ブナの中庭で

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白山のコマクサ除去

2011年10月04日 | 生物多様性
白山にはコマクサがありませんでした。
「高山植物の女王」のコマクサがないのを残念がる人が多かったのも確かです。

ところがここ数年、「白山の室堂周辺でコマクサ見たよ」という目撃情報を耳にしてきました。
いったい

調査によると、DNAの型が乗鞍岳のものと一致したとのこと。
実は1973年頃、登山愛好家の方が乗鞍岳からこっそり持ち帰り、白山に移植したとのことです。

調査の結果、室堂周辺には約5900株のコマクサが生育していることが判明。
他の在来種に影響を与えることが懸念されることから、除去されることになりました。
「生物多様性」の面からは、ごもっとも。

でも、(大きな声では言えないけれど)私の周囲の山が好きな人々からは
「あぁ~残念。せっかく根付いたんだから引き抜くこともないだろうに
という声も聞こえてきます。
生物多様性の保全、ムズカシイ。

ところで白山の弥陀ヶ原、20年程前に初めて登った時はチングルマなど一面のお花畑に感激したことを覚えています。
ところが現在は笹だらけ。
こちらも除去したい!

えっ?「笹は自然に勢力を拡大したから外来種とはいえない」「だから除去できない」って?
 う~~む。生物多様性は考えれば考えるほど、ムズカシイよ。

(冒頭の写真は白山のコマクサではなく、今年訪れた化雲岳のコマクサです)

4 コメント

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Unknown (nomrun)
2011-10-04 20:39:03
新聞を見てとうとう始まるのかと、ちょっとざんねんです。(難しい問題ですよね。)

確かに外来種かも知れないですが、コマクサの生息環境は、他の植物が生えないようなガレ場じゃないのかな?

在来種の植物に影響が出てからでは、遅いのかも知れませんが、実際に何か影響が出ているのかな?

私にはどっちが良いのかわかりません。
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除去という言葉 (ミケネコ)
2011-10-05 07:57:39
除去というのは寂しく感じます。徹底採集ではいけないのでしょうか。コマクサは人気が有ります。白山にあってはいけないとしても採集して生かしたまま下山して楽しんでもらう、そんなことはできないのでしょうか。小笠原では猫の問題が有りますが、ここでは駆除という言葉は使いません。野生化した猫を捕まえて避妊手術をし、マイクロチップを入れて、人に慣れさせて里親に引き取りに来てもらう、引越しという言葉を使って活動しているテレビ番組を見ました。コマクサも欲しい人に一緒に登山して貰い採集して持ち帰りすることはできないでしょうか。
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コマクサ除去を考える (seta)
2011-10-05 13:56:52
除去は反対なんですがね。
移植はずいぶん前のようで、すでに時効と思いますがいかがでしょうか。
白山のオオバコやスズメノカタビラなどの低地植物は登山者の歩く所がほとんどですがコマクサは登山道にはないようです。除去のため踏み入ることで他の植生に影響を及ぼし裸地化になることのほうが心配です。岐阜県側はかなり範囲が広いようですよ。
弥陀ヶ原のササ刈りのほうが高山植物復活で有効ではないでしょうか。
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コメントありがとうございます (Repu)
2011-10-06 21:34:19
nomrunさんへ
 nomrunさんに教えて頂いていたのに、このようなことになりました。私もコマクサは砂礫地に生育し、他の植物とは競合しないように思うのですが‥‥。

ミケネコさんへ
 本当に「除去」という言葉、冷たいですね。でもこの言葉を使って発表されていたので、ブログ記事でも使いました。
 せっかくの命、どんどん抜き捨てるのは悲しいです。

setaさんへ
 本当ですね、除去作業による踏みつけ、心配です。
 setaさんも弥陀ヶ原の笹刈りに賛成なのですね。このままでは少し残っているチングルマなども、どんどん「ササ圧」(こんな言葉ある?)に負けてしまいそうで悲しいです。
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