♪べぇ~っさめぇ~ べさめむ~ぅちょ~・・・
ザ・コースターズが1960年にリリースした‘Besame Mucho’。ビー
トルズはデビュー前にこの曲をカヴァーしていた。ヴォーカルを担当
したのはポール。彼はこの曲について「短調の曲だ。でもそれが長調
へと転調したのは、音楽上偉大な瞬間だった」とコメントしている。
どのようなことを言っているのだろか。この曲のヴァースA、1小
節目から8小節目までのコードをトレースしてみよう。1小節単位に
表記する。「Gm→Gm→Cm→Cm→Cm→Cm→Gm→Gm」。
典型的なGマイナーだ。そして次の瞬間・・・、コードは劇的に「G」
となるのだ。この「パッと世界が開けたような音の変化」もさること
ながら、ビートルズのアレンジも素晴らしい。「G」に至るまでハイ
ハット無しでドロンドロンしたドラムスの音が、ここに来て突然目を
覚ましたように、「ズズチャチャ、ズズチャッ」とハイハット付きで
8ビートを刻むのである。
このような展開を「同主調における長短転調」とでも呼ぶことにし
ようか。さてビートルズの他の曲ではどうだろう。‘Things We Said
Today ’ではAマイナー・ヴァースからAメジャー・ブリッジに転調
する。‘While My Guitar Gently Weeps’も同様だ。‘I'll Be Back’
も同様なのだが、ブリッジに移行する前のAマイナー・ヴァース最終
小節でコード「A」になっているので不思議な(良い意味)感覚だ。
まだある。‘The Fool On The Hill’では、Dメジャー・ヴァース
からDマイナー・ブリッジへ、‘Norwegian Wood’ではEメジャー・
ヴァースからEマイナー・ブリッジへ転調している。‘Penny Lane’
も複雑だ。この曲はBヴァースの途中でBマイナーへ転調している。
さらにAメジャー・ブリッジへと展開するのだから、「畏るべし」で
ある。
このように後になって「あ~だ、こ~だ」は簡単に言える。それを
その当時に生み出した彼らのセンスが驚異的なのである。
↑If this article is quite good, will you please click?
ザ・コースターズが1960年にリリースした‘Besame Mucho’。ビー
トルズはデビュー前にこの曲をカヴァーしていた。ヴォーカルを担当
したのはポール。彼はこの曲について「短調の曲だ。でもそれが長調
へと転調したのは、音楽上偉大な瞬間だった」とコメントしている。
どのようなことを言っているのだろか。この曲のヴァースA、1小
節目から8小節目までのコードをトレースしてみよう。1小節単位に
表記する。「Gm→Gm→Cm→Cm→Cm→Cm→Gm→Gm」。
典型的なGマイナーだ。そして次の瞬間・・・、コードは劇的に「G」
となるのだ。この「パッと世界が開けたような音の変化」もさること
ながら、ビートルズのアレンジも素晴らしい。「G」に至るまでハイ
ハット無しでドロンドロンしたドラムスの音が、ここに来て突然目を
覚ましたように、「ズズチャチャ、ズズチャッ」とハイハット付きで
8ビートを刻むのである。
このような展開を「同主調における長短転調」とでも呼ぶことにし
ようか。さてビートルズの他の曲ではどうだろう。‘Things We Said
Today ’ではAマイナー・ヴァースからAメジャー・ブリッジに転調
する。‘While My Guitar Gently Weeps’も同様だ。‘I'll Be Back’
も同様なのだが、ブリッジに移行する前のAマイナー・ヴァース最終
小節でコード「A」になっているので不思議な(良い意味)感覚だ。
まだある。‘The Fool On The Hill’では、Dメジャー・ヴァース
からDマイナー・ブリッジへ、‘Norwegian Wood’ではEメジャー・
ヴァースからEマイナー・ブリッジへ転調している。‘Penny Lane’
も複雑だ。この曲はBヴァースの途中でBマイナーへ転調している。
さらにAメジャー・ブリッジへと展開するのだから、「畏るべし」で
ある。
このように後になって「あ~だ、こ~だ」は簡単に言える。それを
その当時に生み出した彼らのセンスが驚異的なのである。
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この曲を聴くと、頭のなかに「カラムーチョ」が浮かんできます。^^
カンケーないけど、何故か、映画「サボテンブラザーズ」も。。。
>「同主調における長短転調」
ギターを弾いていて、この展開の瞬間が気持ちいかったりしますね。。
Things We Said TodayのAm→Aへの展開なんて特に気持ちいいです。
あと、少し(かなり?)おっしゃっている事とは異なりますが、If I FellでCause I couldn't stand the pain~のあとのGからGmへのパターンなど。。こういったコード進行もゾクゾクします。。^^
ビートルズの魅力のひとつに
感性に基づくコード進行があります。
計算されたわけではなく、結果的に
いろいろと音楽論的に論じられてしまうところです。
もっとも彼らはそんなことはどうでもよく
学術論文的に展開された論旨をみて
鼻で笑っていたのではないでしょうか。
わたしが論じているのも「後付け」ですもんね。
でも、本当にすごいと思います。