今日は家でのんびり
2021全日本フィギュアスケート選手権男子優勝、北京オリンピック出場決定後に
フジテレビS-PARKに生出演した羽生くんのFS「天と地と」のご本人演技解説、あらためて書き起こしました
【全日本フィギュアFS「天と地と」羽生くんご本人解説書き起こし】
中村アナ:さあ、そして最終滑走です
4回転アクセルにも大きな注目集まりました
演技前、この時の心境、心理状態いかがでしょうか
羽生くん:いやーほんと緊張しましたねー。
ただ、あのープレッシャーの中で本番同様の練習をかなりやって来てたので
まあその中で一回も外さなかったっていうか、回転はしきれてた、ので
あのーいわゆる一回転ジャンプになる心配はあんまり無かったです。
中村アナ:前人未到のジャンプ
羽生くん:まー悪くはないと思うんですよね。
やっぱりあのー公式練習、6分間練習含めてかなり転倒の数が多かったりとか
まあ自分自身でもあんまり、なんですかね、あのー軸を信頼してジャンプを跳びに行く事が出来なかったので
その点は転けなかったっていうのはまずは大きな一歩だと思ってます。
宮司アナ:軸をとるのが一番難しいって4回転アクセルに関してはお話されてましたが
羽生くん:本当に難しいですね。
こうやって後ろ向きのジャンプ、まあサルコウですけれども、後ろ向きのジャンプに関しては
すべての軸が大体同じように作られて行くんですけれどもやっぱりアクセルに関しては難しいですね。
中村アナ:しかも4回転になる事で跳び出しの角度が変わってくる
羽生くん:誰もやってないのでやっぱり正解がないんですよね。
やっぱそこがやっぱり難しいですね。
中村アナ:その後からのジャンプ
羽生くん:そうですね。
あのー4Aだけじゃないので。
やっぱり「天と地と」っていうこの自分が大好きなプログラムであって自分が本当に心から尊敬したり
共感出来る、えー上杉謙信公をちゃんと演じ切りたいっていう気持ちはあります。
中村アナ:かなり集中してご覧になっていますが
羽生くん:ふふ、初めて見る。ふふふ。
宮司アナ:ご自身でご覧になっていかがでしょうか
羽生くん:いや正直やっぱりあのー大変です。
やっぱり4回転半を入れて、えーその後に絶対サルコウを決めなきゃいけない。
やっぱりサルコウが跳べないと、あの、宇野選手、前の選手の全部点数見てたって言ってたんですけど
まー僕、あのー鍵山選手のは聞こえてはないんですけど、あの、宇野選手の点数はやっぱり聞こえてるので
やっぱりアクセルが完璧に決まらない状況の中で、サルコウまでミスをしてしまうと負けるっていうのは
わかっていたので、あのー必死になってやってました
で、その分かなり力を使ったっていうのも含めて普通の練習ではないぞ、これは本番だぞっていうことを
言い聞かせながら、かなり集中して最後までやり切れました
中村アナ:GOE満点評価
羽生くん:すごくあの、ひとつひとつの所作まできれいにできたと思っています。
中村アナ:今のコンビネーションでひとつで18.19
羽生くん:そうですね、あまり溜める時間を作らないように
こっからジャンプだぞっていうのをなるべく見せないように
そしてジャンプを終わった後もきれいにスケーティングに流れるようにってことは頑張って意識しています
中村アナ:次は20点を超えるジャンプになりました
羽生くん:このトウループとえー前回の、前回のっていうか前のトウループに関しては
同じジャンプなんですけれども、違う入り方をして、あの、マンネリ化っていうか
あの、ちゃんと演技としてジャンプができるようにっていうことは意識しています
宮司アナ:ジャンプだけが際立つのではなくプログラムに馴染む形で
羽生くん:そうですね。
あとは曲調がどういう曲調なのか、どうやってジャンプに向かって行くのか、やっぱり自分は
曲に合わせてジャンプを跳ぶ事が一番気持ちがいいので、ちゃんと曲に力をもらってって感じですかね。
中村アナ:溶け込むようなまさにジャンプ
コレオシークエンスのGOE、満点評価でした
羽生くん:そうなんですね。
でも本当に気持ちを込めて出来たと思いますし、あのー前回の全日本とは同じプログラムではあるんですけど
全く違ったように見えたのは自分の中でも嬉しいです。
ここの手の表情とかもあのーかなり、練って、えへへ、色々考えてまあアドリブですけどね。
宮司アナ:あーそうなんですか
羽生くん:はい。毎回違います。
宮司アナ:ええーー
中村アナ:その時の感情を
羽生くん:そうですね。気持ち良さだったり、後は音がどういうふうに響くのかとか
宮司アナ:その時々で音の表現をしてるんですね
羽生くん:まー表現しようっていうか感覚ですけどね。
宮司アナ:いやー素晴らしいです
中村アナ:再び世界が震える4分間となりました
羽生くん:いやー本当、よかったです、とりあえず、全部出し切れたんで。
中村アナ:改めて4回転アクセルですけれども非常にもう、もう少しっていう
羽生くん:まぁ
中村アナ:うけてしまうんですが
羽生くん:まーそうですね。
こうやって見てるとやっぱり回転本気で回しきれてはないので
やっぱ軸心配だったっていうのはもちろんあるんですけどもっと高さも出せたと思いますし
ただやっぱりあのー転けない、まずは転けない、まずは4回転半っていう形として
技を実施出来たっていうのは大きな一歩です。
中村アナ:「天と地と」の完成へというお話もありましたが現時点でいかがでしょうか
羽生くん:いやーやっぱ大変です。
あのーこうやって4回転サルコウの映像を今見てましたけれどもあの本当にあの4回転なんですけど
その前に4回転半やってるんでやっぱり感覚ズレてるなって感じは受けますし
やっぱり凄くあのーひとつのジャンプ変わるだけで
やっぱ精神的にもあのー体力的にも違うんだなぁという事を改めて見ながら感じました。
宮司アナ:お二人もご覧になってましたね。バックステージで宇野選手
これあの羽生選手の4回転アクセルってご覧になってどういう感想持たれました?
