「天と地と」演技のご本人解説で
本田さんとの会話を思い出しました
本田さん:このプログラムは柔らかさの中にものすごい強さが現れているなという風に感じました
羽生くん:なんかそれも僕ならではなのかなと
なんかそういうところはすごく狙ってましたね
しなやかさとか逆にその中のしなやかだからこそできる鋭さみたいなものとか
そういうものは意識してできてると思います
本田さん:音の強さのところで強くなったりとか、その前はやわらかいっていう
アクセントがついてて、わぁっと目をひく部分かなと思いました
「天と地と」は
楽曲と羽生くんの演技がぴったりシンクロして
羽生くんが楽器を奏でているかのようでした
鋭く力強さを感じさせたかと思うと
次の瞬間には
ふわぁーっと力が抜けてやわらかく
ステップシークエンスのブラケットなんて
まるでスロー再生を見てるよう!
腕の動きがとても美しくて優雅でした
ツイズルとかスパイラルもふわぁーっと!
引いたかと思うと
また寄せる
感情の波を見せられたようで
心を揺さぶられました
矢野さん談
「原曲ではただ静かに終わるところを、『最後に強い音、盛り上がりが欲しい』ということで、
琵琶を乗せました。『ダーン、ダーン・・・』という部分です。
原曲の中から琵琶の音を1つ1つ切り取ってきて、引き延ばしたり、音程を変えたりして貼り付けていきました。
最後はエコーをかけ、余韻をもたせた終わりにしました。」
全日本の演技前
プログラムが初めて発表されてすぐに
大河ドラマ「天と地と」を聴いてみて
フェイドアウトするエンディングに
フィニッシュが気になっていましたが
ラストのフライング足替えシットスピンで
琵琶を強くはじくように鋭く腕を伸ばしたかと思うと
続くコンビネーションスピンでは
物悲しく腕をゆっくりはらはらと動かして
見事なコントラスト!(涙)
そして
琵琶の深い音色が
氷上に印象的に響き渡り
大きな余韻を残して
壮大な物語の幕が閉じました
心を砕いた羽生結弦演出の「天と地と」に
競技だということを忘れて
どっぷりと酔いしれる幸せ!
羽生くん、ありがとうございましたm(__)m
※追伸
髪のセットがえらくナチュラルだと思ったら・・・
クライマックスのコレオで
衣装の袖と裾がひらひら舞って
(伊藤さんの衣装が素晴らしすぎます!)
髪がふぁさーーっと風になびいて
雪風吹きすさぶ越後の冬のイメージそのもの!
まいりましたm(__)m