らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

57.TICKET TO RIDE

2005-12-25 | 12.THE BEATLES
【ALBUM "HELP!"】

 「ヘビー・メタルのレコードとしてはもっとも早いもののひとつ」
とジョン・レノンは「涙の乗車券」を回想している。ジョージ・ハリ
ソンの12弦ギターが奏でる、爽やかなイントロのリフ。ビートルズ
が好きでギターを弾くかたであれば、必ず一度はこのリフを試みたで
あろう。比較的簡単に弾けるし。(そっくり再現できるかは別)

疾走するリンゴのドラム

 この曲で私が一押しするのは、リンゴ・スターのドラミングである。
Aメロをハイハット無しでリズムをキープし、曲をリードしていく。
このドライブ感がすごい。曲のスタートから1回目と2回目のAメロ。
2泊3連符でバスドラ、スネア、タムを叩いていたかと思うと、1回
目のBメロ後の3回目のAメロでは、いつの間にか2拍3連符の部分
が変化している。八分でバスドラを2回叩き、八分でスネアを1回、
八分でタムを1回。スネアとタムの「フラム効果」も加わって、曲は
どんどん加速する感じだ。この疾走感がたまらない。

 実は、Aメロ2回目の'She's Got A Ticket to Ride'のコードGM7
のブレイク後の2小節は、すでに変化したパターンを先取りしBメロ
のつなぎの2小節で元に戻すという細かい芸を披露している。

 もちろん、これは計算されたプレイではなく、自然に出たプレイか
と思う。

 これを楽譜で表記すると以下のようになる。(楽譜表記がしずらい
ため、感覚的である。失礼。)

【1回目・2回目のAメロ】(※2回目の13・14小節は下のパターン)


タム  :      タン
スネア :  タ  タン
バスドラ:ドン ドドン

【3回目・4回目のAメロ】

タム  :       タ
スネア :  タン  タ
バスドラ:ドン  ドド

 このドライブ感・疾走感は、ポール・マッカートニーのベース・ラ
イン(ポールのベースは、ボーン・ボ・ボーンという感じ)に見事に
シンクロさせたジョン・レノンのリズム・ギターと、ジョージ・ハリ
ソンの"Rickenbacker360-12WB"による広がりのある爽やかな音ととも
に、オーストリア・オーバータウエルンのゲレンデに美しいシュプー
ルを描きながら突き進んでいくのである。

 もっとも、この時にビートルズが撮られたのは、ほとんど「直線の
上をゆっくり滑るシーン」と「激しく転倒するシーン」だけであった。
他の滑走するシーンはスタントマンによって演じられたものである。

 なお、ジョンのリズム・ギターは、1小節に単音を2回ピッキング
する(ベーン・ベェーンという感じ)だけの究極のリズム・ギターで
あった。これも弾きやすいが、あの音を再現するのはわりと難しい。
この曲でジョンが使用したギターは、"Rickenbacker325JG "とされて
いるが、ひょっとするとソニックブルーの「ストラト」だったのかも
しれない。

 1965年 2月のアビイ・ロード・スタジオで、ジョンが赤いシャツを
着てこのソニックブルーの「ストラト」を弾いている写真を見たこと
がある。'Ticket To Ride','Yes It Is'のレコーディングがそれぞれ
2月15日、2月16日であることから、「ストラト」が使用された可能
性もある。

 その他、ハイハットをフォローする「効果的なタンバリンの利用」
GM7 のプレイク再開時における、「リンゴのスネア・タムのバリエー
ション」、エンディング最初A音における「ポールのミストーン」等
聴きどころ満載の一曲である。

 エンディングのリフをポールが"CASINO"で弾いているのは、有名な
話である。ライブではこの部分をジョージが弾いていた。あのフィー
リングを忠実に再現しようと一所懸命なジョージの姿が、今でも忘れ
られない。

 余談であるが、この曲をカバーしたカーペンターズは歌詞の'She '
をすべて'He'に置き換えて歌っていた。もちろん、カレンさんが歌う
から。確かにそうだ。しかし、今思うと内容はかなり微妙になる。

 ま、いいか。もちろんカーペンターズも大好きだ。

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4 Comments

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Unknown ()
2005-12-26 12:27:42
カーペンターズのレコードは雨の母親の

甘酸っぱい思い出がぎゅうと詰まってるんですって!



私が聞いても勝手に想像してきゅんとしたりします!
返信する
カーペンターズ (らば~そうる)
2005-12-27 02:54:38
to:雨さん



はじめまして!



「雨」さんで思い出しました。

カーペンターズでは「雨の日と月曜日は」の

しっとりした雰囲気と

「オンリー・イエスタデイ」のカラっとした

サウンドが大好きですヨ♪

「雨の日・・・」のハーモニカの音色が

心に響きますね。
返信する
トラバ、ありがとうです。 (LHCB)
2005-12-28 21:51:17
BEATLESの記事、興味深く拝見させていただきました。日本公演での半音下げたチューニングについては、当方でもブログにのせようと、思っています。その真相に迫ってみたいとは思っていますので、記事が書けたらトラックバックしようと思います!
返信する
コメントありがとうございました (らば~そうる)
2005-12-28 22:37:21
to:LHCBさん



お立ち寄りいただきありがとうございした。

日本公演のチューニングの件

楽しみにしております。♪



それにしても

「イン・マイ・ライフ」のあの「ピアノ」を

ライブで再現ですか~。

ぜひ、お聴きしたいですね~。
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