昌磨くん:あー、ま、4回転アクセルもう本当に凄い事で僕にはまず挑戦しようとも思えない
羽生くん:5回転やってた
昌磨くん:でも僕が一番やっぱゆづくんの凄いって思う所はその、もう本当にアクセルを入れても
他が崩れなかった所とその出来ていることをより素晴らしく演技するっていう所が
今大会に僕に足りないなって思った所だったので、まーそこが本当にもう素晴らしいの一言に尽きます。
羽生くん:ありがとうございます。
宮司アナ:という宇野選手の言葉もありましたが、改めて羽生選手、ご自身の演技を振り返って
今日の出来はいかがでしたか?
羽生くん:まーアクセルに関してはもっと出来たかなっていう点はもちろんあります。
ただ本番という舞台でえーこれまでえーやって来なかったですし、またこうやって立ち上がって
最後の最後までこの「天と地と」いうプログラムを演じきれたっていう点に関しては本当に満足しています。
宮司アナ:あのー凄く手前味噌な話で恐縮なんですけれども
4回転アクセルの企画をスパークで放送した際に羽生選手もご覧頂いたと
羽生くん:はい。そうですね。
宮司アナ:あの内村航平選手のコメントも
羽生くん:もうほんとにあのふふ、人には、人には出来ないけど羽生には出来るって言われてしまって
本当に、いやもうそんな事言わないでくれよって正直思うんですけど
でもそれほどまでにやっぱりアクセルに関してかなり研究してやっぱり強くなりたいって常に思いながら
アクセルをやって来たんでまあ誰にも譲れない思いはあります。
そしてやっぱり内村さんにもやっぱりそういうふうに言ってもらえるんだからこそやっぱりその期待を
その夢をやっぱ叶えられるような存在でなくてはいけないなっていうふうにも思っています。
あとひねりもうちょっと頑張ります。
宮司アナ:あの内村選手からもう少しひねるのを早めにっていう
羽生くん:あの上半身早くひねって下半身をバン!って回せっていうまあわかるんですけど
やっぱりアクセルでそれを出すっていうのが難しいんですよね。
宮司アナ:そうですよね
羽生くん:まーでも多分内村さんも凄くわかってらっしゃるから
大変なんだなって思って下さっているんだと思ってます。
宮司アナ:はーなるほど
宮司アナ:北京オリンピックへの目標、意気込みを教えていただけますでしょうか
(昌磨くん、優真くんが答えた後)
そして三連覇かかる羽生選手お願いします
羽生くん:もう勝ちに行きます。ちゃんと4Aも武器にします。頑張ります。
宮司アナ:いやー楽しみです
もうとても楽しみになるような言葉を聞けましたね
羽生くん:あははは
宮司アナ:ちょっとドキドキしちゃいました
はい、ありがとうございます
本当に今日は夜遅くまで本当にありがとうございました
【以上】
早口で理路整然とわかりやすく解説する羽生くん
誰も挑戦したことのない4Aの大技を研究して(たった一人で!)挑んで
自らの演技を冷静に自己分析して突き詰めて練りに練って
想像できないくらい時間を費やして入念に準備を積み重ねてるからこそ
氷上で見る人を酔わせることができるんですね(涙)
試合は食うか食われるかの真剣勝負
一瞬でも隙を見せたほうが負け
オリンピック2連覇、誰よりも試合巧者の羽生くんが一番それをわかっているから
氷上の演技はもちろん、氷上以外でも決して隙を見せない!
試合で並外れた集中力を発揮できるのは、本来の資質に加えて
フィギュアスケートに誰よりも真摯に向き合うことで培われた部分も大きのかなと思います
ご本人解説で優真くんが正直に話していたのが印象に残りました
優真くん:(前半のジャンプを跳んだ直後のスピンとコレオを見ながら)
ちょっと動きが小さい
息を整えることしか考えてない、後半に向けて準備をしている
休憩といったらなんですけど、ちょっとダメですけど
後半のジャンプを考えて息を整えなきゃって思ってました
これって、優真くんだけじゃなくて(優真くんも昌磨くんも心から応援しています!)
ほとんどの選手(ネイサンも含めて)の演技を見て常々感じていたことで
大げさに言えば、高難度のジャンプを複数組み込んだプログラムの宿命!?
そんな宿命(?)に抗って、男子で一人気を吐いてるのが羽生くん!
そういったことを演技から微塵も感じさせないのがすごいの一言!!
2022年の北京オリンピックイヤー
羽生くんに追い風が吹いてることをすごく感じて
神様はちゃんと見てくださってたんだなーとすごく嬉しくて
世界の頂点に立つのは羽生くんしかいないとあらためて確信しました✨
羽生くんがいい練習ができてますように
4A成功しますように
がんばれーーー!!