ブナの中庭で

ようこそブナの中庭へ!大好きな登山や山スキー、環境問題や自然のことなどいろいろ綴っています。

奥又白池を経由して前穂北尾根

2023年07月17日 | アルパインクライミング
アルパインの洗礼を受ける

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山岳会の大先輩の言葉、
「岳人なら奥又白から前穂北尾根、一度は登らないと」

北穂前尾根は残雪期に登ったことがありますが、
いえ、登ったではなくノルベルトさんに引っ張り上げてもらいました(^^ゞ

前穂北尾根 - ブナの中庭で

前穂北尾根は長年の憧れでした。素晴らしい晴天に恵まれた2日間、無事登ることができて感激です。4月28日、上高地8時出発。バスターミナルも河童橋もそれほどの混雑は...

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今回は「念願の奥又白池にテント泊で北尾根GO!」の予定でしたが、三連休の中日は天候悪く、奥又白からいったん涸沢へ降りて、登り返して北尾根を登頂しました。
その3日間の記録です。

1日目:7月15日(土)
三連休初日で混雑する上高地を出発。
徳沢から仮設橋を渡ってパノラマ新道へ。新村橋は架け替え工事中で渡れません。


パノラマ新道と奥又白池に向かう中畠新道との分岐にはペンキ表示があります。


中畠新道は奥又白谷の右の急な尾根を登るルート。


遭難レリーフのある大岩を右から巻いて、その後は急登の連続。


やがて沢の源頭部へ。


いやらしいトラバースして、


奥又白池へ無事到着~!ガスがかかって実に幻想的。


本日はテント5張り、全てクライマーでした。
美味しい水も採れて素晴らしいテントサイト、幸せです。


2日目:7月16日(日)
直前になって連休中日の天気予報が悪くなり、そのとおりにガス&強風。
前穂北尾根は諦めて、涸沢へ向かうことにしました。
通る人がほとんどいないようで、草付きトラバースも終始藪漕ぎ。


激下りの後の激上り。落石頻発のトラバース、何か所も。
ルーファイもなかなか難しくて、疲れます・・・


最後はトラバース、落ちたら重大事故になりそうな。


ロープ確保しました。


前穂北尾根5・6のコルに登り上げて、明日登るルートの確認。
この時、上部でずっと声が聞こえていました。


涸沢へ下ると、大賑わい。
連休中日が天気悪く、小屋でゆっくりしている人も多かったね。


私ものんびりしていると、ヘリが来た!
北尾根5峰で事故があったとのこと。

5・6のコルで聞いた声は、事故関連だのか・・・。
(この時の遭難者はお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。)

明日の登攀を考えて緊張感が高まります。
夕方、天気は回復してきました。


涸沢を朝3時に出発して、再び5・6のコルへ。
準備していると日の出、北尾根が真っ赤に染まります。




登攀準備をして出発、まずは5峰へ。


岩を確認しながら一歩ずつ。


やがて4峰がドーン!


ルーファイ核心です。


4峰上部で少々迷って行きつ戻りつ・・・。


偶然他のクライマーが現れて助かりました。
力不足のワタクシ駄目ですね~ (^^ゞ
落ちたら即死亡の時間が続きます・・・


そして核心の3峰が。
4パーティがクライミング中。(写真にも小さく映っています)


私たちもロープを繋ぎます。


スタカット1ピッチ目、トラバースからルンゼ、大岩、リッジとなかなか複雑なルート。
大きな荷物で身体が動きません!


2ピッチ目、ルンゼからスタート。


大きな窓から絶景が。


3ピッチ目は歩き、4ピッチ目は快適ルート。


ロープを外して3峰へ、2峰もまもなく。
2峰からは10mの懸垂地点です。


最後は少しの登り返して、1峰である前穂山頂へ到着\(^o^)/


素晴らしいお天気に恵まれ、楽しい(そして緊張感イッパイの)クライミングでした。


「ここからは一般登山道」と舐めてはいけません。
実は前日、ここでも死亡事故があったそうです(と下山後に知りました)。






水が無くなり喉カラカラで岳沢小屋へ。
「助かった~!」一気に1リットル以上飲みました。


あとは上高地へ下るだけ。


上高地、いつ来ても素晴らしいところ。
(この水に飛び込みたい気持ちを抑えるのに必死💦)


河童橋に無事到着。前穂を眺めてウルウル・・・


岳人憧れの奥又白池にテント泊し前穂北尾根を無事に登攀できて、大満足でした。
同行のEコーチ、ありがとうございました。

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