■ 日本球界猛反発も 田沢、メジャー契約へ(スポニチ・2008年9月12日)
先に書いてしまうのもなんですが、どうせ田澤はメジャーに行けるでしょう。
実際のところ、彼を縛るものといえば、NPB・MLB間のいわゆる「紳士協定」ぐらいで、拘束力は疑わしいものです。
ドラフトで強行指名したところで、交渉期限まで逃げおおせればいいだけの話。よほどの秘策でもない限り、NPBに勝ち目があるとは思えません。
それに、今年のドラフトで強行指名となると、これまでどうしてもこっちの選手に目が行ってしまっていたので、正直なところ田澤まではマークしてませんでした。
なので、この話はさほど気にするほどのネタではないのかも知れません。
ですが、この田澤という男や新日本石油ENEOSの監督の言動を見ていると、どうにも不快感を抑えることができません。その不快感とは、いかにも計算してますって感じのかわい子ぶりっ子を見たときに鼻につく、あのイヤな臭いそのものです。
先ほど、NPBとMLBの間に「紳士協定」がある、と書きました。その具体的な文言までは分かりませんが、分からないからこそ「紳士協定」なのでしょう。
となれば、すでに報道でも出ていることですが、田澤・ENEOS・MLBの三者は、その「協定」を破ったことになります。ルールや法規を破ったことにはならないまでも、マナーを冒したことは否定できますまい。
ところが、彼らはその点についてまるで語ろうとせず、「夢」「純粋な気持ち」という、自分たちを美化するのにもってこいの言葉を振りかざしているのです。
ここで、ひとつ皆さんに考えてほしいことがあります。
もし田澤がMLB入りではなく、例えば巨人入りを表明していたら、彼はどう見られていただろうか?
もちろん、田澤の言葉を信じる人もいたことでしょう。ですが、こういう見方をする人も、決して少なくはなかったことでしょう。
すなわち、「結局カネでしょ?」と。
※ ただし、ここで巨人を出したのは、あくまでもNPB球団の一つの例であることを、念のため申し添えます。
ところが、NPBではあり得ない破格の金額が噂されるにもかかわらず、田澤の言葉を疑う声がなぜか聞こえてこない。
田澤が契約すると言われているのはレッドソックス、MLBでも屈指の財力を誇る球団です。しかもメジャー契約となる可能性が高いにもかかわらず、です。
(これがマイナーだったら、私の見方も変わってたと思うんですけどね。実際、四国・九州ILの香川からマイナーでレ軍入りした松尾は、心から応援しています)
一体全体、NPBとMLBのなにがどう違うのか? 合理的な説明でもあれば私も納得がいきますが、はたしてそんなものがあるのか、非常に疑問に思わずにはいられません。
加えて、NPBにはMLB球団側との事前接触を疑う声が出ていますが、それに対するアマ側の回答は、「事前接触は一切ないというENEOS大久保監督の報告を信じるしかない」との一言(スポニチ・2008年9月13日)
身内の言葉を信じて庇うのは日本の伝統のようなので、とやかく言うのは、あるいは野暮なのかも知れません。だって、大相撲がそうじゃありませんか!
ただ、それにしても、タンパリングが現実にあったとしたら、アマ側がどういう措置を取るのか、ひとつうかがってみたい気もしています。
そんなことを考えていると、田澤やENEOSが使う「夢」だの「純粋な気持ち」の底が見えてくるように思います。
なんのことはない、彼らは自分がいい子ちゃんになりたいだけじゃないかと。
そして、「純粋」に「夢」を叶えたい自分たちをNPBが邪魔しているという構図を作って、NPBを悪者にすることで、自分たちのマナー違反を隠してごり押しを通そうとしているだけの話です。
一言でいえば、論点のすり替えです。
もっとも、田澤が本当に「夢」を持った「純粋」な人間である可能性は否定できません。
ですが、極言すれば、この問題に田澤の人間性は一切関係ありません。そこに気を取られるようでは、問題の本質はいつまでも見えてきません。
本当に問題とすべきは、これまで正式な規定にこそなっていなかったものの、関係者によって守られてきた約束事を破ろうとする選手・組織にどう対決するか、これにほかなりません。
もちろん、約束事といえど、時代の推移に応じて変わり得るものです(その辺は法律や規則と一緒です)。時代の要請に合わないものは、合うように変えればいいのです。
