ブナの中庭で

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「四国八十八カ所」(石川文洋著)

2008年12月24日 | いろいろな本
「山の本」ではないかもしれませんが、アップダウン厳しい道を歩き続けて八十八カ所を巡るお遍路は、山登り同様に厳しいもの。
著書の石川文洋氏は、長年戦場カメラマンとして活躍した方です。
戦渦に巻き込まれた人々、とりわけベトナム・カンボジアで斃れたジャーナリストらへの鎮魂の旅でした。



著者は八十八カ所を、冬の阿波、夏の土佐、真夏の伊予、初夏の讃岐、と4回に分けて巡りました。
四国の鮮やかな自然、平和に満ちた人々の表情‥‥、約2000枚も収録された写真が心にしみます。



遍路日記の合間にはさまれるコラムでは、ベトナム・カンボジアで命を落としたジャーナリスト15人の思い出が綴られます。一ノ瀬泰造、澤田教一‥‥。
以前、私も彼らのルポ、記事、写真に触れたとき、驚愕し戦慄したことを思い出しました。本書に収録されている石川氏撮影の戦渦の写真は、悲しみでいっぱいです。



読み終えて、ぜひ四国八十八カ所の遍路旅に、いつか必ず行きたいと思いました。

「カラー版 四国八十八カ所 ~わたしの遍路旅」
  石川文洋著、岩波新書1151、1000円、2008年9月発行

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