【SINGLE 「真冬の帰り道」】
「真冬の帰り道」。この曲をスナックのカラオケで選曲する(「歌
う」ではありません)と、必ずママさんに喜ばれます。「メンバーの
喜多嶋修さんが女優の内藤洋子さんと結婚し渡米後、喜多嶋舞さんが
誕生する」なんていう、そんな「芸能」関連のネタよりも(いきなり
人のハナシの腰を折るのはよくないですよね)、さっそく本題に入る
ことにしましょう。
ランチャーズは、加山雄三さんのシリーズ『エレキの若大将』から
抜け出してきたようなグループでした。いかにもカレッジ・ポップス
らしい「上品さ」を感じます。それもそのはず。「ランチャーズ」と
ひと言でいってもその活動時期の幅は広く、メンバーの出入りもあっ
たのです。そもそもランチャーズは、1961年に加山雄三さんのバンド
としてスタートしました。その後の変遷については割愛させていただ
きますが、1967年11月に「真冬の帰り道」をリリースした時点のラン
チャーズは、既に加山雄三さんから独立したメンバーで、構成されて
いました。メンバーは全員、慶応義塾大学の学生です。
1967年から1968年はGS全盛の時期でした。「新生」ランチャーズ
もGSとして分類されたようですが、タイガースやテンプターズとは
違う雰囲気がします。この頃のランチャーズは「コーラス・ワーク」
もよく機能しており、グループとしてのバランスがとてもよかったと
思います。そのよさが表れた曲のひとつが「真冬の帰り道」です。
曲は「Eメジャー」で「A-B-A」形式のシンプルな構成です。
しかし、演奏は随所に「欧米」の影響を受けていることがわかります。
イントロのキャッチーな12弦ギターには、独特な響きを感じますが
ドラムスのハイハットのオープン・クローズの使い方にはビートルズ
の影響を、コーラス・ワークにはビーチ・ボーイズの影響を感じます。
そのコーラス・ワークは、後の「ウエスト・コースト」の先駆けとも
言える役割を果たしているのではとさえ思えますが、いかがでしょう
か。
間奏のギター・ソロには、彼らのオリジナリティを感じます。まさ
にランチャーズのランチャーズたる所以です。そのギター・ワークは
その音色の透明感とともに、「さすがはインストゥルメンタル出身の
バンド」と思わず頷いてしまう技巧を感じてしまうのです。
ヴォーカルが「単調」であることはマイナスとみる見方もあります。
しかしわたしには、その単調さが逆に、「真冬の帰り道」全体に溢れ
ている「純真」な心情を、とてもよく表現しているのだと思うのです。
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真冬の帰り道
いつか君が大人になれば
って感じの歌ではないですか。
記憶に残ってます。すごく親しみやすいメロディでしたね。
そうなんです。歌いやすいメロディなんです♪
シンプルなライン・構成が人の心を惹きつける
という好例の曲ですね。
近年のコンピュータ・ミュージックにはない
「温かさ」を感じます。
間奏のソロは複雑ですよね。
確認のためにCDを聴き直しました。
ギターはやはり2本でしょうか?
ライトチャネルはノーマルなリードライン。
レフトチャネルは「テクニカル」なラインです。
ギミックぽいですが、1本で弾いている音でしょうか。
ライトチャンネルをサポートする
「オブリガート+アルペジオ」という複雑なラインです。
すべてピック弾き。あるいは小節の最初の根音を
ピック、あとは指弾き・・・(根音とアルペジオの
音量の差が大きいので)?
いろいろと想像してしまいます。
ランチャーズのライヴを観たことがないので
確証がもてませんが、とても興味深く思います。