ですが、時代が変わったからといって、約束事を破ってもよくなるということはないでしょうし、あってはなりません(そうなったら、あとはカオスになるしかありません)。
外野でファンがああだこうだいうのはまだいいとして、少なくともそれまでの習わしに反する行為を行おうとする当事者は、きちんと頭を下げて仁義を切るのがスジというものです。
なのに、頭を下げるどころか、いかにもな美麗字句で自分たちの正当化に汲々とする田澤とENEOS。姑息、といわれても仕方ないような気がします。
(「紳士協定」にあぐらをかいていたNPBにも当然責任の一端はありますが、それはまた別に議論すべき話ですし、だからといって田澤やENEOS、あるいはMLB球団が正当化されるというのもヘンな話です)
もっとも、その辺にどれほどの日本人が気づいてるのかと思うと、非常に悲しくなってもきますが。
「夢」という言葉のうわべ美しさに踊らさると、ロクなことがないんですけどねぇ。
____
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ
.しi r、_) |
| `ニニ' / ……
ノ `ー―i
先に書いてしまうのもなんですが、どうせ田澤はメジャーに行けるでしょう。
実際のところ、彼を縛るものといえば、NPB・MLB間のいわゆる「紳士協定」ぐらいで、拘束力は疑わしいものです。
ドラフトで強行指名したところで、交渉期限まで逃げおおせればいいだけの話。よほどの秘策でもない限り、NPBに勝ち目があるとは思えません。
それに、今年のドラフトで強行指名となると、これまでどうしてもこっちの選手に目が行ってしまっていたので、正直なところ田澤まではマークしてませんでした。
なので、この話はさほど気にするほどのネタではないのかも知れません。
ですが、この田澤という男や新日本石油ENEOSの監督の言動を見ていると、どうにも不快感を抑えることができません。その不快感とは、いかにも計算してますって感じのかわい子ぶりっ子を見たときに鼻につく、あのイヤな臭いそのものです。
先ほど、NPBとMLBの間に「紳士協定」がある、と書きました。その具体的な文言までは分かりませんが、分からないからこそ「紳士協定」なのでしょう。
となれば、すでに報道でも出ていることですが、田澤・ENEOS・MLBの三者は、その「協定」を破ったことになります。ルールや法規を破ったことにはならないまでも、マナーを冒したことは否定できますまい。
ところが、彼らはその点についてまるで語ろうとせず、「夢」「純粋な気持ち」という、自分たちを美化するのにもってこいの言葉を振りかざしているのです。
ここで、ひとつ皆さんに考えてほしいことがあります。
もし田澤がMLB入りではなく、例えば巨人入りを表明していたら、彼はどう見られていただろうか?
もちろん、田澤の言葉を信じる人もいたことでしょう。ですが、こういう見方をする人も、決して少なくはなかったことでしょう。
すなわち、「結局カネでしょ?」と。
※ ただし、ここで巨人を出したのは、あくまでもNPB球団の一つの例であることを、念のため申し添えます。
ところが、NPBではあり得ない破格の金額が噂されるにもかかわらず、田澤の言葉を疑う声がなぜか聞こえてこない。
田澤が契約すると言われているのはレッドソックス、MLBでも屈指の財力を誇る球団です。しかもメジャー契約となる可能性が高いにもかかわらず、です。
(これがマイナーだったら、私の見方も変わってたと思うんですけどね。実際、四国・九州ILの香川からマイナーでレ軍入りした松尾は、心から応援しています)
一体全体、NPBとMLBのなにがどう違うのか? 合理的な説明でもあれば私も納得がいきますが、はたしてそんなものがあるのか、非常に疑問に思わずにはいられません。
加えて、NPBにはMLB球団側との事前接触を疑う声が出ていますが、それに対するアマ側の回答は、「事前接触は一切ないというENEOS大久保監督の報告を信じるしかない」との一言(スポニチ・2008年9月13日)
身内の言葉を信じて庇うのは日本の伝統のようなので、とやかく言うのは、あるいは野暮なのかも知れません。だって、大相撲がそうじゃありませんか!
