JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

別府の旅~現地0泊、船中2泊 <その2>

2014年09月19日 01時37分27秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
前記事からの続きです。


現地に着いたら当然汗だく。フロントの気さくな女性に自転車をどこに停めたらいいか尋ねて、その後しばし歓談。「お兄さん、使って悪いんやけど、あの靴箱の上にある花瓶、前のほうに出してもらえんやろか。手が届かんもんで」といきなりジャブ打たれました。しかしいいなぁ、このやりとり。素晴らしいですこのまったりとした雰囲気(笑)。フェリーで兵庫県から来たというと弾丸のことを知ってました。で、フェリーのチラシを見せたら100円引きだったらしいんだけど、あいにく持っていなかった・・・けど特別に割り引いてくれた。ありがとうございます。「自転車で登ってくるなんて信じられん」みたいなことを言われたけど、俺だって好きで登ってきたわけじゃないさ(笑)

ここもいろいろと勝手の良くわからない施設でしたが、ひとことで言うと外観も館内も昭和の香りしかしない古い施設です。だがそれがいい。湯治場的な匂いを醸し出し期待が高まります。とりあえず貴重品ロッカー(100円)に財布とスマホを預け、脱衣所へ。しかし脱衣所に行くまでがなかなか遠い。ようは施設が広いわけです。

服を脱いで、ひとまず脱衣所に隣接する内湯の「コロイド湯」に入浴。続いて階下の「鉱泥(どろ湯)大浴場」に。これは足だけつけてパス。もう一度階上に戻って露天の「滝湯」経由で「むし湯」へ。むし湯は天然のミストサウナなわけですが、これが強力で非常に良かった。そしてメインの露天「鉱泥大・小浴場」へ。大浴場は思っていたより泥の堆積が少なく、また粒子も荒かった。以前テレビの温泉番組で見たときは素晴らしい露天だと思ったんだけど、ちょっと期待外れ。小浴場は大浴場よりも泥が多く、また粒子も粘土状でしたが、こちらは枯葉などの堆積物が多かったなぁ。でも泥を顔や首に塗りたくって楽しかったです。

なお露天の大・小浴場は混浴なんですが(簡易な柵があり男女間は行き来できない)、惜しむらくは露天に入ってくる女性客がほとんどいなかったこと(笑)。いや、混濁した泥湯だから身体なんて見えないんですよ。だけどさ、なんか柵越しに顔見ながら世間話とか温泉話とかしたかった。別にそれが目的でここに来たわけじゃないけれど、それもまた混浴という立派な温泉文化だと思うのですよ、真面目な話。真面目な話。大切なことだから二回言いました。

ただ、どうもやはり女性目当てっぽい男性客(いわゆる混浴ワニ)も数人おり、明らかに女性見たさのポジショニングで長湯してたよ。気持ちはわからんでもないけど、不自然。醸し出す雰囲気が暗すぎる。つまり超かっこ悪い。タオル1枚身体に巻いて少し恥ずかしそうに露天の周りを歩いていた若い女性の方が8万倍くらいかっこよかったね。

というわけで露天は早々に切り上げ、滝湯(ぬる目の湯加減が気持ちよかった)とむし湯を交互に楽しんで、最後に白湯で身体を洗って終了。ここはシャンプーやせっけんの類は使えませんのでご注意ください。

で、着替えて休憩所に行き、壁に貼っている口上や温泉の紹介記事を読んでいたら、どうも俺が軽くスルーした内湯が一番泥々しているらしい。入らずに帰ったら後悔するなぁ・・・と脱衣所に戻り、再度服を脱いで内湯に直行。「うーん、あんまり泥ないやんけ、嘘ばっかり」と思っていたら、いやいや、ありました、泥。しかも超なめらか。基本的には柱の周りとか、浴槽の隅っことか、溜まりやすいところに溜まっておりましたよ。ここポイントですよ。溜まりやすいところに溜まる。お察しの良い方なら、現地で浴槽につかりながら、それがどこなのか気付くと思います。あからさまなルール違反はダメですよ。だけどここは泥湯なので水面下は見えないのです。乗り越えてはいけない。だけど脚だけくぐるなら許容範囲。これ、ヒントです。

