【写真:スパット 2005年11月13日12時52分撮影】
ボウリングは、野球の投手に似ていると以前の記事でお話したかと
思う。両者に共通する重要なことは、「よい結果を出すためには、よ
い投げ方とコントロールが必要である」ことである。ボウリングの場
合、「人間」が相手ではないため、野球と異なり相手の不確定要素の
影響は受けにくい。すなわち、自分自身の力量を高めていけば、結果
を出せる確率が高くなるのである。ただし、だからといって競技に勝
てるということにはならない。そのことはまた、別の次元なのである。
さて、「投球結果がよくなる確率を高める」。そのためには、どう
すればよいのだろうか。
それは、以下の3点を実行することである。
1.自分の狙う、「リリース・ドット」と「スパット」の2点間の
「線」(=ボールの軌跡:連載第4回参照)を投球する際、リリ
ース後に自分の狙ったスパットをボールが通過したか確認する。
2.1の後、すぐにボウラーズベンチに帰ってくるのではなく、最
終ステップの軸足がどの位置にあったのか確認する。
3.そもそも1.2.の投球前に、どの位置に立ち投球動作を開始
したのか、スタンスの位置を確認する。
ここでは話を簡単にするために、ボウラーの投球スタイル(スイン
グの軌道やステップの軌道等)の要素を割愛してお話するのでご了解
いただきたい。
自分の個性を知ろう!
具体例で話をしよう。自分がボールを板目10枚目(註)に落とし
スパット10枚目を狙う「線」を考えたとする。ボールは直径21.5cm
という「大きさ」があるため、最終ステップの軸足は少なくともボー
ルの落とし位置よりやや内側(板目10枚目が落とし位置であれば、
板目15枚目~18枚目あたり)にあるはずである。その時、そこへ
軸足を運ぶためには、どこへスタンスすればもっていきやすいのか。
このことをまず確認していただきたい。これは「何が正解だ」という
ことは無く、各ボウラーの体型や話を割愛した投球スタイルによって
まちまちになるのである。そう、正解は複数あるのだ。
(註)上の写真で右から2番目のくさび型が「10枚目」である。
拡大写真をご覧いただきたい。(→「写真」をクリック。)
板目が確認できるかと思う。レーンは、39枚の細い板から
構成されているのだ。真ん中のくさび型が、「20枚目」。
「スパット」と同様、手前のファール・ラインに沿って施さ
れている「リリース・ドット」やアプローチ上の「スタンス
ドット」も5枚毎に印が施されている。参考にしてみよう。
セオリー的なハナシをすれば、スイングの軌道と体の中心線との距
離は一般的に5枚~8枚分あるため、この例の場合スタンスの左足と
右足の間に板目16~17枚目がくるように立てばよいかと思う。
さあ、投球である。以下の点を再確認し、繰り返しチャレンジして
みよう。
1.投球前に狙う「線」を確認する。
2.1.の「線」を通すために、自分の個性や経験を考え、投球前
にあらかじめ決めておいた位置にスタンスする。
3.狙いが定まっなら、一呼吸した後に、再度狙いを確認した上で
投球動作を開始する。
4.投球動作中の視線は、狙う「線」に集中する。
5.リリース後、ボールがどこを通ったか確認する。また最終ステ
ップの軸足位置を確認する。
まずは、徹底的に「ストレートボール」を投げるようにしてほしい。
これが「ハウス・ボール」で最大の結果を出すための最短距離なので
ある。ストレートボールを投げる極意は、「何も動かさない」こと。
すなわち、「一度形を決めた手首は動かさないこと」である。
これは意外と難しい。
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