『サンセット大通り』、映画はとにかくスワンソン、シュトロハイム、そしてデミル監督その人という配役あってこその作品であり、舞台でそれは再現不可能。そこでミュージカル世界寄りに考えると、人間関係の構図は男女逆転『美女と野獣』とも、クリスティーヌと添い遂げたファントムとも言えると思う。
『サンセット大通り』:『オペラ座の怪人』ファントムはマックス役の鈴木綜馬さんの当たり役であり、それこそが舞台ならではの本作の配役の妙と言えるだろう。決してクリスティーヌを手放すことのなかったファントム。それがマックスだったと思う。
『サンセット大通り』:『美女と野獣』日本初演ビーストも綜馬さんだったが、本作に於いてビーストはノーマ、ベルがジョーである。しかしジョーはノーマにかけられた魔法あるいは呪いを解くことはできなかった。むしろ逆にあの屋敷に取り込まれてしまった。そこにはゴシックロマンの趣も感じられる。
『サンセット大通り』:映画はラストのマックスこそシュトロハイムの「キャメラ!アクション!」こそがすべてとも言える。そして映画同様舞台も畢竟これはジョーを狂言回しとした「ノーマとマックスの物語」なのだ。
『サンセット大通り』:映画のあの痛ましいラストは破滅でもなく崩壊でもなく、自らの世界に永遠に閉じこもると同時にすべてから解き放たれ「伝説」となったノーマの勝利であり、そこに到ってようやく「ノーマとマックスの物語」は完結し得たのだと、舞台を観て改めて理解できた。
『サンセット大通り』:ところでアフタートークショー、司会は綜馬さんだったのですが、マックス姿のままワゴンにペットボトルを乗せて「今日の司会はわたし~」と登場し、濱田&柿澤ご両人を屋敷に招き入れるところから可愛かったです。
『サンセット大通り』:トークショー、柿澤くんのフリーダムっぷりにも笑いました。いきなりムロツヨシさんの真似(パクリ?)をしたり「おれカラオケで美女と野獣の綜馬さん(芥川さん)バージョン歌ってますよ」なんておっしゃったり、もう一人のジョー平方さんが登場時喝采されたのに嫉妬したりw
@kotaesan 狂言回しと言うか、ノーマが閉じこもるあの世界を構築したのはマックスであり、引退しても彼はずっと「監督」だったのだなあ…と思いました。
『サンセット大通り』:そう言えばカーテンコールでハケる時、ノーマはジョーではなく常にマックスと寄り添って…というのが何だかいいなあと思いました。
サンセット大通り:豪初演ジョー役ヒュー・ジャックマンがオーストラリアのTV番組で歌ったタイトル曲
Hugh Jackman in Sunset Boulevard youtu.be/V9UsMbDWzwQ
同じ番組よりジョー役ヒュー・ジャックマンとノーマ役デブラ・バーンのデュエット「The Perfect Year」も youtu.be/5TKkDgpylq0
サンセット大通り:ヒューのジョーの画像やこういう動画を見ると、そりゃこのぬけぬけと可愛いジョーになら、ノーマも夢を抱いてしまうよなあ…と思います。