この秋、絶賛発売中の『岩佐又兵衛作品集―MOA美術館所蔵全作品』(矢代勝也著)が11月3日付『朝日新聞』の「本の舞台裏」コーナーで紹介されました。
大上朝美さんによる記事で、本書刊行のきっかけから、「謎の絵師」又兵衛の紹介、「山中常盤物語絵巻」のドラマティックな来歴まで、コンパクトにわかりやすくまとめてあります。
(『朝日新聞』11月3日付朝刊「本の舞台裏」、執筆=大上朝美)
本書は、アート関連のカリスマブログ「弐代目・青い日記帳」でもご紹介いただきましたので(コチラ)、あわせてご覧くださいませ。
すでに本ブログでもご紹介しましたが(コチラ)『岩佐又兵衛作品集』の最大の魅力は、「山中常盤物語絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」「堀江物語絵巻」の3つの傑作絵巻の全画面(もともとはそれぞれ150メートル近い大作)をノーカット・フルカラーでじっくり見られることです。
又兵衛作品に限らず、通常の美術書はもちろん展覧会図録でさえ、絵巻の紹介といっても、代表的な場面を取り出して掲載するにとどまることが多いですが、本書では詞書も含めてまったく省略なしで、すべての画面を見ることができるのです。
これまで、辻惟雄先生の名著『岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎』(文藝春秋)や芸術新潮の特集号などでその一部が紹介されてきましたが、もっと見てみたいと思ってこられた方にとっては(わたし自身もその一人なのですが)、願ってもないチャンスですので、ぜひお手にとって又兵衛の世界をじっくり楽しんでいただきたいと思います。
特におすすめなのは、行きかう人々を生き生きと描いた街中の描写や、屋敷のなかの襖絵や屏風の絵柄までも克明に描いている場面です。
これまで、あまりとりあげられてこなかった場面を、敢えてご紹介します。
(『岩佐又兵衛作品集』「浄瑠璃物語絵巻」第4巻より、浄瑠璃姫の館のなかの一場面)
人々が調理をしたり、行水をしたり、散髪をしたり、と当時の風俗が実に手に取るように描かれているのもおもしろく、「洛中洛外図屏風 舟木本」と同じ視点を感じさせます。
(『岩佐又兵衛作品集』「浄瑠璃物語絵巻」第8巻より、宿の井戸端で行水をするおじさんたち)
とまあ、これは氷山の一角で、じっくりと見れば見るほどおもしろいさまざまな場面が散りばめられております。
所蔵するMOA美術館では数年に一度、これらの絵巻を交代で展示する機会をもうけていますが、展覧会会場ですべての場面をじっくりと見ることは、混んでいたり、時間が足りなかったりなど、なかなか難しいもの。
本であれば、好きなときに好きな場面を自分のペースで楽しむことができます。
しかも、A4サイズ見開き単位で展開する大画面、要所要所に盛り込まれた拡大図はかなりの大きさで、迫力があります。
辻先生のご著書でも有名な、「山中常盤物語絵巻」での牛若と盗賊が戦う場面も、この迫力。
(『岩佐又兵衛作品集』「山中常盤物語絵巻」第9巻より 牛若は、笑いながら斬る!)
というわけで、『岩佐又兵衛作品集』、ぜひお手にとってみてください。全国の書店にて絶賛発売中です!
この秋、「京都展 洛中洛外図と障壁画の美」で又兵衛の「洛中洛外図 舟木本」が話題になっている東京国立博物館のミュージアムショップにもおいてあります。
ちなみに、MOA美術館では2014年09月26日~10月28日までのスケジュールで、
「又兵衛『豊国祭礼図屏風』と『浄瑠璃物語絵巻』」展が開催されるようです。
生「浄瑠璃物語絵巻」を見られるチャンス! こちらも楽しみですね!
《こちらもおすすめ》
又兵衛ファンなら、こちらも見逃せません!
