さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

20240629 總持寺つれづれ3

2024-06-29 17:09:34 | 曹洞宗

6月28日をもって、鶴見のご本山、總持寺へのお手伝いもひとまず終了。
団体での拝宿(参籠・おこもり)やお膳でのお食事、研修などもとりあえずピークが過ぎました。
これからお盆時期に入って忙しくなるので、お受けできないという事情もあるかもしれません。
腰が痛いポンコツ住職でも若い方々と一緒に仕事をするのは本当に楽しく、なんとか勤めさせていただきました。
ただ、調味料が使い慣れないものばかりで味が決まらないことも多く、舌がバカになっているように感じました。
うーん・・足腰の痛みだけでなく、そういった感覚においても、年齢からくる一抹の不安を覚えた住職であります。

今回もまたお勉強させていただきました。
典座の修行は老婆心、親切心の修行なのだなあとつくづく感じます。
味付けも然り、食材の硬い柔らかいも然り、そして後片付け含めた手順もすべて老婆心、親切心なのですね。
自分の都合の良いようにさまざまな手順を省略してしまったり、
アレが無いから美味しくできない、とぼやいたりするのは、やはり不親切です。
そんな気持ちで作った料理は味が落ち着かず、結局、召し上がる方にも失礼なことになってしまいます。

せっかくのご本山での修行でしたので、その辺は心していたつもりなのですが・・まだまだ足りないところがあるようです。
はい、自覚しております。

料理自体は若いころの方がおいしくできたのかもしれません。
しかし、歳を重ねて今おもえば、気持ちの在り方という点では修行が、思慮が足りなかったように思います。
自分が作ったのが世界一美味しいと思ってましたからね、あの頃は。
とんでもないお馬鹿さん、だったわけです。

40年前に永平寺の典座寮でお世話になった村山典座老師は、つねづね「けんちん汁がおいしくできるようになれば大したものだよ」と言っておられました。
修行道場のけんちん汁は、残り野菜の端っこや余ったおかずで作ることの多いので、一般家庭やお料理屋さんで提供されるものとはだいぶ違います。
残ったいろんな煮物や和え物、野菜くずまで一口大に切って豆腐と一緒に炒めて煮込んで作りますので、かなり混とんとした味になります。
ざっくり言えば、普通ならゴミ箱に始末される食べ物を、ありがたく命の糧として頂戴する料理なわけですね。
そのけんちん汁を美味しくできたら大したものだよ、と言いうわけですから、当番にあたったときはけっこう難儀しました。

親切。

自未得度先渡他(じみとくどせんどた)
自らが悟りを開かなくとも、他の方が悟りを開く修行の手助けをして差し上げなければ、という深い親切心が料理にも求められると思います。

今回もまた失敗ばかりだったけれど、またいろんなことに気づかせていただきました。
ご本山は有り難いところです。

・・・・・・

さて、昨日6月28日お手伝い最後の日は大雨が降って境内は大変な状況。
本山の建物は屋根が大きいので、軒から落ちる雨粒はもはやナイアガラの滝。
外出はとても無理。

で、山内をふらふら巡ってきました。

今回も堂塔伽藍の詳しい説明はこちらからご覧ください。

あちこちでかっこいい建物だと言い続けている香積台に入ると、玄関では大きなおしゃもじとすりこ木が出迎えてくれます。
布袋さんの前がおしゃもじ、奥にあるのがすりこ木です。

正面奥には、巨大な大黒様が祀られています。

新米の時期が来ると、全国のお米農家さんからの献米がご尊前に並べられます。
本山のご飯はいつも美味しいのですが、その時期のご本山のご飯は格別、本当に美味しいのです。

受付を過ぎて大祖堂に向かって進んでいくと、禅師様の表座敷である紫雲台につきます。
大雨で襖を締め切っていたので長い廊下はうす暗く、いかにも本山、といった雰囲気で良い感じであります。

ちょっと横に入って中庭を眺めます。
庭に面した廊下も、長い。

本通路に戻ってさらに進むと、正面には禅師様のお住まいになられる侍局があります。
写真ではよく見えないですが、黒い扉の奥になります。
近づくのは恐れ多いので、少し離れたところから撮りました。

侍局を正面にして左へ進むと大祖堂。
正面中央の須弥壇奥にはご開山瑩山禅師様や歴代のご住職の尊像、位牌がお祀りされています。
つまり大祖堂は普通のお寺でいうところの開山堂です。
ご本尊さまは仏殿に安座しておられます。

何もかも巨大です・・・雲水さんが少なくなってきましたので、お掃除が大変です・・

外縁の天井にある照明も趣があります。

礼拝したあと仏殿まで行こうと思ったのですが、大雨で断念。
で、Uターンして紫雲台へ。毎日のお掃除で廊下はピカピカです。

ちょっと回り道して、事務方トップの方が詰める監院寮前から香積台を眺めます。
大雨に降り込められた香積台。
屋根フェチの住職はガッカリです、何も写せません。

同じ場所から大祖堂を眺めると、これはこれでいい感じですが・・・
もう目の前が川になってる。

監院寮を過ぎると天真閣という、これもまたなかなか雰囲気の良い建物。
お檀家さんの法事の待合室などに使われているところです。
雨で薄暗いので、写真はなんだか夜警で回っているような雰囲気・・・

一般の方が入れるのと同じレベルの場所になるかもしれませんが、
次回はもう少しいろんなところを回って見たいものです。

さて、今回はリコーのGR3という小さなカメラで撮りました。
年齢とともに、ことカメラに関しては小さい、軽いは正義である、ということに気づきました。
人間が短小軽薄だからというわけではないのですが、大きく重たいのをもって歩くのはたまに、で良いです。

今日はここまで。



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