2152．CRY BABY CRY

　ゴミのひとつ

　ジョンはこの曲についてそのようにコメントしている。この曲とは
‘Cry Baby Cry’。ビートルズ『ホワイト・アルバム』の収録された
ナンバーである。ジョンのコメントはいかにも彼らしいのだが、彼は
なぜそのようにコメントしたのだろうか。

　ビートルズ後期になると、「マザーグース」の影響を受けた楽曲が
頻繁に登場するようになる。この曲もその傾向が伺えるが、実は古い
童謡‘Sing A Song Of Sixpence ’の影響を直に受けている。その歌
の中にこのようなフレーズがあるからだ。

　The king was in counting-house, counting out his money.
　The queen was in a parlour, eating bread of honey.

　「純粋に 100%自分のアイディアではない」という意味で「ゴミ」
とコメントしたのだろうか。しかし、この曲の「クールさ」を愛する
ファンは多い。

　この曲と次の‘Revolution 9’の間に、ポールが歌うパッセージが
ある。

　Can you take me back where I came from, can you take me back?

と歌われているフレーズは後の‘GET BACK’に通じるものがあり意味
深長だ。レコードを初めて買って聴いたときは、‘Revolution 9’の
導入部と思っていたが、ＣＤのナンバリングで、‘Cry Baby Cry’に
属していることがわかった。大きな気づきである。

　さて、今回は“Esher Demo”の音源からどうぞ。





　

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