『洛中洛外図屏風 舟木本』岩佐又兵衛筆 東京国立博物館 監修、本体価格1200円
→東京国立博物館所蔵《洛中洛外図屏風 舟木本》を四分の一のサイズに縮小した複製に、解説を付けた大型リーフレット(左隻と右隻の二枚セット、それぞれ片面が作品、片面が解説)縦42cm×横90cmのサイズなので、細部をじっくり見るには最適です。
『ミラクル絵巻で楽しむ「小栗判官と照手姫」伝岩佐又兵衛画』太田彩監修、本体価格1,800円、B5判、96ページ
→江戸初期の人気浄瑠璃を題材とした、奇想天外な物語絵巻「をぐり」全15巻(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵、全長約300メートル)を迫力の大画面で紹介。恋人たちの数奇な運命と聖地・熊野における蘇りの奇跡が、又兵衛工房の真骨頂ともいえる極彩色豊かな細密描写で展開する。
そして最後にもうひとつ、又兵衛の「山中常盤物語絵巻」といえば、羽田澄子監督の映画、「山中常盤」を語らずにはいられません。コチラでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
大上朝美さんによる記事で、本書刊行のきっかけから、「謎の絵師」又兵衛の紹介、「山中常盤物語絵巻」のドラマティックな来歴まで、コンパクトにわかりやすくまとめてあります。
(『朝日新聞』11月3日付朝刊「本の舞台裏」、執筆=大上朝美)
本書は、アート関連のカリスマブログ「弐代目・青い日記帳」でもご紹介いただきましたので(コチラ)、あわせてご覧くださいませ。
すでに本ブログでもご紹介しましたが(コチラ)『岩佐又兵衛作品集』の最大の魅力は、「山中常盤物語絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」「堀江物語絵巻」の3つの傑作絵巻の全画面(もともとはそれぞれ150メートル近い大作)をノーカット・フルカラーでじっくり見られることです。
又兵衛作品に限らず、通常の美術書はもちろん展覧会図録でさえ、絵巻の紹介といっても、代表的な場面を取り出して掲載するにとどまることが多いですが、本書では詞書も含めてまったく省略なしで、すべての画面を見ることができるのです。
これまで、辻惟雄先生の名著『岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎』(文藝春秋)や芸術新潮の特集号などでその一部が紹介されてきましたが、もっと見てみたいと思ってこられた方にとっては(わたし自身もその一人なのですが)、願ってもないチャンスですので、ぜひお手にとって又兵衛の世界をじっくり楽しんでいただきたいと思います。
特におすすめなのは、行きかう人々を生き生きと描いた街中の描写や、屋敷のなかの襖絵や屏風の絵柄までも克明に描いている場面です。
これまで、あまりとりあげられてこなかった場面を、敢えてご紹介します。
(『岩佐又兵衛作品集』「浄瑠璃物語絵巻」第4巻より、浄瑠璃姫の館のなかの一場面)
人々が調理をしたり、行水をしたり、散髪をしたり、と当時の風俗が実に手に取るように描かれているのもおもしろく、「洛中洛外図屏風 舟木本」と同じ視点を感じさせます。
(『岩佐又兵衛作品集』「浄瑠璃物語絵巻」第8巻より、宿の井戸端で行水をするおじさんたち)
とまあ、これは氷山の一角で、じっくりと見れば見るほどおもしろいさまざまな場面が散りばめられております。
所蔵するMOA美術館では数年に一度、これらの絵巻を交代で展示する機会をもうけていますが、展覧会会場ですべての場面をじっくりと見ることは、混んでいたり、時間が足りなかったりなど、なかなか難しいもの。
本であれば、好きなときに好きな場面を自分のペースで楽しむことができます。
しかも、A4サイズ見開き単位で展開する大画面、要所要所に盛り込まれた拡大図はかなりの大きさで、迫力があります。
辻先生のご著書でも有名な、「山中常盤物語絵巻」での牛若と盗賊が戦う場面も、この迫力。
(『岩佐又兵衛作品集』「山中常盤物語絵巻」第9巻より 牛若は、笑いながら斬る!)
というわけで、『岩佐又兵衛作品集』、ぜひお手にとってみてください。全国の書店にて絶賛発売中です!
この秋、「京都展 洛中洛外図と障壁画の美」で又兵衛の「洛中洛外図 舟木本」が話題になっている東京国立博物館のミュージアムショップにもおいてあります。
ちなみに、MOA美術館では2014年09月26日~10月28日までのスケジュールで、
「又兵衛『豊国祭礼図屏風』と『浄瑠璃物語絵巻』」展が開催されるようです。
生「浄瑠璃物語絵巻」を見られるチャンス! こちらも楽しみですね!
《こちらもおすすめ》
又兵衛ファンなら、こちらも見逃せません!
『洛中洛外図屏風 舟木本』岩佐又兵衛筆 東京国立博物館 監修、本体価格1200円
→東京国立博物館所蔵《洛中洛外図屏風 舟木本》を四分の一のサイズに縮小した複製に、解説を付けた大型リーフレット(左隻と右隻の二枚セット、それぞれ片面が作品、片面が解説)縦42cm×横90cmのサイズなので、細部をじっくり見るには最適です。
『ミラクル絵巻で楽しむ「小栗判官と照手姫」伝岩佐又兵衛画』太田彩監修、本体価格1,800円、B5判、96ページ
→江戸初期の人気浄瑠璃を題材とした、奇想天外な物語絵巻「をぐり」全15巻(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵、全長約300メートル)を迫力の大画面で紹介。恋人たちの数奇な運命と聖地・熊野における蘇りの奇跡が、又兵衛工房の真骨頂ともいえる極彩色豊かな細密描写で展開する。
そして最後にもうひとつ、又兵衛の「山中常盤物語絵巻」といえば、羽田澄子監督の映画、「山中常盤」を語らずにはいられません。コチラでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます