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仕事のできない人は「単純に考える」ができてない

2022-02-05 13:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

「オッカムのかみそり」という思考ツールをご存知でしょうか? 「ものごとを考える際、不必要な仮定をいくつも立てるべきではない」と述べた中世の論理学者ウィリアム・オッカムにちなんだ思考法で、思考をめぐらせるとき最も単純な解釈を選ぶべきというメソッドです。
この「シンプルな思考」を成功の要諦に挙げる成功者は多く、ウォール街で情報発信を続け支持を集めるシェーン・パリッシュ氏は「複雑な要素を削ぎ落としてこそ、最適解に近づく」と先人たちの頭の中を説きます。パリッシュ氏の著書『知の巨人たちの「考え方」を一冊で、一度に、一気に学びきる グレートメンタルモデル』より一部抜粋・再編集してお届けします。

IBMを救った意外すぎる社是
1990年代前半にルイス・ガースナーがIBMのCEOに就任したとき、同社は創業以来最悪ともいえる苦境にありました。多くのビジネス評論家からガースナーがトップとしてビジョンを示す声明を発表するよう求める声が上がります。どんなマジックを使ってガースナーはビッグ・ブルー(IBMの愛称)を救うのか、と。
それを受けたガースナーは次のように発言します。「素晴らしく優秀な人々が働くIBMという組織は、成功するための大胆なシナリオがあれば喜んだだろう。そのシナリオが知的で複雑なものになればなるほど、みながそれを気に入ったはずだ」
しかし、彼はシンプルなアプローチが最も効果的であることにも気づいていました。そこで彼が出した声明が、「今のIBMにとってもっとも必要ないものはビジョンだ」です。
IBMにとって本当に必要なのは、顧客にきちんとサービスを提供し、現在行っているビジネスの競争力を強化し、すでに利益を出している事業に注力すること。言ってみれば、「なりふり構わず、目の前のことに集中する」という宣言のもと、1990年代末までガースナーはIBMを牽引し、壮大なビジョンや大規模な技術変革を伴うことなくIBMを窮地から立て直すことに成功したのです。
私たちは、何かを解釈する際、ついつい不必要に複雑な考え方をしてしまいがちです。
夫の帰りが遅い。交通事故に遭っていたらどうしよう?
息子の身長の伸びが去年より1センチ少なかった。体のどこかおかしい?
つま先が痛い。骨肉腫?
こうした最悪のシナリオが当てはまる場合もありますが、夫は仕事が忙しくて帰れなかったり、あなたが子どもの身長測定をミスしていたり、靴がきつすぎる可能性のほうがはるかに高いのです。
要素が多いほど「不正確」になりやすい
自分の周りの出来事を解釈するとき、私たちはしばしば長い時間をかけてとても複雑なストーリーを考えだします。これは人間にとって一般的な傾向。そのため、できる限り単純な解釈を見つけてそれに従う「オッカムのかみそり」は、人間の思考につきまとう不必要な複雑さを回避し、より本質的なことに集中して考える優れた思考の指針です。
複雑な説明のほうが真実である可能性が低いのはなぜか? 数学的に考えてみましょう。
特定の現象に対して、いずれも同じくらい説得力がある2つの説明があるとします。片方が3つの要素から、もう片方が30個の要素から成る説明です。
各要素が99%の確率で正しい状態にある場合、1つ目の解釈が間違いである可能性はわずか3%。しかし、より複雑な2つ目の説明が間違いである可能性はその約9倍、26%になります。不確実な状況下では、より単純な説明のほうが信頼性が高いのです。
科学者のカール・セーガンは「ほぼすべてのことにおいて、単純で地味な解釈のほうが当てはまる傾向にある」と説きます。「ひまわりが空を横切っていく太陽を追うことでさえ、光屈性と植物ホルモンのことがわかるまでは奇跡にほかならなかった」と述べ、奇跡とされるような現象であっても、その背後にはシンプルなカラクリが働いているものだとしています。
ここで、複雑な解決策がうまく機能せず、反対にシンプルな解決策が効果的だった2つの実例を紹介しましょう。
ただ「ボール」を浮かべる水汚染対策
ロサンゼルスにある約4万平方メートルの広さを誇るアイヴァンホー貯水池は、60万人以上の住民に飲料水を供給する貴重な水源。そこに貯められた6000万ガロン近くの水は、一般的なやり方にしたがい、塩素で消毒されています。一方で、臭化物と呼ばれる化学物質が高濃度で含まれていて、塩素と臭化物が混ざり合って日光に当たると臭素酸塩と呼ばれる危険な発がん性物質が発生します。
ロサンゼルス市水道電力局(DWP)は、水源の臭素酸塩汚染を避けるため、貯水池の表面を覆う手段を必要としていました。しかし、会議でブレインストーミングを重ねた結果、4万平方メートルのシートを池に被せるか、巨大な開閉式ドームを建設して覆うという2つの実行不可能な解決策しか考え出せないでいました。
そんなあるとき、DWPの生物学者が「バードボール」の応用を提案します。バードボールとは、空港で滑走路近くに鳥が集まるのを防ぐ「水に浮かべるボール」です。工事も、建設資材も、労働力も、メンテナンスも不要で、費用はボール1つあたりわずか40セント(約44円)。
このアイデアが採用され、紫外線をカットする黒いボールが貯水池に浮かべられ、低コストかつ迅速に、深刻な事態につながる問題を解決することができたのです。
次の例は生死に直結する問題をシンプルな方法で解決した事例です。
1989年、インドのガンジス・デルタ地域でベンガルトラがおよそ60人の村人を殺害しました。送電線を巻きつけた人形にトラをおびき寄せ、電気ショックを与えて人間の住む場所から遠ざけようとするなど色々な方法を試しましたが、どれも効果はなし。
複雑なものをシンプルにするのが創造性
そこで、カルカッタ科学クラブに所属するある学生が、虎は獲物に自分の姿が見えていないと判断したときにしか攻撃しないと気づき、蝶や甲虫、毛虫の一部の種は大きな目に見える模様を持ち、捕食者に対して「獲物も自分を見ているのだ」と思わせていることを思い出します。

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それを応用して作ったのが、後頭部に装着する「人面マスク」。それからの3年間、マスクを着用した人は誰もトラに襲われませんでした。その期間、トラに殺されたのは、マスクの着用を拒んだか仕事中にマスクを外した人だけ。シンプルな「マスクをかぶること」以上のトラ対策はなかったわけです。
不必要な複雑さは、誤りを覆い隠してしまうことがあります。要素が増えるほど、道筋が複雑になるほど、最も大事なことがぼやけてしまうのです。アメリカの作曲家チャールズ・ミンガスが言うように、「シンプルなものを複雑にするのは誰にでもできる。創造性とは、複雑なものをシンプルにすること」なのです。
問題にぶつかったり解決策に悩んだりしたときには、複雑に考えすぎていないか、もっとシンプルに考えられないか、「オッカムのかみそり」を思い出してみるといいでしょう。
シェーン・パリッシュ : 「Farnam Street」創設者


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