下記の記事はアルファポリス様のホームページよりお借りして紹介します。(コピー)です。
「相手の言動の裏を勘ぐってしまう」「自分の感情を素直に伝えられない」「人間関係をうまく築けない」……そういった悩みの原因の大半は、自分の外側ではなく、自分の内側にあります。心の中で迷子になっている本当の気持ち(=未処理の感情)が引き起こしているのです。等身大の自分を受け入れて、ラクに生きたいと思いませんか? 本連載では、アルファポリスより好評発売中の『そろそろ『わたし』でいきていく ~今日から自分を好きになるために~』(城ノ石ゆかり)から一部を抜粋し、そのヒントをお届けしていきます。
相手を信頼できない人の、思考のクセ
彼はいつも親切だけど、肚の中では何を考えているかわからない。
彼女は友達のフリをして、実は私を出し抜こうと機会を狙っているのでは……。
そんな思考が頭をよぎってしまうのだとしたら、目の前の相手を信用して、裏切られるような人生をきっと誰よりも恐れているのでしょう。
たとえば浮気をする人の本当に悲しいところは、人は誰でも浮気をするかもしれないという認知を持ってしまうところにあります。
独身時代は散々浮気をしてきたけれど、結婚後は浮気を必死でガマンしているような夫は、妻の行動を厳しく束縛しがちな傾向があります。自分が浮気をしていたから、浮気しない人が世の中にいるなんて信じられません。だから妻をいつも自分のコントロール下に置いて安心したいのです。
結果どうなるかというと、束縛に疲れた妻が他の男性に救いを求める――つまり「妻が浮気をするかも」という夫の疑念が、そのまま現実になってしまいます。
人の潜在意識の力を甘く見てはいけません。
潜在意識は現実化するからです。
いい人間関係は、人を信じることからはじまる
顕在意識レベルでどんなに笑顔や丁寧な言葉を心がけていても、「人は信用できない」という潜在意識のもとに人付き合いすると、人はいずれ離れていきます。
なぜなら他人の言動の裏を勘ぐったり、敵視したりしている本当の自分が、必ず表面上のどこかににじみ出るからです。そして人と摩擦が起こるたび、「やっぱり人は信用できない」という認知を強固にしていきます。
バカ正直に生きるのは怖いといったって、世の中の大半の人はあなたをだまして傷つけようなんて考えていないはずです。たまたま裏切られたり嫌われたりすることはあるかもしれませんが、それだってどんな人の人生にも普通に起こることです。
これを踏まえて、それでも良き人間関係を築きたいと願うのならば、道はひとつ。
昔の青春ドラマの主題歌にもあったように、人を信じられないと嘆くのではなく、信じて傷つく方を選ぶ覚悟を決めるしかありません。
あなたは人付き合いが下手なわけでも、人から裏切られない方法を知らないわけでもなくて、単に人を信じた経験に乏しいだけです。
コミュニケーション術や心理テクニックなどを学ぶ以前に、まず目の前の人を信じるという生き方を、自分自身で選択する必要があるでしょう。
他人を目の前にしたとき、「ほら、人は信用できないぞ」といってくる自分の中の自分に気づけたなら、人付き合いのパターンはきっと前向きに変化していきます。
素の自分を出せないのは、なぜ?
なんの仕事をしていてどんな家に住んでいるとか、パートナーの職業や年齢とか、そういった情報に踏み込まれるのはもちろん、自分の気持ちや意見などを他人に察せられたくないと感じることはありませんか?
オープンにする必要がないから公表しないのと、見せたくないから隠すのとでは、意味がだいぶ違います。抵抗感があるということは、見せたくないという感情があるのでしょう。
特に、自分に関することで何かを突っ込んで聞かれたとき、反射的にイラッとしてしまう心の反応があるなら要注意です。
人は何かを必死に隠そうとしている人の心の動きは敏感に察するもので、その違和感は人間関係に不調和を起こすきっかけにもなり得ます。
「自分はダメだ」という思い込み
ではそもそも、自分をオープンにしないことで得ているメリットは、一体なんなのでしょうか? そこを深掘りしてみる必要があると思います。
他者に自分のことをオープンにできないと悩む人に共通する原因は、恐れです。
自分について打ち明けたところで、相手に批判されたり共感してもらえなかったりすることをひどく恐れている可能性があるのです。
でも普通なら、共感もされないけれど批判もされないという中間の感覚があるものです。「私にはわからないけれど、そういうのもあるんだね」といった感覚です。
自分をオープンにできない人の中では、その中間の感覚が抜け落ちているかもしれません。
その人にとっての他者は、自分を「ありか、なしか」で真っ二つにジャッジする存在なのかもしれません。だから本人もまた、他者を「ありか、なしか」の二元論でジャッジしている可能性が高いです。
他者から批判されたり、恥をかいたりしなくて済むというメリットがあるから、自分をオープンにしません。なぜなら自分はダメな存在、恥ずかしい存在だという思い込みがどこかにあるからです。
自分を抑えず、自然体で人と付き合う
大半は、幼少期に大人の何気ない言動で植え付けられた恥の思い込みが影響しています。
恥の思い込みは、大人になるほどその人を生き辛くしていきます。
学校の成績、仕事の成績、友人やパートナー、持っているお金の額や社会的地位。人の価値を表面的にはかる指標は、大人になるほど増えていくからです。
しかしこの思い込みは、たまたまこれまでの人生で採用してきたただの思考のクセであって、自分という存在の価値とはまったく別物です。
では、ここでもう一度自分に問いを投げてみましょう。
自分をオープンにしないで得てきたメリットは、実際に人生を豊かにしているでしょうか? つながりたい人とつながり、やりたいことをやるために効果的だったでしょうか?
何か孤独感のような寂しい感情で心がうずいているのなら、新たな生き方を選択することは可能だと思います。
人は容姿や能力といった表面的な情報で他者を愛するわけではありません。恥の思い込みを乗り越え、誰かを本気で愛したとき、きっとそのことが腑に落ちると思います。
城ノ石ゆかり
1968年熊本生まれ。
株式会社ngoro-ngoro代表取締役社長。
日本心理学会 認定心理士。「4ness コーピング」主宰。
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