■ 高野連“プロとの壁”撤廃 指導者条件が教諭2年→研修3日(スポニチ・2013年1月18日)
驚きました。というより、拍子抜けと言っていいぐらいかも知れません。
プロ野球経験者の高校球児指導条件について、新井選手会長(当時)の強い主張はもちろん私も知っていましたが、高野連がそのぐらいで大きく動くとはまったく予期していませんでした。
それが、指導者就任条件について事実上の全面解禁です。部分的な譲歩ならあり得ると思っていましたが、障壁を完全に、しかも段階的ではなく、一気に取り払ってしまったのです。
あの高野連に何があったのか。組織内部でどんな変化があったのか。実に謎です。謎というほかありません。
何より、今まで頑なに難色を示していたのはいったい何だったのかという気がしてしまいます。
とはいえ、条件緩和が歓迎されることであるのは間違いありません。
プロアマ間には、柳川事件という過去の経緯が半世紀もの間横たわってきましたが、考えてみればこれはノンプロ(社会人)とプロとの間での衝突で、この2つの組織は既に交流が進んでいるわけです。
加えて、学生野球の監督をプロ経験者が務める例も出てきていますし、芦屋大学のように大学野球連盟に加盟しないことで独立リーグと協力するところも出てきました。
つまり、高校野球だけが取り残されてきたのです。今回実現した条件大幅緩和は、ようやく時代の趨勢に高野連が追いついたとすら言えるかも知れません。
これから高校野球の指導者を希望するプロ経験者が相次いで出てくることが考えられますが、そうなったとして、解決すべき2つの課題が出てくることでしょう。
第1に、これまでの指導者について。プロ経験者が高校野球に流れ込んでくるとなると、当然これまでの指導者との間に競争が起きます。
これが子どもの人口、さらには高校野球希望者が増えている時代なら問題ないのですが、現在はご存じの通り少子化の時代。高野連の資料によれば、選手数は2009年、加盟校数は2005年で頭打ちです。
(参考)高野連ウェブサイト部員数統計(2013年1月18日閲覧)
ということは、パイ全体が増えない、むしろこれから減っていくのに、それを食べようとする人が増えることになるのです。競争は激化するのは間違いありません。
むろん、一般的に言えば、競争は指導者の質の向上にプラスに作用するでしょう。あくまでも一般論で、現実にどうなのかは、今後実証的な分析を必ず(!)行った上で議論しなければなりませんが。
ただ、競争があるということは、淘汰があるということです。短期的、中期的には、これまでの指導者が主に淘汰されていくでしょう。
当然社会的に見て「あるべき」淘汰もあるのは認めた上で、淘汰が進んでいくことで、何がしかの反動は起きないか、それにどう対処すべきかは気になります。
第2にプロ側の問題。これは元巨人の桑田氏が報知の記事で端的に述べている通りです。
プロアマの分断にはそれなりの理由があるわけです。それが再び起きないよう、関係者にはスポーツマンらしい振る舞い、加えて高校生を指導する「教え手」としての意識と行動が求められます。
この点は、新たに参入するプロ経験者に特に求められます。安易な考えで指導者となり、高校野球界に負の影響を与えれば、障壁が復活しない保証はありません。その際、先に述べた「反動」が障壁復活を加速しかねません。
先に紹介した報知の記事にある「ここでつぶれたら2度目はない」というコメントは非常に重要です。ここで失敗するわけにはいかないのです。
それだけに、指導者になろうと希望するプロ経験者が、指導者にふさわしい人物として高校野球界に参入することを願います。
それにしても、今回の話といい2011年の開幕問題といい、あの辛……もとい、新井さんが後世に名を残しそうな名選手会長となるとは誰が予想できたでしょうか。
驚きました。というより、拍子抜けと言っていいぐらいかも知れません。
プロ野球経験者の高校球児指導条件について、新井選手会長(当時)の強い主張はもちろん私も知っていましたが、高野連がそのぐらいで大きく動くとはまったく予期していませんでした。
