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今日は、日本画でクリスマスツリーを描いてみました。古典の琳派作品には、もちろんクリスマスなんてございませんから、
どう描いてみようか、試行錯誤するうちに、また新しい琳派の魅力を発見したりします。
実践による琳派研究はとても重要なのです。これからも精進して参りたいと思います。
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ところで、水墨画作品ですと、よくこんな事があります。
いざ筆をとり、白い紙に向かって描いた、最初の一枚があるとします。
それから、また何枚も後に続けて描きます。
何枚も描く内に、工夫も致しますので、だんだん良くなった気がして参ります。
しかし、この最初の一枚の持つ魅力には、叶わないのです。
その日の最初の一枚は、この時に果たされてしまいますが、
またお稽古をすれば、その時の最初の一枚は、ふたたび魅力的です。
「何か」が、最初の一枚に込められて、にじみ出ています。
その「何か」とは、なんでしょうか。
お稽古からお稽古までの間、私達は社会で様々な体験をし、他人に会って接し、
なにかを感じたり思ったりしながら、一人で過ごし、そして道を歩いてやって来ます。
決して、幸福感を感じられるものではないかもしれませんが、
結局のところ、こうした誰にもある、何気ない過ごし方が、
私達を養ってくれるものであり、恵みとして与えられているのです。
それが、実に「最初の一枚」に、溢れ出しているのだと思います。
琳派墨絵クラブ