あるところに、キツネの親子が住んでいました。
とっても寒い冬の日、母キツネは、小さな子ギツネに、手袋を買ってあげたいと思いました。
そこで母キツネは、枯れ葉を硬貨に変え、子ギツネの右手だけを、人間の子供の手に化けさせ、街へと向かわせます。
「決して、左手を出してはいけないよ」
と言い聞かせて。
街に着いた子ギツネは、ある商店に辿り着き、ドアの隙間から、手だけを出してこう言いました。
「この手に合う手袋を下さい。」
ところが子ギツネは、うっかり左手を出してしまったのです。
それを見た店の主人は、
「おやおや。キツネの子が手袋を買いに来た。キツネも寒いんだな。」
と、その手にぴったりの手袋をはめてくれました。
子ギツネは喜んで、母キツネが待つ山へ帰り、こう言いました。
「お母さんは人間は怖いって言ってたけど、全然怖くなかったよ。人間って優しいんだね。」
この店の主人のような、優しい大人になりたいと、幼い私は思ったものです。
で。
今日は手袋を買いに、新宿へ
幸いなことに私は人間なので、堂々と買うことが出来ました
この冬も、優しくあったかく、過ごしたいと思います
とっても寒い冬の日、母キツネは、小さな子ギツネに、手袋を買ってあげたいと思いました。
そこで母キツネは、枯れ葉を硬貨に変え、子ギツネの右手だけを、人間の子供の手に化けさせ、街へと向かわせます。
「決して、左手を出してはいけないよ」
と言い聞かせて。
街に着いた子ギツネは、ある商店に辿り着き、ドアの隙間から、手だけを出してこう言いました。
「この手に合う手袋を下さい。」
ところが子ギツネは、うっかり左手を出してしまったのです。
それを見た店の主人は、
「おやおや。キツネの子が手袋を買いに来た。キツネも寒いんだな。」
と、その手にぴったりの手袋をはめてくれました。
子ギツネは喜んで、母キツネが待つ山へ帰り、こう言いました。
「お母さんは人間は怖いって言ってたけど、全然怖くなかったよ。人間って優しいんだね。」
この店の主人のような、優しい大人になりたいと、幼い私は思ったものです。
で。
今日は手袋を買いに、新宿へ

幸いなことに私は人間なので、堂々と買うことが出来ました

この冬も、優しくあったかく、過ごしたいと思います
