西洋占星術の原典ともされる「テトラビブロス」日本語版がついに出版された(2022年6月、説話社)。
西洋占星術にいくらかでも関心がある方にはなじみの書籍であり、西洋占星術で何をかしようという方には必読の書であるが、まずは英訳から、というのがこれまでで、決して取っつきやすいとは言えなかった。それが日本語で読めるようになったのだから実にありがたい。
ざっと見るだけで、古代ギリシャ・ローマ時代の占星術とはこんなものか、と納得がいくと思う。ストア派の哲学に依拠しているそうだが、宇宙と人間界は結びついているという哲学が根拠とされ、現在の占星術に比べてずっと自然寄りで、実際の星空や天体がわからないといけないようだ。
仕事や結婚などの人生上のできごとを扱っている第4巻を読むと現代の私たちと同じだな、と思ってしまう。1900年前の記述なのだが。
価格が5000円+税と、決して安いとは言い難いが、出版に厳しい昨今のことだから仕方がないのだろう。
(2022.7.16.)
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