自分でも驚きの気持ちなのだけど。
いやいや決して撤退ではないのです。
退くではなくて、進む気持ちなのです。
アジア雑貨屋を26の時に始めて25年。その時々でカタチを変えながら続けてきたんですが、ここへきて心境の変化が起こりました。
商売で旅するの、、、、なんかもう嫌だなぁ。
元々は旅が好きで、しかし旅するだけだと金が減ってく一方なので、そこを何とかならないかと考えて始めたのが今の仕事です。
しかし、コロナ禍で渡航が3年近く出来ない間、それはもう四苦八苦して何とかやってきたんですが、その何とかの部分。
つまり渡航出来ないから仕入れ出来ないので、商品は自分らで作って売ろう!ってのを徹底しました。
勿論メール等で仕入れ出来る分は続けてましたけど。
元々はタイダイ染めは自分でやってたわけで、流れとしては自然な流れでもありました。
コロナ禍が落ち着いてきて、さあ渡航しようかってところで今度は円安ですよ。
オーマイガー!!
まあ、、、でもオリジナルの商品があるからな。別にいいかっ。
てな感じでモノ創りに軸足を移していった結果、旅は旅として行きたいなあ、、、仕事で旅したらそれもしかして出張じゃん?ってようやく気付くに至りました。
バカなので25年くらいかかりました。
もちろん今までの買い付け旅も最高に楽しかったのですが、買い付けがメインなので行くところも限定的で、なんと言っても重い重い責任があります。ちゃんと買い付けしないと店が潰れてしまう。これから売れる物を分析し予測して賭ける、なるべく安く仕入れて。。。
これはなかなか精神が削られる作業でした。
幸い僕はバカのわりに頭の良いハンサムに生まれついたので、なんとなくやってこれましたけど。
そういうところから自由になろうと思うようになりました。
元々アウトローな人生を選んだ訳なのに、もっともっと自由になる覚悟が足らなかったなと。
そしてタイダイ染め。
昨日、自分が染めた作品を見てて凄く思ったんです。
めちゃくちゃ綺麗やなあと。
多分、染めやってる人は皆んな感じ、思いつつ絶対に口には出さないだろうけど、僕の染めが絵画に近い
芸術的な儚さと美しさを内包した完全に絞り染めの域を一つ抜け出ている存在である事。
それを誰よりも自分が認めてやるべきだと思いました。
いや、本当に凄いよこれ。
これらを商品として売る事の残酷さ。
自分で自分を酷く傷付けてる事に等しいと気付きました。
商売人としての自分が居るから、作家、芸術家としての自分を染め職人として扱わなくてはならないジレンマ。絶対矛盾的自己同一。
おお。
それが限界に達していたんですね。
商売人としての自分をめちゃくちゃ縮小して、芸術家としての自分を大切に世界中の誰よりも評価してやる事にしました。
以前から思ってたんですが、タイダイ衣料もあれ僕の中では「服のカタチをした服としても使える芸術作品」なんですよね。
なので普通に服として見てるお客さんと意識が乖離してるんです。
機能性とかお値段以上とか庶民的な感覚な物を求められても、そんなんやったら染めじゃなくてプリントのもん探せよバカかよって感じなんですよねー。
そこの溝を埋めるには、自分の存在の在り方を変えるしかないです。
てなわけで、徐々に染色作家、芸術家、音楽家としてのそれの総合的な活動にシフトしていきます。
よろしくお願いしますね。
ちなみに画像の染めは過去作です(^^)
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