1980．FLYING

　‘Flying’。ビートルズの公式 213曲中、唯一のインストゥルメン
タル・ナンバーです。この曲のクレジットは、“Lennon-McCartney-
Harrison-Starkey”なのですが、イギリスのＥＰ盤では“Harrison-
Lennon-McCartney-Starkey”となっています。一般的には「アルファ
ベット順」と解釈されているようですが、「ジョージが主として曲を
書いているから」という説もあるようです。過去にこの記事でご紹介
したエピソードと照らし合わせて考えてみると、意味深長です。

　主旋律を奏でているオーボエのような音は、ジョンのメロトロンの
音です。いきなり出てくるサーフ・ギター風のギターは、ジョージの
ストラトの音です。低音弦を駆使しかなり硬い音で、深いリヴァーブ
処理が施されています。ポールのベースはなんとダブル・トラックで
ストラトではない方のギターとかぶって聞えるパートはかなり高音域
を演奏しています。もう一つのパートはその反対に低音域を演奏して
います。その他、オルガンの逆回転音なども取り込まれ、「サイケデ
リック感」を醸しだしています。途中から挿入されるコーラスでは、
リンゴの声が目立つように聞えますが、気のせいでしょうか。




　

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