ほとんどの典座和尚が、自分が作るゴマ豆腐が一番美味しい、と思っている(かもしれない)。
今回の精進料理膳でも供させていただいた、精進料理の華ともいえる「ゴマ豆腐」ですが、実は典座和尚それぞれに造りかたが少しずつ違っていて結構面白いものです。
ゴマはやっぱり粒からやらなきゃイカンと言う方もあれば、ペーストで充分という方もあり、またゴマの擂り加減もさまざま。
皮を漉しとる人もあれば、皮ごと混ぜて練り上げる人もあり。
水とゴマの分量割合も1:5だったり1:7だったり。7のうちの1はお酒でなくちゃ、という方もあったり。
食べ方もわさび醤油で食べるとか、ゴマ辛子ダレ、精進だし汁、柚子味噌が良いとか、いや、やっぱり醤油餡におろし生姜が一番、などなど・・
典座の数だけ食べ方がある、そんな感じもします。
ちなみに住職は塩味の効いた精進だし汁におろし山葵の組み合わせが一番かな・・と思います。
あ、ウチの寺族さんは山葵醤油で刺身風に食べるのが最高だといっております。
倫勝寺のゴマ豆腐の作り方はごくスタンダードな作り方で、何も変わったところはありません。
①ボウルなどに練りゴマを1、水を6(美味しい水がいいです)の割合で入れて、よく溶きます。
これを目の細かい裏漉しで漉して、ゴマの皮を取り去ります。
②厚手で大き目の鍋にゴマ水を移し、適量の塩を入れます。
練りゴマと同じ分量の本葛をいれ、鍋の中でよく溶かします。
③鍋を火にかけて、焦げ付かないように鍋底からゆっくり大きなしゃもじなどでかき回します。葛湯と同じで、火が通ってくるとあっという間にドロンッと固まってきますので、急いで火を弱火にしてゴマ液を練り始めます。
④鍋の向きを変えたり、火の加減を見たりしながら一所懸命練りましょう。鍋の大きさにもよりますが、小さい鍋なら2、30分。大きければ60分くらい。
この間は休んだり、手を抜いたりは出来ません。
⑤良い加減になったら(ここが難しいところなんですけどね・・)、最後にみりん少々を加えて強火で一分間練り上げ、濡らしたバットなどに流し込みます。
手早くラップでぐるぐる巻きにして、そのまま一晩かけて冷ませば出来上がり。
翌日食べやすい大きさに切りわけ、おすきなたれで召し上がってください。
で、ここでお勧めなのが、黒蜜とおろし生姜の組み合わせ。
写真は黒蜜だけをかけてありますが、これが、まったく、ああ・・ため息が出るほどおいしい~~~~のです。
5個くらいあっという間に食べられます。
あんこ好きの住職が言うのですから、間違いありません。
市販のごま豆腐でも、結構イケるかも。
まあ、自分で作ったゴマ豆腐に黒蜜かけるて食べるのが一番美味しいんですけどねって・・あれあれ、なんだか自慢話になっちゃいましたね。
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林家今丸さんが、節分の慰労の席で住職の切り絵を作ってくれました。
ヒチコック劇場みたいですが、頭の形、特に後頭部なんかソックリ!と家族から大評判です。
今丸さんいわく、髪型は皆おんなじだけど、頭の形が微妙に違うんですよね・・・って、うーん、それはそうです。
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今日のおまけ
境内には梅も沢山咲いています。忙しさにかまけて気づきませんでしたが、暦の通りに春は来ています。
百合の種の莢だと思うのですが、こんなふうに冬を越しても残っていると、結構いい絵になりますね。
今日はここまで。