277．そろばん

　そろばんが再び脚光をあびている。子供たちにとっては基礎学力の
向上、そしてなによりも目新しい。高齢者にとっては老化防止、そし
て懐かしい。そのような、世代を超えた「効果と感覚」があるようだ。

　最近、子供たちの計算力の低下や集中力の低下が話題になることが
多い。通常の計算では左脳を使うのだが、そろばんの上級者は頭の中
でそろばんの「珠」をイメージし右脳で暗算するという。「脳力ＵＰ」
がブームになっている昨今、そろばんは左脳と右脳の両方を刺激する
貴重な存在だという。

　地域社会では、そろばんを「高齢者と子供たちの交流の場」として
役立てているケースも出ている。６０歳代や７０歳代のボランティア
の「先生」が、小学校の始業前に子供たちにそろばんを教えている。
「先生」の多くは、「そろばんは久しぶり」とのこと。では、先生の
声を聴いてみよう。

　先生Ａ：これを契機に家計簿を電卓ではなく、そろばんでつけるよ
　　　　　うになった。
　先生Ｂ：朝寝坊をしなくなり、生活のリズムが出てきた。
　先生Ｃ：子供たちから元気をもらっている。
　先生Ｄ：毎日が充実している。

　小学校の校長先生は「おじいさん、おばあさんが、自分たちのため
に頑張ってくれている姿から、子供たちは生き方を学んでいる。計算
力や暗算力は、その上でついてくればよい」とコメント。

　子供たちも目が輝きだし、徐々に集中力もついている。正解の時の
「ご名算！」のかけ声も大きくなってきている。

　・・・そろばんって奥が深い。