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ブナの中庭で

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石川労山救助隊訓練-覚えておきたい技術(1)

2012年06月11日 | 山の技術
6月10日、石川労山(勤労者山岳会石川支部)の仲間が鶴来の体育館に集まりました。熱い仲間は労山の山岳救助隊のメンバー、年2回ある救助隊の訓練です。

3人以上のグループで岩稜を縦走(例えば西穂高岳から奥穂高岳の登山道)中に、メンバーの一人が足を滑らせて滑落した、という想定のもと、救助の訓練をしました。

グループで、補助ロープ、スリング数本、カラビナ数枚を携行しているという前提のもと、救助のシステム作りです。


そのプロセスを書きます。(自分の備忘録です)

1.自分(リーダー)はちょっと危ない箇所を自力で歩く。
2.「これは危険だ」と判断し、支点をセットしセルフビレイ(自己確保)をとる。
3.ロープを支点に固定し、後続メンバーに投げる。
4.後続メンバーは何らかの形でロープを自分にセットする。
   *このとき、スリングで簡易ハーネスを作れればベスト!(後述)
5.後続メンバーをロープでビレイ(確保)する:ムンターヒッチ(半マスト結び)
6.しかし後続が滑落しロープで止まる!
7.自分は後続の様子を見るため、ロープを仮固定。カラビナ懸垂下降で負傷者のところまで下る。
8.負傷者は捻挫をしているが意識があり、何とか自力で登山道まで登れそう。
9.これを確認し、自分は登山道まで登りかえす。
9.負傷者を1/1(1分の1)システムで引き上げることに決定。
10.ロープにプルージックを巻き付け支点のカラビナへセット。
11.パーティのメンバー全員(2人以上)でロープを引き上げる。

写真もう一度。

(ロープの左に負傷者、右が引き上げるロープです)

もしパーティが2人(つまり救助者が1名のみ)という設定ででは、上記の方法では荷重が重すぎ、1人での引き上げは絶望的です。
そこで「1/3引き上げ」の練習も行いました(引く力は1/3、ロープを引く長さは3倍)のシステムです。

最後に、「危ない!」と思ったらグループで携行しているスリングを使って簡易ハーネスを作る方法を教えて頂きました。

*準備: スリング180cmのもの、カラビナ(なるべく環つき) 


スリングを右肩に掛け、背後から左脇腹へ回す。同時に両脚の間より背中側のスリングをおへそ側へもってくる。
左脇腹と股間の両方からスリングを引き、腹の前で合わせる。
スリングの長さと体格に応じて長さを調整するため、余分な長さの分はひねり上げる。
最後にひとつにまとめて環つきカラビナをセット。


ハーネスを持っていなくても、ロープへの連結はバッチリです!

覚えておきたい技術、明日も続きます。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
訓練 大事なことです (nomrun)
2012-06-12 20:34:13
このようなロープワーク等は、やらないと忘れてしまうので、定期的に練習する事が大切ですね。私も2*年前に、ある資格を取るために必死になってロープワークを練習して覚えましたが、今 やってみろと言われたら・・・てすね。
救助のつもりが、万が一にも外れたりしたら、命取りですからね。
古いザイルを出してきて練習してみます。
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資格? (Repu)
2012-06-12 21:45:44
ロープワークが結びつく資格ってあるのですね。何やら感動。
ザイルワークはおっしゃるとおり、繰り返さないと忘れてしまう技術です。私の山の師匠Norbertさんは、「目をつぶって腕を背中側に回しても結べるようにしておけ」とおっしゃいます。
しかし肝心な時には常に焦ってしまい、できない不詳の弟子Repuであります‥‥。とほほ
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