【写真:ALBUM "PLEASE PLEASE ME" 2006年04月02日01時40分撮影】
1962年 9月11日、EMI第2スタジオで'LOVE ME DO''P.S I LOVE
YOU'のレコーディングの際、'PLEASE PLEASE ME'もロイ・オービソン
風のスローテンポ・ヴァージョンで録音された。その時は保留になっ
ていたのだが「曲を捨てるには非常に惜しい」とジョージ・マーティ
ン氏は評価していた。
残念なことにEMIで記録テープを保存するようになったのが1963
年からであったので、この時のテープは残存していない。
さて。1962年11月26日、ジョージ・マーティンの意見に従い、原曲
に対してアップテンポにしリメイクされたものがレコーディングされ
た。当日の19時から22時までかけて'PLEASE PLEASE ME'を完成さ
せる予定であった。
ジョン・レノンがヴォーカルとギターとハーモニカを同時にレコー
ティングするのが困難であるため(現在ではもちろんマルチトラック
のメリットを利用するが当時はたったの2トラック!)、最初のテイ
クでハーモニカ無しで録音後、「ピンポン」でハーモニカをオーバー
ダブした。
UKでは第2弾シングルとして1963年 1月11日に発売された。US
では1963年 2月25日に、日本では1年遅れで1964年 3月 5日に発売さ
れた。また残念ながら、全英・全米のランキングで№1になれなかっ
たため、"THE BEATLES 1 "の選にもれている。しかしながら'PLEASE
PLEASE ME'はポジション的にビートルズの歴史を語る上で重要な位置
を占める曲であると思う。
英語が堪能なかたはご存知であろうか。'PLEASE PLEASE ME'という
タイトルは、ジョンの豊かな言葉のセンスが表れているということを。
訳を試みると「僕の気分をハイにさせてくれ」(そこまで言ってはい
なくて、もっとソフトな意味だと思うが)のような意味になろうか。
先頭の'Please'と2番目の'Please'は語法が異なるのである。
※興味のある方は英和辞典を参照されたし。1番目の'Please'は、
一種の命令法で'Please'はその命令の意味を和らげ懇請とする
副詞的用法である。2番目の'Please'は、他動詞である。
実は洗練されたアレンジ
この曲の面白さは「主旋律」である。ジョンとポールの「最強タッ
グ」は時に「どちらが主旋律なのか」という楽曲があるが、この曲も
その中のひとつである。コピーしてみるとわかるのであるが'Please
please me, oh yeah like I please you.'の部分でジョンのパートと
ポールのパートの音程が激しく上下し高低が逆転する。気のせいか、
ジョンの旋律は確かに「目立つライン」ではある。やはり・・・。
演奏のポイントは、なんといっても"J-160E"による冒頭B音のハン
マリングである。このハンマリングは同時期の曲'THERE'S A PLACE'
でも採用されている。Aメロの、ジョンのアンプを通した"J-160E"の
バッキングは、単純なコードストロークではなく、主旋律をトレース
するかのように弾いている。Aメロのブレイクにおける歯切れのよい
コードストローク「G→A→B」や、Bメロへの移行におけるギター
ベース,ドラムの「シンクロ」が決まると、もう「快感」である。
ジョージのフレーズは基本的にジョンのハーモニカのラインをオク
ターブ奏法で弾いている。しかしミドルの「サビ」からAメロへ移行
する部分で、この関係が崩れている。これは、ライブでもレコードと
同じ旋律で演奏しているため、ジョージのアレンジという見解が強い。
ハーモニカで演奏する部分は、現在ではシンセで代用できると思う。
しかし「雰囲気」を出すためには、やはり「ホーナー・マリンバンド」
のあの音がベストだろう。
この旋律の兼ね合いが美しいハーモニーを
醸し出しているんだ!改めて聞きました。
いらっしゃいませ。
返信が遅れました。ごめんなさい。
ですよね~。やっぱり「らしい」ですよね~。♪