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今朝の散歩道。雨はまだですが風が強かった。
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村田紗耶香 著作 『コンビニ人間』 文春文庫
2016年、第155回芥川龍之介賞を受賞した作品だそうです。基本、私は芥川賞受賞作は読みません! 小難しそうな気がしてしまいます。小説は娯楽小説が一番!!!
読んでみて、やはり!やはり!
主人公・古倉恵子は子供の頃から変わりもので、周囲からは普通ではないと思われていました。自分でもそれに気付き、普通であるためには、外では極力口を利かない、自ら動く事はやめる事にしました。判断に困る時は、妹に助言を求めた。大学生の時に始めたコンビニでのアルバイトが性に合い、36歳になるまでコンビニでアルバイトをしている。社員にはならない!結婚もしない!
村田紗耶香さんってどんな人なのだろう。1979年生まれらしい、独身。コンビニでアルバイトをしながら作家生活をしているとか? 芥川賞作家がアルバイトをしなくても食えるだろう! ふと、恵子は村田紗耶香さんの分身かと思ってしまう。
コンビニでの仕事は、究極のマニュアル社会だそうだ。決められたマニュアル通りにすれば自分で判断することなく、周りの人達の空気を読まなくても良い! うそだろう、恵子は店の空気を的確に判断して、自分の取るべき行動をとっている。それが出来るという事は、マニュアル通りだとしても、稀有なことだと思う。それが出来ればどこでも、社員として務まるだろう。
古倉恵子は、白羽といういやな男と出会ってしまう。自分では働こうとせず、恵子にパラサイトしようとする。
36歳の女性が、普通で有るという事は、アルバイトではなく正社員で仕事をしているか、結婚しているという事だろか? 周りからは、普通でないと揶揄され、白羽と同居していると知れると喜ばれてしまう。
恵子は、コンビニを辞めどこかの会社の正社員になろうとするが、面接の日に訪れたコンビニで、やはり自分はコンビニ人間なのだと思い知る。
何故だか、現代社会のいびつさを思う。
思い浮かぶ言葉は、社会生活不適合者、適応障害?
世間様の目を感じながら、それに適合して行こうとした自分。
自我を貫こうとして、どうしても適合できなかった自分。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