琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

琳派日本画 sustainability花暦「ハーブ、野菜」

2019年02月27日 | 教室案内

 

先日、アメリカのコロラド州から、

庭園デザイナー兼パーマカルチャー農法家のかたが、

日本画を習いにお出で下さいました。

全4回での個人レッスンをさせて頂きました。

 

ここ数年の間に

「sustainability」 という言葉を、

環境問題はもちろん

政治や経済の方でも、

頻繁に 耳にする様になったと 私は思います。

 

「持続可能性」という 意味ですが、

これまでの日本語の会話中では、

あまり なかった言葉でもあります。

 

最近、こうあまりにも 言われておりますと、

「今後も同じように出来るということは

とても価値のある事だと 言われている。」と、

このような はっきりとした価値観を

自分が持っていたかどうか

改めて 問われるようです。

 

このsustainabilityに異を唱える理由もなく、

世界規模でこの価値観が広がっているという 

気が いたしております。

 

 

 

今回、日本を訪れてくださった アメリカの方ですが、

やはり sustainability について、敏感に捉えていらっしゃいました。

 

「日本画には、以前から興味がありました。

使われている画材ですが、それが環境を汚染するようなものではないため、

今でもなお 昔から同じものを使用していると聞きます。

画材に対する哲学や、

日本の画家が環境にたいして持っている感覚、

自然界に対して抱いている感覚について

もっと知りたいと思っています。」

 

「モチーフは、ハーブや野菜を選びたいです。

これらの私が普段、収穫したり植えたりしているものを、

日本画で描けるということは

大変な喜びです。」

 

と、このように仰いました。

 

いわれてみれば、確かにそうですが、

私自身はこれまで、日本画をこのように

捉えたことはありませんでしたので、

 

面白くなり、

ぜひ来ていただく事となりました。

 

(先ずは顔彩で!)

 

そこで、モチーフの写真を送っていただき、

 

”ヤマホウレンソウ”ですとか、

なんとも日本語に訳しがたいハーブの種類の数々、

それから、さやから実をはじいている”えんどう豆”といったものまで、

いろいろな野菜とハーブを

描いてまいりました。

 

(帰られた後この梅皿をみたら、レッスンが終わってしまった事で、ふと寂しくなりました。)

 

 

合間合間に、お互いの国の

食の事情などについてもお話し、

なごやかにクラスを進めさせていただきました。

 

日本画を通して、海外の農家の方と出会うとは、思いもよらぬ事でした。

よい経験をさせていただきました。

 

 

琳派墨絵クラブ

 


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