というわけで泥に足首まで突っ込んで、顔や首や腕に塗りたくって30分ほど泥湯を堪能。内湯は特に成分がきついようで12歳以下お断りとのこと。たしかに成分表示(温泉分析表にあらず)にはpH2コンマいくつ(正確な数値は忘れた、とにかく3以下)との表示されており、少し酸味のある硫黄泉でした。

本当は水虫治療室という足湯(?)も体験したかったのですが(笑)、時間がないのでパス。しかし最後の内湯は本当に良かった。わざわざ入り直して正解でした。

フロントに戻ると例の女性従業員さんが「お兄さん、この後はどうすんの」と言うから「ワニでも観に行きますわ」と答えたら、笑って「今から行ったら全部回れるで」とのこと。いや、8ヶ所全部はいいや。とりあえず「行ってきま~す!」と保養ランドを後にしました。この時点で15時くらい。下り一本だから次の目的地の鬼山地獄まではあっという間でした。

鬼山地獄は通称ワニ地獄。地熱を利用してワニを飼育しています。爬虫類マニアには有名な初代「イチロウ」というクロコダイルの剥製を見ましたが、正味5mであの胴回り、やっぱり巨大動物ってのは長さよりも太さに驚きますな。あれが7mクラスになったらどんなことになるんだろうか。

イチロウ


イチロウの紹介


マレーガビアルの骨格標本


ワニのおはなし


2代目イチロウ


2代目イチロウの紹介


そういや、14時半に行われる餌やりがまだ終わっていなかったので、ゆっくり見ることができました。なかなかの迫力でしたよ。

鶏を食べるワニ


その他ワニ画像(1)


その他ワニ画像(2)


続いては近くにある白池地獄に。子供の頃に来たときは併設の熱帯魚館に大きなピラルクーがいたんだけど・・・うん、なんかしょぼい!これで入場料400円はぼったくりに近いと思いました。したがって写真はありません。

さて、あとは出港まで2時間半程度。とりあえず後々困らないように、10号線まで出てフェリー乗り場の位置を確認。「九州横断道路入口」交差点からすぐでした。

別府温泉保養ランド~別府港フェリー乗り場(図をクリックするとルートラボに飛びます)


この時点で残り2時間ちょい。どうしようか。

というわけで、市営の共同浴場である竹瓦温泉に。港から自転車で10分程度。立派で趣のある木造建築です。しかも入湯料がたったの100円。素晴らしいです。

竹瓦温泉(別府市の公式サイト)
https://www.city.beppu.oita.jp/01onsen/02shiei/04takegawara/takegawara.html
竹瓦温泉(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E7%93%A6%E6%B8%A9%E6%B3%89

いやがうえにも期待感が高まりましたが、結局入湯はせず。なぜか。詳しくは書きませんが、ここは立地が悪すぎるとだけ言っておきます。どういう意味で悪いのかは行ってみればわかります。なにかと誘惑が多いのです。旅行で開放的になっているところに魔が刺すのです。

・・・結論だけ申しますと「スッキリして」港に向かって漕ぎ出しました(爆)

港についたら自転車をバラしてパック詰め。ブロンプトンに乗って弾丸で温泉巡りをしてきたというお兄さんにちょっと手伝ってもらいました。どうもありがとうございました。別府温泉保養ランドや竹瓦温泉にも行ったそうです。だいたい似たようなルートですな。

そのあと土産物屋でお土産を買い、自宅に宅配の手続きを。輪行でこれ以上荷物は増やせません。そのあと乗船手続き(※)を行いましたが、人が一杯で出港時刻近くまでかかりました。

※当然のことながら、往復プランでも乗船手続きは必要です。

乗船後は往路と同様、自転車を置いて部屋を確認し、そのあとデッキに出てみました。

夕暮れの別府湾(1)


夕暮れの別府湾(2)


特徴的なシルエットはエテ公で有名な高崎山です。

そうこうしているうちにおなかがすいたのでレストランに。さすがに満員だったのですが回転率もよく、5分ほど待ったら席に着けました。昨晩に引き続きバイキングを食べてお腹いっぱいになりました。

バイキング


そしてこの日7度目の入浴。朝夕のフェリーで2回、いちのいで会館で1回、保養ランドで2回。え、計算が合いませんか?察してください。

入浴後は早々に寝ました。いびきの客もおらずぐっすり眠れましたよ。隣のおばちゃんがこっちの領地に侵食してきたのは閉口しましたが。

流石に疲れていたのか、朝起きたらけっこうな時間です。顔を洗ってたりしているうちに定刻入港。フェリーを下りたらATCです。「トレードセンター前」→「コスモスクエア」→「阿波座」→「野田阪神」と地下鉄乗継。地上に出て自転車を組み立て、朝マックを食って2号線を西宮まで走り、8時半ごろに帰宅しました。

