【GEORGE HARRISON】
邦題「恋をするなら」。
"RUBBER SOUL "を最初聴いたとき、そのコーラスワークの美しさの
故、'Nowhere Man 'とともに印象に残ったジョージ・ハリソンの名曲
である。
ジョージの処女作は、ご存知'Don't Bother Me 'である。初期の頃
からインド音楽・東洋思想の要素が入る1966年あたりまで、彼の作品
は、その作曲面と詩作面でそれぞれ2パターンあると考える。
まず、作曲面である。コード進行に独特な味がある。'I Need You'
や本編の'If I Needed Someone 'のような、わりとオーソドックスな
展開('If I Needed Someone 'は、それでも複雑ではあるが)がある
と思いきや、一方でいきなり、5度のセブンスから堂々と入る'Don't
Bother Me'(キー:Em)、2度のマイナーセブンスから、さり気なく
入る'You Like Me Too Much'(キー:G で半終止風に終わりエンディ
ングへ続くシャレた構成)、さらに2度のマイナーセブンスから鋭く
切り込む'Think For Yourself'(キー:G )。これら3曲は、まさに
「ジョージ・ワールド」である。
ちなみに、'Think For Yourself'は「嘘つき女」なんていう邦題が
付けられているが、実はとんでもない誤訳である。この歌は'Taxman'
と同様に、当時のイギリス政府を痛烈に皮肉った歌、「ジョージ節」
なのである。
詩作面では単純に「恋」をテーマとした「キミとボク」を唄った、
'I Need You''You Like Me Too Much''If I Needed Someone 'と、彼
のあだ名であった'QUIET BEATLE'ぶりを発揮した'Don't Bother Me’
'Think For Yourself'の作風に分類できる。後者の作風は、詩作面に
おいて、ビートルズ後期以降の彼の方向性を決定づける基盤になった
と言ってもよいだろう。
壁に電話番号を刻むって!? いったい
さて、本題。'If I Needed Someone 'である。触れておく必要があ
るのは、'Carve Your Number On My Wall'というフレーズである。最
初にこの曲を聴いたのは、中学生の頃。その時は'Carve 'という単語
がわからず、'Number'と続くものだから、'Call'とばかり思っていた。
「キミの家へ電話する」(註:当時、携帯電話ないからね)といった
ところか。しかしながら、その後に'On My Wall'である。好きな人に
対して「ボクがキミの電話番号を自分の部屋のカベに刻むと、キミに
電話がくるよ。ボクからのね。」と伝えるような「イギリスの文化」
がどうしても理解できなかったのである。
しかし、ジョンは「オレ」が似合うが、どうしてこうもジョージは
「ボク」が似合うのであろうか。
ジョージ・ハリソンは、もちろん優れた「アーティスト」である。
そのことを前提として、ひとつの私論を展開させていただく。
'If I Needed Someone 'の後、彼は、アルバム"YELLOW SUBMARINE"
で'Only A Northern Song'を、アルバム"ABBEY ROAD"で'Here Comes
The Sun'を発表する。この2曲、詩作はまったく別ではあるが、曲の
キー(Amaj.)といい、そのコード進行といい類似点が多いと思うの
だが、いかがであろうか。
1.'If I Needed Someone 'のAメロと'Only A Northern Song'の
Aメロのメロディとコード進行(A→A→A→A→G(onA ))
2.'If I Needed Someone 'のBメロと'Only A Northern Song'の
Bメロのコードの組み合わせ(Em,F#,Bm。後者はC#7 の展開有)
3.'If I Needed Someone 'と'Here Comes The Sun'におけるカポ
タストの使用方法と効果及び、曲全体のイメージ。(第7フレ
ットにつけたカポタストによる、Aのハイコード中心の小指で
変化を付けたコードストロークが原因と思われる。)
もちろん、いずれの3曲もジョージの素晴らしいオリジナルである。
ビートルズの音楽面の鋭い考察、へぇ~と感心しながら楽しく拝見いたしました。
そういえば、今日はジョンの命日ですね。
仕事から帰ったら「ジョンの魂」を聴こうかな。
ではでは。
はじめまして。
コメントありがとうございました!
お返事は、ブログの方へさせていただきますね。