日本の古代の真実はわからない!
魏志倭人伝に出てくる邪馬台国の女王卑弥呼は、西暦248年9月5日の皆既日食の日に殺されたのだろうか。卑弥呼が死んだあと、男王が後を継ぎ邪馬台国は乱れるが、卑弥呼の娘、台与が女王になり治まった。しかし、265年に邪馬台国のうしろだてとなっていた魏が滅ぶと、狗奴国との戦いを避けるように東征し、大和に王朝を建てた。
3世紀末の事。初代の王は、崇神天皇。神武天皇はどうなってしまったのだ(笑) 宮内庁の天皇系図にある二代から九代までの天皇はやはり欠史8代か?
この小説は、4世紀末の話で、景行天皇の時代。国はまだおさまっていないが、王は女と昼寝にいそしみ、王子達は王の後継争いをしている。後継の筆頭とされていた、櫛角別王子が暗殺されたことから、その弟王子・倭男具那は犯人捜しを始める・・・。
黒岩重吾氏と云うと、社会派推理作家のイメージが強いので、歴史物?と思ったが、古代歴史物もずいぶん書いているようだ!
古代の歴史の真実はわからないが、これが、黒岩重吾がみつめた古代歴史の真実! 面白い!
古事記では、天皇から、食事の会に出てこない大碓王子に「出てくるようにと伝えろ」と頼まれた小碓王子(倭男具那)が、大碓王子を殺してしまったと書かれている。この小説では、この問題を複雑怪奇にしている。
倭男具那と大碓王子は、双子の兄弟で、櫛角別王子は長兄。武勇に優れ人望も厚い男具那は、物部氏から狙われ、櫛角別王子の暗殺は、男具那と間違えて殺してしまったのだという。大碓王子の恋から男具那の出生の秘密までおよび・・
えっ! 本当にそうなの? 小説としては面白い!
武勇に優れ、人情味にあつい倭男具那(ヤマトタケル)
物語は、「西戦の巻」と続くよう。しばらくは、ヤマトタケルの虜になりそう!
私のお気に入り度 : ★★★★☆
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