今週は為替、株価ともパッとせず厳しい展開が続いてます。
もうじきボーナスが出る予定なので投資や遊びでどう使おうか考え中です。
それはいいのですが今週いくつかの有名投資ブログで下記の記事が話題になりました。
高金利通貨はずっと上昇する? 外貨投資の誤解(1)
これ自体はよくある主張で珍しく無いのですが記事の中に
実際、1980年以降約30年間で計算してみると、日本と米国の長期金利差は平均で3%強あった。
そしてこの30年間でドルが円に対して年率平均(複利計算)で3%強ずつ下落し、金利差は為替下落で失われてしまった。
というのがありました。
これは購買力平価という考え方なのですがこれは本当に成立するか疑問があるので確認してみました。
ただし、この人物は「長期的には」成立すると予防線を張っていてそれが何年かは分からないです。
一応、30年では成立すると主張してます。
・日米の平均金利差は3%
検討するデータはゴールデンチャート社サイトから手に入れました。
為替・商品指標チャート
円ドル&金利
期間は1988~2009年の22年間です。
22年もあれば十分だと思うし、購買力平価は22年じゃ通用しないというのも変だと思うので。
それに80年代の高度経済成長がまた来るとは思えないので外すのが正しいと思います。
使ったのは円相場、新発10年逆目盛、米10年逆目盛です。
画面で金利データを目分量でプロットしてその差の単純平均を取ると3.068%でした。
この人物のいう通り金利差の平均は3%で正しいようです。
後は実際値と計算値を入れれば完成ですが計算値の1988年の値は140円にしました。
チャート上ではその時期は120円ちょっと位なのですがその後160円まで一時的に行っているので妥当な値だと思います。
グラフを見てもらえば分かるけど1988~1997年まで青色の実際値がピンク色の計算値の上を行ったり下を行ったりしてます。
これは傾きは同じだけど変動していると見られるのでこの期間はこの理屈は成り立ってます。その後上抜けしてそのままです。
ついでに直近15年のものも作成しました。こちらもスタート値を悩んだのですが22年計算値の113円にしました。
実際値は90円程度で一時79円まで行った年です。スタートが今と同じ90円では話にならないです。
計算値の変化量は平均値より多少甘くして22年:3%、15年:3.3%にしてます。
変動率というのは実際値と計算値の違いの比率で+方向が計算値よりも実際値が円安です。
・出来上がったグラフを眺めてみると
予想通り計算値は22年データも15年データも2010年は70円前後というとんでも無い値になりました。
1ドル60円台があっても不思議では無い値です。実際にはそんな事はないですけど。
また、変動率は2001年以降30~50%で年々上がってきているように見えます。計算値よりかなり円安です。
この変動率の値と傾向を見ると残念ながらこの理屈は成り立たないと考えるのが妥当でしょう。
直近15年ではその傾向すら無いんじゃないかと思われます。
円ドルでは金利差が3%あっても為替は3%変動しないというのが結論です。
直近の長期金利は1.25%で全く上がってないのでこの調子が続くと15年データで計算すると
2014年には59.7円、2019年には50.5円というすごい価格になってしまいます。
・個人的思い込みによる深読み
結果は予想通りだったのですが気になる事があります。
最近、「外債の収益期待値は国債と同じ」と主張する人物が多いです。
高金利通貨がある程度下落する傾向があるというなら分かるのですが「同じ」とまで言うのは変です。
その気になれば計算するのは比較的簡単なのになぜここまでいうのか理解不能です。
なぜ30年以上の長期でないと駄目なのかという具体的根拠も無いです。
単に金利差と為替の問題なら20年でも15年でも問題無いと考えるべきです。
まあ、本気でこれを信じている人はその人の自由だけど、わざとでたらめを言っている人もいるような気がします。
結局、日本国債を買わせたいのだと思われます。買い支えさせるつもりかな。
日本国債と言えばカスみたいな金利しかない上に発行残高が山ほどあるのでお世辞にも良い商品とは思えません。
日本政府が破綻するとは思いませんけどね。裏で糸を引いているとか。それはないか。
単なる考えすぎのような気もしますが要注意です。