2017年1月14日、一橋大学校内の国際交流会館で、今年も墨絵ワークショップを開催させていただきました。
受講の対象は、主に国際交流会会館に在住の留学生の皆さんです。
この「墨絵ワークショップ」は、もっと広い範囲の方々に墨絵の面白さを体験していただき、
そして、墨絵の愛好者を増やしていこうという想いのこもったワークショップです。
当、琳派墨絵クラブの原点ともいえる、大事な活動です。
最初に開催させて頂きましたのが、こちらの一橋大学様でした。
再訪する度に、身が引き締まる思いがします。
そして、自分の成長を感じるバロメーターに向き合う様な気持ちが致します。
ワークショップのプログラムは、たった2時間です。
この2時間の中で、
墨絵の歴史、
墨絵の道具の説明(名称と材料、書道の道具との違いなど)
基本の筆法をいくつか
色紙にお清書
をこなしてもらいます。
(今回のお教室の写真は、受講者の皆さんから使用許可を頂きましたので、
ご協力に感謝して、掲載させていただきます。)
ご覧のように、最初に硯で墨をする所から始まります。
皆さんにとって、墨絵とはまったく未知の世界です。
書道すら経験がなく、筆を持った事のない方がほとんどです。
もちろん、墨もはじめて見ます。墨の香りの意外さといったら。
墨絵の基本は、何といいましても「竹」の絵です。
様々なやり方で筆をととのえ、準備し、幹や葉や枝を描いていき、
最後に構図に収まるよう、苦心を重ねます。
色紙に描くというゴールを目指して、
何度もなんども丁寧に練習していく、皆さん。
最初、私は「記録用に」と何気なく写真を撮っていたのですが、
後から撮影した写真をみると、
どの方もニコニコ笑いながら、運筆していらっしゃいます。
本当に感動しました。
最初から色紙に描くというのは、難易度が高いと思います。しかしながら、
色紙に描く事で作品になり、お友達に見せたり、母国に持ち帰ってご家族に見せる事ができるでしょう。
そうして、「墨絵」が少しづつ身近に感じられるようになる事でしょう。
いつも、ワークショップの最後に「感想文」を書いてもらっています。
中には、美術館でみたあの絵が「墨絵」だと初めて知りました、という感想もありました。
「墨絵」を通して、若い留学生たちに、何が学びになるか?
毎回、いろいろな感想文を有難くたのしく、読ませて頂いています。
次回は、より「禅」の修行に取り入れられた、「理由」にも迫るような、
そんなプログラムができたらすごいな~と思いながら、今回のワークショップを終了しました。
琳派墨絵クラブ