ぷれでたの日記

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単利と複利

2010-06-13 20:31:19 | 投資


・単利と複利
 金融商品で単利と複利という話が良く出る。
 この商品は分配金を出さなくて再投資されるから複利効果があって有利だというような事だ。
 しかし、これを正確に理解している人は少ないと思われる。
 Q&Aサイトで説明したり、他人のブログに書いてもいまいち理解してくれてないような気がするので
 私の考えをまとめておく。もちろん私の考えが完璧に正しいとは限らないけどね。
 また、書いているのは純粋に単利と複利の話で将来の期待値とかは関係ない。
 
 ・言葉の定義
  この2つの一般的に言葉で説明すると
   単利 収益金の再投資はしない。元本は変化しない。(基本的には不変)
   複利 収益金を再投資する。  元本は変化する。(再投資により増えるのを期待される)
  となる。めちゃくちゃ簡単だ。違いは再投資の有無だ。

 ・複利効果
  この言葉も良く使われる。複利運用で「より」多くの収益を得て財産を増やす。
  と説明するのが一般的だろう。ここで「より」多くと説明しているがこの「より」とは何かと言うと
   「単利より」
  と考えるのが普通だろう。再投資によって元本が増えていれば同じ収益率なら単利に勝つのが当然だ。
  つまり複利効果があったかどうかは単利に勝ったかどうかで判断するべきなのだ。
  単利に負けている複利効果なんて聞いた事が無いし変だという事だ。

  これは理解できただろうか? ここがこれを理解できるかの分かれ道だと思われる。
  なぜこういう説明をするかというと投資信託とかで元本が減ってしまった場合、複利が単利に負ける事があるからだ。
  話をややこしくするのはこの元本が減った場合である。これについては後で説明する。

 ・定期預金の場合
  定期預金の例を書くけどこれはめちゃくちゃ簡単だ。元本が減る事は無いからだ。
  今じゃありえないけど100万円で5%の金利で3年の例を書く。ちなみに税金は考慮していない。
  ・単利
   元本  収益 全額
   100 5  105
   100 5  110
   100 5  115
   という訳で収益が毎年5万円で合計115万円だ。
  ・複利
   元本  収益 全額
   100 5  105
   105 5.25 110.25
   110.25 5.51 115.76
   元本が増えて収益も増えて合計115.76万円だ。
   という事で複利の方が7600円勝っている。これが複利効果だ。元本が順調に増えるのがポイントだ。
   これは簡単に理解できると思う。

 ・投資信託の場合
  これは3年間で+20%、-10%、+5%の例を書く。
  3年間の足し算リターンは上と同じ15%で1年当たり5%だ。比較的まともな例だと思う。
  ・単利
   元本  収益 全額
   100 20 120
   100 -10  110
   100 5  115
   という訳で定期預金と同じ合計115万円だ。
   これのポイントは全額は増えても元本は100万円で変えてない所だ。
   増えた分は元本保証の商品で置いておいてマイナスの場合はそこから補充する。
  ・複利
   元本  収益 全額
   100 20 120
   120 -12  108
   108 5.4  113.4
   単利に16000円負けてしまった。
   元本は一時120万円まで増えたが2年目の-10%で108万円まで減ったのが響いた。
   こんな風に再投資で元本が増えた所でマイナスがあるととても響いてしまう。
   -10%なんて投資信託では良くある事だ。
  ・さらに長期
   この3年パターンを続けると元本が徐々に増えるので複利が単利に勝つ時が来る。それを計算すると
   年数 単利  複利
    6 130 128.6
    9 145 145.8
   12 160 165.4
   18 190 212.6
   となる。両者が逆転するのは9年目だ。10年程度なら大した差にはならない。
   18年だと22万円の差が出るが毎年5%増える複利の定期預金なら240.6万円なのでそれよりははるかに差は少ない。
   やはりマイナスの年があると響くのだ。
   しかし、元本が増えるのが期待できるなら長期運用すると有利になるのは確かだ。

 ・足し算&掛け算法
  単利と複利の運用をした場合にどの程度になるかを手っ取り早く比較するのがこの方法だ。
  やり方は毎年の成績を足すのと掛けるだけ。簡単だ。
  このやり方は万能じゃなくて途中で元本割れすると正確には成り立たなくなるという欠点がある。
  単に目安として使用するならそれでもいいだろう。
  また、マイナスの場合はその資産への投資を考え直す事も必要だと思われる。

 ・現実はどうか
  例によって2000~2009年のデータを示した。冷静に見よう。(青:単利、赤:複利)
  やはりマイナスの少ない債券は複利が有利だ。株式は単利が勝っている。
  金融危機があったとはいえ現実は受け入れるべきだろう。
  購買力平価の為替の議論で2008年以降のデータは無効だという議論は無いしね。
  足し算、掛け算ともマイナスの資産があるがこれはひどいの一言だ。
  こんなのに投資して「複利効果」がどうのこうのと言うのはかなりいい加減だと言えるだろう。

長々と書いたけど再投資するのは悪くないが複利「効果」が無い場合はあるという事だ。
再投資して一度でも価額が上がったら複利「効果」なんだというのも無理があると思う。
まあ、日本語の意味をちゃんと確認するのが第一という気もする。


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