ただ、それにしても、タンパリングが現実にあったとしたら、アマ側がどういう措置を取るのか、ひとつうかがってみたい気もしています。
そんなことを考えていると、田澤やENEOSが使う「夢」だの「純粋な気持ち」の底が見えてくるように思います。
なんのことはない、彼らは自分がいい子ちゃんになりたいだけじゃないかと。
そして、「純粋」に「夢」を叶えたい自分たちをNPBが邪魔しているという構図を作って、NPBを悪者にすることで、自分たちのマナー違反を隠してごり押しを通そうとしているだけの話です。
一言でいえば、論点のすり替えです。
もっとも、田澤が本当に「夢」を持った「純粋」な人間である可能性は否定できません。
ですが、極言すれば、この問題に田澤の人間性は一切関係ありません。そこに気を取られるようでは、問題の本質はいつまでも見えてきません。
本当に問題とすべきは、これまで正式な規定にこそなっていなかったものの、関係者によって守られてきた約束事を破ろうとする選手・組織にどう対決するか、これにほかなりません。
もちろん、約束事といえど、時代の推移に応じて変わり得るものです(その辺は法律や規則と一緒です)。時代の要請に合わないものは、合うように変えればいいのです。
ですが、時代が変わったからといって、約束事を破ってもよくなるということはないでしょうし、あってはなりません(そうなったら、あとはカオスになるしかありません)。
外野でファンがああだこうだいうのはまだいいとして、少なくともそれまでの習わしに反する行為を行おうとする当事者は、きちんと頭を下げて仁義を切るのがスジというものです。
なのに、頭を下げるどころか、いかにもな美麗字句で自分たちの正当化に汲々とする田澤とENEOS。姑息、といわれても仕方ないような気がします。
(「紳士協定」にあぐらをかいていたNPBにも当然責任の一端はありますが、それはまた別に議論すべき話ですし、だからといって田澤やENEOS、あるいはMLB球団が正当化されるというのもヘンな話です)
もっとも、その辺にどれほどの日本人が気づいてるのかと思うと、非常に悲しくなってもきますが。
「夢」という言葉のうわべ美しさに踊らさると、ロクなことがないんですけどねぇ。
____
/__.))ノヽ
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(^'ミ/.´・ .〈・ リ
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| `ニニ' / ……
ノ `ー―i
いずれにしても、紳士協定も見直す余地ありですね。
8割が「行きたいという本人の意志を尊重する」という答えでした。
世間にはそういう風なイメージが広がっているし、そういう報道しかなされていないのが現実なのでしょう。
エネゴリくんが急にブラックに感じてきた今日この頃です…。
(1001の▲は嘘臭くてもはや拒絶反応のみ)
具体的な打診を受けたからこそ、田澤投手も、「指名しないでほしい」と言い出したのでしょうから。
……しかし、MLB側は、「悪しき前例を打破した」ぐらいの認識でいるのではないでしょうか。
アメリカの記者さんがダルビッシュのことを書いていた記事を読んでみて思ったのですが、先方ではごくごく自然に素直に、「何で日本なんかに好き好んでとどまる必要がある、早くアメリカに来るのが選手自身にとっての幸せだ」という感覚でいるようです。
MLBなら「志」が高く、NPBならそうではないってのもヘンな話ですし。
FREE TIMEさんの本意がそこにあるとは思いませんが、
どーも世間一般には、そういう通念がまかり通ってる感じで。
ただ、その通念の根拠ってなんなの? とは疑問ですね。
ともあれ、これまでの「紳士協定」が機能しなくなったのは明らかですし、
これからは紳士どころか、刺すか刺されるかのやり合いになるんでしょうね。
勝ち目があるとは思えませんが……
「MLB側についた田澤=善玉、NPB=悪玉」
という図式が定着しているのは見て取れる気がします。
イメージ戦略でNPBが完全に後れをとったのが痛いですし、
こうなるとNPBにはほとんどなすすべがないと言わざるを得ませんね。
アメリカ側の策略で日本側が一方的に悪玉にされると書くと、
いつかどこかで聞いたような話にもなってきますが(苦)
しかし、こんなチームの母体が「日本代表応援!」なんて言ってたんですよね。
これでWBCでスポンサーについたら噴飯モノですが。
少なくとも疑いが出るのは自然なことだと思ってます。
とはいえ、NPBも疑うだけでは話にならないわけで、
独自で具体的な調査を行うぐらいのことはすべきでしょうね。
>MLB側
「自分たちの利益になることが、世界の利益になる」って国ですからねぇ……
2a3aが関の山
それに、破格の契約金の話は眉唾ものだと思っていますし、最初からメジャー契約はないと思います。ドラフトでの契約金にしろ、中南米の選手の獲得にしろ、投手に何億も出すなんて話はあまり聞きません。もう少しMLBの新人契約について調べてみて下さい。
ただタンパリングには問題があると思いますし、これからMLBが日本のアマチュア選手の獲得に力を入れるのであれば、拘束力のある公平なルールを定めてほしいと思います。
しかし、そのメジャー挑戦の意志を表明したすぐ後にレッドソックスの影が見え隠れするのがどうにも怪しく感じます。
行くなら行けばいいんですよ。
ただし、NPB12球団に指名回避を表明したのであれば、通用しなかった場合、NPB側も獲得を表明しない態度をとると共に、やはり新人選手獲得についての日米他共通のガイドラインを作成しないといけませんね。