【写真:『ビッグラン北海道』(1990年版) 2006年07月09日23時20分撮影】
北海道を旅するようになってから、ずっと「愛読」している情報誌
がある。『ビッグラン北海道』だ。写真のものは「1990年版」である。
私は、人がわんさか集まるメジャーな観光地やグルメスポットなど
の情報には、あまり興味を示さない。もっぱら重要視しているのは、
「道路」に関する情報がいかに充実しているかである。その点、この
情報誌は、市街地やオフロードガイドを含め、条件を十分に満たして
いると思う。
ただ残念なことに『ビッグラン北海道』は、「2002年-2003年版」
の発行を最後に廃刊となった。最近では、昭文社の『ツーリングマッ
プル』をガイドにしている。
それでも、毎年のように購入してきた過去の『ビッグラン北海道』
を捨てずに、ずっと保管している。なぜならば「現在走っているあの
道が、どのように変化してきたのか」などをトレースするのが面白い
からだ。
同じく90年版から愛用していました。
「大きくてカラー印刷なのに、情報量がものすごい」
・・・と、ありそうでなかった画期的なものでした。
特に巻末のロードマップは当時としてはほかに類を見なかった「ダート&舗装色分け」「ねずみ取りスポット」を明記した地図で、林道制覇や裏道の選定などにもよく使っていました。
現にこれで場所を事前に把握していたため取り締まりの手を免れたこともありました(豊似市街)
ダート明記の地図は当時はホクレンマップも配布されてはいましたが、道道レベルまでで、町道以下になると、その区別は付けられていませんでした。90年当時ですと、まだナウマン国道は一部未舗装。旅来の国道渡船もあった時代ですね。
http://tabi.road.jp/sekijitu/R336/R336.html
そのほか三笠市を通って北上する裏道国道なんかも一部未舗装でした。三国峠は三股から先はぐねぐね道の多いダートで、これまた味があったものです。峠を走破すると車のサイドは真っ白になっていたものです。
十勝太の「黄金の滝」も、当時他のガイドブックにはいっさい載っておらず、この地図に記載があるのを見て、手探りで探し当てたものです。
温泉ガイドも、当時はまだマイナー温泉の写真付き情報が少なかったものの、唯一この本は外観カラー写真付きで、野湯を含む多くの温泉を載せていました(92年版頃から白黒ページになってしまったのが残念)ので、他の温泉ガイドは使わず、この本だけをベースに周っていたものです。
毎年変わっていた、企画もの特集ページも楽しみでしたね。「詳細ガイド入り実走林道マップ」とか、これまた当時はとほ系のガイドぐらいにしか案内のなかった「羅臼湖」「知床岬」へのアプローチ方法とか。地元スタッフ編集ならではの大手出版社のガイドとは一味も二味も違った内容は、毎年買うだけの価値があったものです。
90年後半だったか、発刊以来の出版元だった「徳間コミニュケーションズ」が手を引き、「ルック」という会社に移り、2000年になってから「JTB」からの発売になってしまったあたりで、完全に方向性が変わってしまったようでした。
OLウケしそうな、ありきたりの観光地&人気スポットを中心にした案内と、ウリだったダート入りロードマップは、まったくつまらないCG地図になってしまい、汎用的な全国版を意識した作りとなり、その魅力は半減以下となり、この時点で私も購入をやめてしまいました。
おそらく、編集方針もJTB本体の意向が入ったのでしょう。そして2003年以降の廃刊も、大人気ガイド「るるぶ」を抱える同社としては、モノがかぶりますし、別口で出版する意義も薄れてきたので、当然と言っては当然の結末ではなかろうかと思います。
普通のガイドより高い値段を出してまで買う魅力がなくなってしまったのが敗因だったのではないでしょうかね。
ともあれ、長年お世話になったガイドがなくなってしまったのは残念でもありますが、私も今でもバックナンバーは手元に置いてあります。
やはりバイブルだった時代、90年のものは未だに愛着がありますね。
これを超える北海道ガイドの登場、ぜひとも期待したいところです。
こちらのコメントを本文にさせていただきます♪
fkhさんのコメントをフォローする形で
続編を企画することにしました。
おたのしみに。おたのしけ♪