それが、指導者就任条件について事実上の全面解禁です。部分的な譲歩ならあり得ると思っていましたが、障壁を完全に、しかも段階的ではなく、一気に取り払ってしまったのです。
あの高野連に何があったのか。組織内部でどんな変化があったのか。実に謎です。謎というほかありません。
何より、今まで頑なに難色を示していたのはいったい何だったのかという気がしてしまいます。
とはいえ、条件緩和が歓迎されることであるのは間違いありません。
プロアマ間には、柳川事件という過去の経緯が半世紀もの間横たわってきましたが、考えてみればこれはノンプロ(社会人)とプロとの間での衝突で、この2つの組織は既に交流が進んでいるわけです。
加えて、学生野球の監督をプロ経験者が務める例も出てきていますし、芦屋大学のように大学野球連盟に加盟しないことで独立リーグと協力するところも出てきました。
つまり、高校野球だけが取り残されてきたのです。今回実現した条件大幅緩和は、ようやく時代の趨勢に高野連が追いついたとすら言えるかも知れません。
これから高校野球の指導者を希望するプロ経験者が相次いで出てくることが考えられますが、そうなったとして、解決すべき2つの課題が出てくることでしょう。
第1に、これまでの指導者について。プロ経験者が高校野球に流れ込んでくるとなると、当然これまでの指導者との間に競争が起きます。
これが子どもの人口、さらには高校野球希望者が増えている時代なら問題ないのですが、現在はご存じの通り少子化の時代。高野連の資料によれば、選手数は2009年、加盟校数は2005年で頭打ちです。
(参考)高野連ウェブサイト部員数統計(2013年1月18日閲覧)
ということは、パイ全体が増えない、むしろこれから減っていくのに、それを食べようとする人が増えることになるのです。競争は激化するのは間違いありません。
むろん、一般的に言えば、競争は指導者の質の向上にプラスに作用するでしょう。あくまでも一般論で、現実にどうなのかは、今後実証的な分析を必ず(!)行った上で議論しなければなりませんが。
ただ、競争があるということは、淘汰があるということです。短期的、中期的には、これまでの指導者が主に淘汰されていくでしょう。
当然社会的に見て「あるべき」淘汰もあるのは認めた上で、淘汰が進んでいくことで、何がしかの反動は起きないか、それにどう対処すべきかは気になります。
第2にプロ側の問題。これは元巨人の桑田氏が報知の記事で端的に述べている通りです。
プロアマの分断にはそれなりの理由があるわけです。それが再び起きないよう、関係者にはスポーツマンらしい振る舞い、加えて高校生を指導する「教え手」としての意識と行動が求められます。
この点は、新たに参入するプロ経験者に特に求められます。安易な考えで指導者となり、高校野球界に負の影響を与えれば、障壁が復活しない保証はありません。その際、先に述べた「反動」が障壁復活を加速しかねません。
先に紹介した報知の記事にある「ここでつぶれたら2度目はない」というコメントは非常に重要です。ここで失敗するわけにはいかないのです。
それだけに、指導者になろうと希望するプロ経験者が、指導者にふさわしい人物として高校野球界に参入することを願います。
それにしても、今回の話といい2011年の開幕問題といい、あの辛……もとい、新井さんが後世に名を残しそうな名選手会長となるとは誰が予想できたでしょうか。
かつては、高卒の選手が引退した時は、高校野球の指導者を目指す場合、
大学へ進学する必要がありましたが、
この流れも大きく変わりますね。
とはいえ、教職課程には、中学・高校生に関わる上で
学んでおいた方が良い内容もあるので、
いきなり、ばっさり削ってしまって大丈夫なのかという気もします。
今調べたら、常総の木内元監督や箕島の故尾藤元監督辺りでも苦労しているようですし。
教員経験を問うことで、回り道をしなくても良くなったこと自体は歓迎するとして、
特に高卒でプロ入りした選手の場合、一度は座学を経験しても損はないようにも思います。