10月20日土曜日、住職が兼務する千葉県鋸南町の昌龍寺で開創400年記念法要が行われました。
昌龍寺は慶長18年(1613年)に格峰本逸大和尚が開山され、本年(2012)で400年目となります。
御開山さまは、鴨川市の寶昌院さまの2世でもあります。寶昌院さまは、外房の太海から少し山側に入ったところにあります。
昌龍寺は内房にありますので、もとはそのお寺の兄弟寺として、内房外房の布教教化に精進されたのであろうと思います。
昌龍寺の歴代住職の墓地は、もともとお寺の裏山の上にありましたが、
お参りするのに登山では大変ですし、だいぶ荒廃していましたので、ちょうど12年前、本堂前に移転させていただきました。
山から下ろしてきた20あまりの古い墓石は、土台の下に埋め込まれています。
昌龍寺は私で23代目。歴代住職さまの名前は下記のようになります。
大峯山昌龍寺 歴代住職
◎昌龍寺開山 宝昌二世 格峰本逸(かくほうほんいつ)大和尚
◎二 世 宝昌三世 陳堂運護(ちんどううんご)大和尚 四十四年間住持在山
◎三 世 節心智貞(せっしんちてい)大和尚 四十三年間在山(東堂22年)
◎四 世 大面鉄牛(だいめんてつぎゅう)大和尚 四年間住持在山
◎五 世 中興 揚津卓州(ようしんたくしゅう)大和尚 五十二年間住持在山
◎六 世 天徳七世 宝鑑恵鏡(ほうかんえきょう)大和尚 四年間住持在山
◎七 世 老山麟翁(ろうざんりんおう)大和尚
◎八 世 智蔵十五世 少林骨禅(しょうりんこつぜん)大和尚
◎九 世 千栄卓鈞(せんえいたくきん)大和尚
◎十 世 天然見外(てんぜんけんがい)大和尚
◎十 一 世 智蔵十八世 趙山逸州(ちょうざんいっしゅう)大和尚
◎十 二 世 洞水蒼龍(とうすいそうりゅう)大和尚
◎十 三 世 大雲天海(だいうんてんかい)大和尚
◎十 四 世 宝壽十世 大慧藏海(だいえぞうかい)大和尚
◎十 五 世 大洋道海(だいようどうかい)大和尚
◎十 六 世 清凛愚明(せいりんぐみょう)大和尚
◎十 七 世 佛海祐道(ぶっかいゆうどう)大和尚
◎十 八 世 大仙道樹(だいせんどうじゅ)大和尚
◎十 九 世 玄外顕龍(げんがいけんりゅう)大和尚 (俗名 金木顕龍)
◎二 十 世 泰應道然(たいおうどうねん)大和尚 (俗名 岩田泰應)
◎二十一世 倫勝寺二世 洞庵慈宗(とうあんじしゅう)大和尚 (俗名 馬場慈宗)
◎二十二世 倫勝寺三世 大意道男(だいいどうだん)大和尚 (俗名 馬場道男)
◎二十三世 倫勝寺四世 大林義実(だいりんぎじつ)大和尚 (俗名 馬場義実)
倫勝寺は私で4代目。山形の佛性寺も、私で6代目という、どちらかといえばまだ歴史の浅い寺であります。
法要前日に最後の掃除、法要の準備をおこない、歴代住職のお位牌をきれいに拭き清めて須弥檀中央に安置しました。
22体のお位牌、400年という重みをひしひしと感じます。
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当日は、台風が速度を速めて日本からそれてくれたおかげで快晴、ニッポンの秋晴れここにあり、というよい天気に恵まれました。
昌龍寺檀信徒や倫勝寺役員さん、保田観音寺の役員さん、藤島親方や有縁の多くの方々にお参りいただき、法要を慇懃にお勤めさせていただきました。
たまたまテスト休みということもあって、長男の義宗も今回の400年記念法要に参加することができました。
義宗の昌龍寺法要デビュー、ということにもなりますね。
歴代住職への報恩法要、そして檀信徒の皆さんの先祖供養が終わって記念撮影。
節目の法要を行うことができて本当によかった、という思いが湧いてきました。
法要後は、以前倫勝寺にもお越しいただいた藤沢市在住のハープ奏者、八木健一さんのミニコンサート。
クラシックや山口百恵さんのコスモス、喜太郎のシルクロード、引き潮、などジャンルにとらわれずに古今の名曲を演奏していただきました。
ハープのコンサートはなかなか珍しいことですので、檀信徒以外の方もおいでになられ、聴いておられました。
ミニコンサートの最後には「ふるさと」「里の秋」、この唱歌2曲をハープを伴奏にして皆さんで合唱しました。
秋の陽に照らされた前山、背山に、ハープの音と合唱の声が響きます。ちょっと涙モノです。
歴代住職や檀信徒の方々が守り続けてきた400年の大事な節目に、おだやかな、いい法要を勤めさせていただいたと、感激したことでありました。
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法要という表舞台だけが目立ってしまうのですが、やはりいろんな方々の助力や支え合いがなければ、一つのことは成し遂げられません。
400年に1回の貴重な御縁も、フイになってしまいます。
総代長さんはじめ、檀信徒の方々が熱心に掃除や草刈り、障子貼りにゴミだしと準備に奔走してくださいましたし、
当日の御茶の接待や、参道の坂の上り下りの送迎車の運転、交通整理、各所へ連絡のための事務手続き等、多くのことを檀信徒の方々が率先して行ってくださいました。
関係の皆様、本当にありがとうございました。
皆さまの御協力に応えられるよう、そして昌龍寺のこれからの100年の礎となるような住職にならねば、と思いを新たにした住職でした。
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横浜への帰りは、久しぶりでフェリーに乗りました。ちょっとした旅行気分が味わえます。
松島ほどではないものの、かっぱえびせんを放れば、カモメやトンビが見事な空中キャッチを披露してくれます。
時間がある時は、フェリーもいいな。
今日はここまで。