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鬼泪山(きなだやま)の国有林

2010年12月22日 | 環境問題
鬼泪山(きなだやま)は千葉県富津市の鹿野山の西の麓にある標高268mの里山です。
鹿野山にはマザー牧場や、佐貫から大多喜に向かう街道筋の宿場町として栄えた神野寺があり、神社、仏閣が多く存在しています。

ここは以前から山砂採取を求める業者と反対する市民で揺れてきました。南房総の里山では良質の山砂が取れ、これまでに首都圏のビル建設、東京湾の埋め立てやアクアライン建設を支えてきました。
その結果、鹿野山域では浅間山が消失し、その次として国有林が広がる鬼泪山が狙われていたということです。

2008年、山砂業者が鬼泪山から1億トンの山砂採取を計画。
2009年1月「鬼泪山の国有林を守る市民の会」が結成。
  鬼泪山の現地調査、湧水調査などを実施。2010年には1万筆の書名を集め、県に提出。

そして2010年11月に県に出された「土砂採取対策審議会報告書」(会長の渡邉勉千葉工業大学教授)には、次のように書かれました。(要旨で紹介)

「砂利需要が低迷している現状や、千葉県の発展に関連の深い公共性の高いプロジェクトが見当たらないことから、現時点では県の国有林からの山砂採取の基本的考えを見直す状況に無い。
 また山砂採取のためにひとたび山を掘削すると、地盤の改変により地盤・森林・景観など今までバランスの取れていた自然環境が崩れることになり、元の環境に回復することは至難の業となります。
 我々の世代、孫、ひ孫の時代のみならず、後世にわたって環境との共存を図り、持続可能な自然や社会を築いていく方策が求められています」

これを受けて県は土砂採取を認めないと発表。
鬼泪山の自然を守ろうと活動してこられた市民のみなさん、おめでとうございます。

さて全国に砂が採取され荒廃した山が見られます。環境修復はすすみません。
今後、山砂採取については事前に環境への影響を十分に検討していただきたいと思いました。


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