竹瓦温泉ではアレなオチまで付きましたが、弾丸とはいえフェリーに2泊もでき、別府の街をポタリングしながら温泉やワニやナニやら、非常に充実した旅行でした。


大分港から別府港までの全ルート_2014.09.14(図をクリックするとルートラボに飛びます)



しかしまあ本当に別府は温泉王国、温泉マニアの聖地みたいなところでした。なにせ1日の温泉湧出量(※)が公称137,000キロリットル。13万7千トンですよ。別府八湯というくらい、市域の至るところに温泉があるんですから。というか温泉地帯の上に街が作られてると言った方が正しいのかも。

※自噴量は草津温泉がTOPだけど、動力湧出まで合わせた総合湧出量はダントツで日本一。

例えば箱根は行ったことがないんだけど、箱根7湯だの8湯だの20湯だの言いますよね。イメージ的には山の中に分散した個々の温泉地があって、それらの集合体が「箱根温泉」って言うのかな。それぞれが独立しているというか、町や村の集合体というか。違っていたらごめんなさいね。

別府の場合は、まず別府というひとつの街があって、ここは別府温泉、あそこは鉄輪温泉、みたいにいろんなエリアがあるみたいな。だから「街全体がまるごと温泉地」という印象を受けました。

ちなみに、この13万7千トン/日という数字がどれだけ凄いかというと・・・

例えば神戸市の世帯数は684,183世帯(平成22年度国税調査)なんですが、全世帯に家庭用平均サイズの200リットル浴槽があったとして、そのすべてに毎日お湯を供給できるという強烈な量です。

おまけに湯質も施設もバリエーション豊富。なにせ療養泉の泉質11分類(※)中、じつに10種類までをラインナップしているんです。実際には、入浴用途で使われていないだけで残りの1つである放射能泉まで湧出しているらしい。しかもモール泉まで湧出している始末。なんじゃそりゃ~!!!

※療養泉の分類
 - 単純温泉
 - 二酸化炭素泉
 - 炭酸水素塩泉
 - 塩化物泉
 - 硫酸塩泉
 - 含鉄泉
 - 含アルミニウム泉
 - 含銅-鉄泉
 - 硫黄泉
 - 酸性泉
 - 放射能泉

【参考】別府温泉の泉質(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A5%E5%BA%9C%E6%B8%A9%E6%B3%89#.E6.B3.89.E8.B3.AA
【参考】モール泉(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%B3%89

マジで地元の皆さんがうらやましいです。

そういえば驚いたのは、人口(12万人)に比べて市街地の規模が大きいことです。温泉ホテルや高層マンションが林立してるし、高いタワーもあるし、商業施設も大きい。もちろん街全体が斜面の上に立っているから広く立体的に見えるってのもあるんだろうけど、一部で「地方最強の10万都市」と言われるのもうなずけます。年間1,000万人の観光客を受け止めるだけの規模ってことですよね。

今回の弾丸フェリー、船中2泊の「ほぼ日帰りプラン」とはいえ、往復1万円は大変お得なのでまた時間があれば行ってみたいと思います。たとえ毎週末行っても飽きることはないだろうな。今度は竹瓦温泉や駅前高等温泉を含め、市街地の公衆温泉を巡りたいと思います。


【参考】逆襲のさんふらわあ!秘策の0泊3日弾丸フェリーが人気
http://matome.naver.jp/odai/2136117503680070101?&page=1

俺がフェリーが好きなのは、新幹線や飛行機では味わえない、ゆとりある時間が味わえるからです。何度も言いますが、たまには海から陸を眺めたり、海の上から星を眺めたりするのも良いものですよ。

弾丸フェリーは関西⇔九州が1万円ですから、やはり非常に人気らしく、ツーリスト(雑魚寝)部屋が思っていたより混んでいました。だから次行くときは12,340円のツーリストベッド(8人とか12人とかの相部屋で2段ベッド仕様)プランにしようかな。片道1,170円の追加で格段に快適になると思います。


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