美味!な日々

2021年9月の観劇録(その1)

ムサシ@シアターコクーン
蜷川さん7回忌追悼公演だとか…早いなぁ。
恐らく今年4作目の井上ひさし作品。初演から何回か再演されているけど何故かタイミングが合わず、観るのは初めてです。吉川英治の小説が原案ですが、恨みの鎖を断切る…とか、今にも通ずるストレートなメッセージにグッときたり、五人六脚とか鋼太郎さんの狂言とか楽しくて爆笑したり…な作品でした。二幕頭で何故か睡魔に襲われたけど、スジは失わずに済んだので良かったです(汗)。
冒頭の竹やぶから寺が出来上がっていく過程はもはやダンス、踊りだな、と思うくらい、印象的。
カーテンコールでキャストが井上さんと蜷川さんの写真と共に初演に出演していて先日逝去された辻萬長さんの写真を手に出てきたのですが、萬長さんの写真見たら、もう萬長さんのナマ舞台が観られないと思ってちょっと胸に来るものがありました。


赤シャツ@東京Brilliaホール
音楽が生演奏なのが贅沢。桐山くんの舞台前作は、コロナ禍中止で残念ながら観劇できなかったので、今回の観劇を楽しみにしていましたが、言動がことごとく裏目に出てしまう残念なキャラクターだったり、悲壮感や気に障る笑い方等々、表現が巧みで良かったです。松島くんも初舞台には全然見えず、予想以上に良かったです。
所々挟み込まれるナレーションベースの『坊っちゃん』本編で、あーこの場面の裏側か…等々結び付く感じも楽しかったです。前述の『ムサシ』同様、マキノさんの本も良くできた脚本だなぁ、と唸ってしまいます。それにしてもあのナレーション、どなたの声だったのかしら。。。気になります。
それにしても本作は高橋ひとみさん演じるウシで成立している舞台だな、と思いました。主役の赤シャツ以上に印象に残る役で、高橋ひとみさんがキラッキラしてました。


友達@新国立劇場 小劇場
安部公房って小説家という知識しか無かったので、KERAさんの『砂の女』同様、てっきり小説の舞台化かと思っていたら、安部公房は劇作家の顔もあったのね~。でその戯曲を上演台本・演出の加藤拓也がかなり調理・味付けしたと思われる今作、怖面白い、いや、恐怖が勝ってたな。舞台美術もシンプル過ぎて怖さを増幅してた気が。寄生されて、隣人愛の名の元にお金も仕事も恋人も奪われていき、最後には…いやぁ、怖すぎです。9人家族の天真爛漫な感じも終わってみれば恐怖ですね。フィクションとはいえ、自宅のドアを開ける際はこれまで以上に気をつけよう、と思ってしまいます。(^^;
キャストがワタシ的には豪華で、鷲尾真知子さんや西尾まりさんの使い方、贅沢過ぎでした。

 
 
  
 
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