一寸の兎にも五分の魂~展覧会おぼえがき

美術展のおぼえがきと関連情報をすこしばかり。

充実度が並大抵ではない「和様の書」展@東京国立博物館

2013-07-14 | 展覧会
今年の前半は「王羲之」展で話題を呼んだ東京国立博物館が、今夏は「和様の書」で攻めます。



画質がいまひとつですが、チラシもいちおう載せておきます。





7月13日から9月8日まで、世間では夏休みまっさい中なのにまったく子ども向きではない企画展をもってくるあたり、さすがといえばさすが……。

それはともかく、内覧会で会場でずらりと並んだ作品を実際に目にしてみると、作品選定のあまりの充実度にうれしいというよりむしろあぜんとします。

よく、これだけ名筆ばかり集めたものです。

何しろ、「四大手鑑」といわれる「藻塩草」「翰墨城」「見努世友」「大手鑑」がすべて出展されるのです(展示がえもあるので、一度に全部が並ぶわけではないので、要事前チェックです)。

それ以外にも、あの藤原道長直筆の日記だという「御堂関白記」、「平家納経」、『古今和歌集』の現存する最古の写本である「高野切」、金銀泥で草花や蝶を描いてあるのも美しい「竹生島経」、そして宗達派の下絵とのコラボが絶妙な「四季草花下絵和歌巻」(本阿弥光悦筆)など、どれかひとつでもその展覧会の目玉になるような作品が目白押しで、背筋がぞくぞくします。

また、信長、秀吉、家康の書が並べてあるのも歴史好きにはうれしい企画です。特に、信長の直筆はめずらしいそうなので、必見。

ちなみに、チラシの「和様の書」の「の」の字は、太閤がおねにあてた手紙からとっているそうな。凝ってますね。太閤からの手紙(豊臣秀吉筆 重文 消息〈おね宛〉 安土桃山時代・文禄2年〈1593〉、高台寺蔵)の展示期間は8月12日まで!

詳細は、博物館HPの見どころページに作品の画像とともに詳しく載っていますので、そちらをご覧ください(今回は、内覧会でも作品の撮影にかなり厳しい制限があったので、掲載はやめました)。

そして図録がすばらしい。お手本としても、鑑賞用としても、貴重だと思います。

博物館HPでは、「和様の書 美文字選手権」なる投票も行われていますので、ぜひどうぞ。

栄えある一位は誰になるでしょうね。

※追記:書が好きな方はこちらもおすすめ(まだ行ってないけれど……)。

「文字の力 書のチカラ 書と絵画の対話 II」展 出光美術館
2013年7月6日~8月18日まで

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
月曜休館

「書における絵画的な表現に注目した」という着眼点がおもしろそう。

池大雅の「瀟湘八景図(8幅のうち)」(江戸時代、出光美術館蔵)が脱力してていい感じ。仙がいさんや白隠さんなど、「和様の書」とはまたちょっと違ったラインナップも楽しめるようです。

「和様の書」のために遠くからいらっしゃる方は、忘れずにはしごしちゃってください。

上野(東京国立博物館)から有楽町(出光美術館)までJRで乗り換えなしで、すぐです。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おすすめの鎌倉土産 期間限... | トップ | 朝顔、天翔る龍のよう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

展覧会」カテゴリの最新記事