昨日(3月8日)第3回目の倫勝寺講座が行われ、30名あまりの方々が熱心に尾崎先生のお話を聴講されました。
「みほとけの教え」として3回シリーズで行ってきた尾崎先生の講座。
第一回「釈尊は何を悟られたか―縁起の法と諸行無常―」
第二回「中国禅宗の成立―経典の解釈と実践―」
以上のように続いてきましたが、いよいよ今回が最終回。
いつものようにわかりやすい言葉と豊富なたとえで、参加のかたがたも倦むことなく聴講され、あっという間の1時間半でした。
終了後の質疑応答も活発におこなわれ、非常に充実した講座となりました。
当日のレジメを掲載させていただきます。
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日本仏教の特色 ―仏教思想と祖先崇拝―
平成21年03月08日 於 倫勝寺
第三回「日本仏教の特色―仏教思想と祖先崇拝―」
1.日本の宗教形態と日本人の宗教意識
仏教・神道・民間信仰(祖霊崇拝)、さらに儒教・道教等の複合体
無意識下に持つ宗教意識と宗教儀礼
2.日本における仏教の受容
古代日本人は仏教をどのように捉え、そしてそれを受け入れたか。
神の国 日本古来の神概念 国神(クニツカミ)と他国神(アダシクニノカミ)
推古2年(594) 三宝興隆の詔→他国神から仏へ、仏・寺・僧尼が信仰・帰依の対象に
聖徳太子(574~622) →国家仏教への道筋をつける
3.日本仏教の受容の過程
1.官寺と氏寺 飛鳥・奈良時代初期
2.国家仏教 奈良時代
3.貴族仏教 平安時代
a.祈祷仏教 密教の確立と展開 (現代にまで続く現世利益的側面)
b.浄土と末法思想 世情の不安定さが末法思想を惹起・来世思想(往生伝)
c.神仏習合(本地垂迹説)→仏教の日本化(日本の神と仏教との融合)
d.仏教と政治との関係 →僧兵・荘園領主等(政治的に強大になる)
4.民衆仏教 鎌倉時代以降
3.鎌倉新仏教 旧仏教徒の相違点と類似点
鎌倉新仏教の祖師は叡山で学んでいる
難行と易行
最澄の戒律観
死者儀礼→葬儀・法事(祖先崇拝)
*【第二回目】道元禅の確立 南宋、如浄禅師に学ぶ(中国での参学の経験)
旧仏教の否定と正伝の仏法→坐禅こそが正しい仏道である
4.祖先崇拝と仏教
民衆の信仰と仏教
①祭り-宗教行事・宗教儀礼としての祭り
お盆 『仏説盂蘭盆経』 祖霊崇拝・精霊祭
彼岸 春分の日・秋分の日 奈良時代から(平安初期に朝廷で・江戸時代一般化)
休日 神や仏に対する、祝いまたは忌の日
②仏壇 各家における仏像・位牌を安置する龕。 (⇔神棚)
③葬祭 葬送・追善行事
a.民間信仰と仏教
b.葬祭儀礼と仏教 日本の仏教の受容形態・祖先崇拝・氏族集団としての祭り
*【第一回目】縁起思想の日本の文化・価値観への影響
→縁起の道理、相互関係、相互扶助を無意識の内に認めている。
祖先崇拝の思想的背景を形成する
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終った後は、けんちん汁での懇親会。
お箸持参でおいでいただき、洗い物を減らすことが出来ました。助かります。
今回のけんちん汁は「ゴマけんちん」。
通常のけんちん汁に、擂った白ゴマをたっぷり入れた汁です。
今回は50人分近く作りましたので、すりゴマは出来上がりに鍋に入れて供しましたが、ご家庭では汁をお椀によそってから、好みでゴマを入れたほうが良いようです。
煮返していると、ゴマの香りやうまみが抜けて美味しくなくなってしまいますから。
トン汁などもゴマとあうかも知れませんね。
次回の講座の予定はまだ決まっておりませんが、決定次第、合掌だよりやブログ、掲示板でお知らせいたします。
それまで、今しばらくお待ちください。
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今日のおまけ
窓辺に置いた蘭の花も、春色がとてもきれいになりました。
こちらは所要で出かけた大阪の美術館にあった、ステンレスで出来たオブジェ。
なかなか力強く、マシンっぽくってかっこよかったです。
今日はここまで。