gooブログ、ROWAN文芸部からの初投稿でございます。
5月3日に、オフィシャルTwitterにツイートした小話でございます。
古い話になる。東大の理1に進学した友人Aと、東京神田の書店街に行くためにJR御茶ノ水駅前、明治大学方面の交差点で信号待ちをしていた時のことだった。たくさんの通行人がいる中、突然、風采の良い大学生位の女から、
「あなたの幸運と健康を祈らせてください」
と、声をかけられた。
「いいです!私はもう十分に健康です」
と、私が返答したら、その若い女が、
「バチが当たりますよ」
などと言う。私は、
「もうとっくにバチは当たってます」
と答えた。しかし、その女のしつこいのなんのって、信号が青になって交差点を渡りはじめても、何か申しながらついてくる。信号を渡り終えたところで、友人Aが、なにを血迷ったのか、
「ええ、幸運と健康を祈って下さい」
と、おごそかにその女に言った。祈ってなんかもらわないほうが良いのにね!と私は内心思った。そして、その女が、祈りのための手かざしであろうか、友人Aの額の付近に手のひらを伸ばそうとしたら、友人Aもサッと手を伸ばし、その女の手のひらに自分の手をペタッと重ね合わせた!ビックリしたその女は手を引っ込めたが、すぐに気を取り直し、再び友人Aの額に手のひらをかざそうとする。そしたら、友人Aはまたもや女の手のひらにペタッと自分の手のひらを合わせた。何度やってもその繰り返し♪
「プーッ、ガハハハーッ!」
と、吹き出して笑いそうになるのを私は必死にこらえた。
「ノーベルお笑い賞」
とも思った。
その女はどう思ったか知らないが、プイッと立ち去ってしまった。
その後、明治大学の前を通り書店街に行き、友人Aは高分子に関する本、私はベン・ハーの原書、洋書を買った。まだ、スマホどころかガラケーすら普及してなくて、もちろんインターネットもなくて、情報や知識を得るには本屋さんが頼りの時代だった。
私たちは愉快な仲間がいて良かったが、大多数は、地方から東京の大学に進学し、右も左も分からない、警戒心もない、孤独になって友達や恋人が欲しい・・・、そのような状況のところをカルトに勧誘され入信し、いったい何のために大学など行ったのか?行った意味がない・・・。 この1~2年後か、オウムの地下鉄サリン事件が発生した。信教の自由等を盾に、悪いことを悪い!と、言えなくさせられてた時代背景があった。今も大して変わらない。
そういえば今日は5月3日。憲法記念日だ♪日本人が作った憲法ではなく、敗戦し、マッカーサーが作った憲法で、正確に言うと、今日はマッカーサー記念日である。
せいぜい、友達と仲良くしましょう、困った人を助けましょう、夫婦仲良くしましょう、温かい家庭を築きましょう・・・位は、学校の教室に張り出しておかないと、この国の崩壊は止まらない。