東京小走りLife

ミルクディッパーの役者・里村泉美が綴る、好きなものあれこれ♪♪

多奈加亭。

2011-07-26 18:53:19 | しばい系。
私は、身近な人を亡くした経験が、まだほとんどない。
中学のときにひいじいちゃんが、大学のときにひいばあちゃんが亡くなったけど、もちろん悲しかったけど、そこまでこたえなかったというか。
私が生まれた時から高齢だったわけだし、いつかは亡くなる人、っていう認識があったんだと思う。


でも。


友達の中には、彼氏を事故で亡くした子がいる。
突然お父さんを亡くした子がいる。
お母さんを亡くした子がいる。
恩師を亡くした子がいる。
大事な友人を、何人も亡くした人がいる。


周りの誰も亡くしてない私、実は、ものすごく、特別なことなんじゃないかと思う。



私は単純だから、日々の生活の中に、生きててよかったと思える瞬間が沢山あって、それは例えば、美味しいものを食べた時。
お風呂に入った時。
友達と喋ってる時。
新しい靴を買った時。
実家に帰った時。
バイトしてる時。
面白いテレビを見てる時。
好きな音楽を聞いてる時。
カーテンを開けた時。
掃除してる時。
家の鍵を開ける時。
風が心地よかった時。
カラオケしてる時。
好きな人に会った時。

舞台に立ってる時。

当たり前のことを当たり前にできるのは、生きてるから。

すべての人に、その瞬間が訪れて欲しいと思う。
ご友人が亡くなった事を悔やんで、何で死んだの自分じゃなかったんだろう、って言ったその人にも、生きててよかった、って思う時が来て欲しい。
そのために、私に出来ることはないか、おこがましくも考えてしまう。

そんなものは、きっとないんだけど。




戦時中、一体、何人の人が亡くなっただろう。
自分が死ぬよりも辛い、誰かの死を、どれだけの人が経験しただろう。


稽古が進むにつれて、そんなことさえ、考える余裕を無くしていたことに、今頃、気が付いた。

情けなくってしょうがない。




……なんてことを考える、精算会前日。

明日で、『広島に原爆を落とす日』が終わる。
ちゃんと、終わらせられるかな。