ウイスキーボンボンと父の声

バレンタインが近づくと勢揃いするチョコレートたち
華やかで、なんだかウキウキしてくる感じが心地よい

頑固な父にもチョコレートを！！
とデパートの地下のお菓子売り場を独り歩く
狙いは、ウイスキーボンボンだ

これが、至難の業で、どれでも良いわけではない
買ってみないとわからない
父が好むのは、チョコートに直接ウイスキーが入ってるものだ
お砂糖で包まった中にウイスキーが入っていて
その周りにチョコレートというタイプがほとんどだ・・・
これは、父には、甘すぎて、ウイスキーの味も台無しになるらしい

ちょっと、高そうなのを選んだ時、当たった！
それから、裏の表示を良くみて、これならOK！と思い買っても
失敗したことも何度もあり・・・

ということで、私は、毎回、２種類選ぶことにしていた
毎年、同じのを選べば・・・と思うが・・
先方も、売り手の方だ・・色々、策を考えているらしいことを知った
それに、惑わされないように選ばなくてはいけない

よし！！今年はこれで！！と決めて、願掛けて買う
父が、嬉しそうに包みを開いて、、、口に入れて、、、
「これは、本物だ！！」という言葉が出たら合格だ

毎年、チョコレートを選ぶ時に、これは、本物なのか・・・？
と頭で考えてる自分も可笑しくなってきて
「これは、本物だ！！」と父の言葉を聞けた時は
不思議とこちらが、ものすごく嬉しくなった

私のバレンタインのチョコの思い出は、このウイスキーボンボンだ
今は、どうなっているのか、、、ウイスキーボンボン事情
果たして、本物が売っているのだろうか・・・
久しぶりに、ウイスキーボンボンを探しに行こう
父が、天国から、「これは、本物だ！！」と言ってくれるか、、楽しみに

ウイスキーボンボンの中のウイスキーは、「やっぱりナポレオンだな！」
そう父が、仕切りに言っていたのも思い出し、なんだか可笑しくなった

あくまで、「これは、本物だ！！」と言っているのは、父の味覚と意見
たくさんのウイスキーボンボンを眺めては、楽しそうに試してくれた父だった