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世界地質遺産「ジオパーク」の国内候補が決まる

2008年10月28日 | 地質・地形・地球科学
世界地質遺産「ジオパーク」とは、世界遺産と同様にユネスコが選定するもの。
地球科学的にみて非常に重要で貴重、かつ美しい地形や地質をもつ地域が選ばれています。
選定の条件としては単に貴重なだけでは選ばれず、地質遺産を保全し地球科学の普及に利用し、さらに地質遺産を対象とする「ジオツーリズム」を通じて地域社会の活性化を目指しているという点です。

「ジオツーリズム」とは博物館、自然観察路、ガイド付きツアーなどによる、地球科学や環境問題に関する教育・普及活動、と定義されています。

これまでに世界で50箇所が選ばれていますが、なかなか条件が厳しいこともあって、日本ではまだ指定されていませんでした。
ところがこの度「地質遺産」候補に、次の3地域が決定しました!

 ・「洞爺湖有珠山」(北海道)
 ・「糸魚川」(新潟)
 ・「島原半島」(長崎)

先だって発足した日本ジオパーク委員会が、この3地域を候補地としてユネスコへ申請するそうです。

早ければ、来年夏にも登録が決まる見込みだとか。地質遺産は、保護が主目的の世界遺産とは異なり、教育や研究、観光面での活用も重視されるため、登録による地域活性化が期待されています。

さて私はこの3箇所とも地質巡検で行ったことがあります。
なかでも糸魚川は距離的に近いので、これまで何度も調査で訪れました。

糸魚川には大変充実した地質学の博物館であるフォッサマグナミュージアムがあります。
展示がとても充実していて、何度訪問しても感激しますよ。

糸魚川には、大活断層である「糸魚川・静岡構造線」が明確に見られます。
このラインで日本は、西南日本と東北日本に二分されるんですね。(電気の60ヘルツと50ヘルツの境界もほぼ一致!)


また古生代の石灰岩の大岸壁の明星山(紅葉とクライミングで有名)もジオパークの重要な要素です。


古代人の胸元を飾った翡翠、その大産地であった姫川上流のひすい峡も、ここです。
川の中には翡翠原石がいっぱいみられます、採取は一切禁止ですが。


糸魚川は本当に素晴らしい地域なので、ぜひ一度訪問されることをおススメしますよ。

さて、明星山のクライミングは難しいことで有名ですが、私もいつかの日には登ってみたいなぁ。

でも、とんでもなく力量不足デス。練習、練習‥‥。

(明星山は2004年11月、糸魚川・静岡構造線は2004年7月に撮影しました)

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