らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

159.ホワイト~"WHITE"と「白」

2006-04-13 | 62.Language
【写真:ALBUM "REQUEST" 竹内まりや 2006年04月09日02時17分撮影】

 竹内まりやの「色・ホワイトブレンド」についての投稿を、とある
ブログ
で読んだ。今回は「ホワイト」という言葉について感じたこと
をお伝えしたいと思う。

 'water-white' という英語がある。これは「水のように清明な」と
いう意味である。英語の'WHITE 'と同様、日本語の「白」にも透明感
を持つ語がある。「白湯」(さゆ)。この「白」は白濁という意味で
なく透明感を表す。他にも白雨、白露、白滝と美しいイメージをもつ
言葉が多数存在する。英語でも'white-whisky'という単語は、ジンや
ウォッカなどの無色「透明」のアルコール飲料の総称である。

 日本語にしかない「白」の用法は何であろうか。それは敬白、告白
のような使い方だ。また「白黒をつける」「白い目で見る」という使
い方も英語には存在しない。一方、英語しかない'WHITE 'の用法は何
であろうか。これは差別用語・麻薬用語である。

 さて、今回の投稿の発端となった「色・ホワイトブレンド」に話を
戻そう。この曲には'White xxxxx 'という単語がたくさん登場する。
「白い」という意味以外に、'White Spring'や'White Lips'のように
「明るく光輝く様」を、'White Wine'のように「透明な」という意味
をもつ単語もある。しかし、いちばん興味深いのは'White Lie 'であ
る。

 'White Lie '。「白」(というよりも、「シロ」と表記したほうが
よいが)に潔白、無実という意味があるのと同様に、'WHITE 'にも公
正、清廉という意味がある。'White Lie 'は、「白々しい嘘」とは異
なり、「罪の無い(innocent)嘘」「善意の嘘」のことである。

 こんなサスペンスものの小説がある。タイトルは"A little white
lye"(訳のタイトルは『まっ白な嘘』)である。この小節に登場する
「粉末の石灰」は、英語ではなんと'lye 'というのである。'lie 'と
'lye 'の同音によるシャレ。なるほどと思うのだが、驚くのはこれだ
けではない。この小説の訳者の鋭い感性に、ただただ敬服することに
なるのである。
 この小説の最後に「・・・まっ白な石灰が、昨夜私の生命を救った。
これからは<まっ赤な嘘>が幸福を保障してくれる」とある。実は、
この「まっ赤な嘘」の原文があの'white lie 'なのである。

 「シロ」を「アカ」に訳した感性に拍手。これぞ名訳なのだと思う。
'white'と「白」から話が脱線したところでお開き。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 158.JR | TOP | 160.【北海道】金八峠越林道 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 62.Language