この件に関しては思うところがあってこれまでスルーしてきたのですが、先ほどある記事を見て雲行きが怪しくなっているのを感じましたので、あえて書かせていただきます。
私が見た記事というのはこちらです。
正直なところ、この記事を読むまでこの件に関しては楽天側の「負け」、あるいは戦略的撤退で終わり、ベイスターズは現状のまま存続されるだろうというのが私の読みでした。というのは、三木谷氏が自分の提案に対し早く回答を出すようTBS側に再三要求していたからです。
楽天はTBS株を買うにあたって金融機関から多額の資金を借りています。借りるにあたってはその金の用途と返済の見込みを示す必要がありますし、借りた後は金融機関側を納得させるような成果を示さなければなりません。
ところが、そのためには当然TBSとの経営統合の話をできるだけ早くまとめなければならないのです。もし思うように進まなければ、金を貸した側の金融機関は一気に返済を迫るでしょう。
だからこそ三木谷氏はTBS側に早急な回答を求めたのであり、これは言ってみれば三木谷氏や楽天側の焦りの表れではないか、私にはそのように映ったわけです。
逆にTBS側から見ると、楽天の要求にすぐに回答する必要はなく、それどころか時間稼ぎをすればするほど有利になるわけです。そうこうする間に融資の返済に迫られた楽天側が折れ、最終的にはTBS株を高値で買い取ってもらうことで決着する……
なにやらニッポン放送の時と似ていますが、私が予想していたのはこのような展開でして、これならベイスターズが売却される可能性も低い、合併の可能性はまして低い(もちろん楽観し過ぎるのは禁物ですが)と考えていたわけです。
ところが、実際には金融機関側が追加融資枠を設定したのです。要するに、楽天が希望すればここまで貸しますよ、という金額を新たに出したのです。
これは三木谷氏が今後TBS株を買い増しするための資金を得たことを意味します。これまでのようにTBSが牛歩戦術に出ればそのうち楽天が音を上げるというシナリオが怪しくなったことを意味します。
ただ、話はそこには止まりません。むしろ一番厄介なのは、非常に乱暴な言い方になりますが三木谷氏のバックに大手銀行がついているという構図がよりハッキリしたことです。
もちろん、銀行側も最初に融資をした時点でお金の使い道は聞いているはずですし、その意味ではもとから三木谷氏にゴーサインを出していたと考えることもできます。
ただ、一回こっきりでお金を貸すのと追加融資枠を設定するのとでは話が違ってきます。融資を追加すればそれだけ楽天が失敗した時の損失も大きくなりますし、銀行側も様々な面で楽天を支援する必要が出てくるわけです。
つまり、楽天や三木谷氏というレベルではなく、はるかに大きな力によってベイスターズの命運が左右されかねないということなのです。さすがにこういう書き方をすると電波チックになってきますが(^^;)
もちろん、楽天側につく金融機関がある以上、TBS側につくところがあっても全くおかしくはありません。両方に融資する銀行があっても不思議ではないくらいです。
それに、先ほど昨日の株価終値で計算してみたのですが、追加融資枠をすべて使ってTBS株を買ったとしても、手持ちのTBS株の比率はこれまでの株と合わせて全体の3割程度にしかなりません。
これでは経営を支配するには程遠いですし、TBS経営陣は楽天側の要求を突っぱねることがまだできます。となると、最初に書いた私の読み通りに決着する可能性も十分あります。
ですが、これまでと比べてベイスターズを巡る状況が厳しくなっていることだけは実感しています。
さて、そのベイスターズ。私がこれまでこの件についてあまり書いてこなかったのは、「合併は当然許さないとして、球団売却はどうなのだろう?」というのが分からなかったからです。
ご存知の方も多いでしょうが、横浜球団株は複数の企業が非常にややこしい持ち方をしています。だからこそこういう問題が出てくるわけですし、それならこの際所有構造を改めてもいいのではないか、という気もするわけです。
ですが、それで「ベイスターズ」という球団のあり方が根本的に変わるのには賛成できません。TBSがマルハから球団株を買った時、少なくともソフトバンクがダイエーから球団株を買った時の処置ぐらいは再現されるべきでしょう。
というわけで、ベイスターズは「横浜ベイスターズ」として、シーレックスは「湘南シーレックス」として、現状(具体的には球団名・本拠地・球団歌・マスコットの4点が最低ライン)が維持されることを当ブログは希望します。
ただし球団名については、仮に企業名を入れて「横浜○○ベイスターズ」となったとして、企業名が全面に打ち出されなければまだいいかな、という気もします。
要は、「広島東洋カープ」の「東洋」の扱い程度なら、広告費収入のことを考えても許容されるべきではないかというのが私の考えです。
え?USEN?USENは羊の数だけ数えてなさい。
※ トップ画像は『1日1ベイ!』さんより拝借しました。
私が見た記事というのはこちらです。
3行が楽天に融資枠 TBS株追加取得資金か
楽天によるTBS株大量取得問題で、三井住友、みずほコーポレート、住友信託の楽天の主力3銀行が、楽天の求めに応じて融資できる枠(コミットメントライン)を約800億円に設定することで合意したことが20日、明らかになった。
楽天とTBSとの経営統合交渉が難航している状況下では、今後楽天がTBS株を追加取得する資金になる可能性がある。楽天はTBSへの株式公開買い付け(TOB)も視野に入れているとみられる。
三井住友とみずほコーポレートの両行はTBSの主力行と準主力行でもある。TBS側は交渉期間中には株式の買い増しをしないよう楽天に求めており、両行が現段階で巨額の融資枠を設定したことで、今後の交渉に影響を与える可能性もある。
(共同通信 2005年10月21日02時14分更新)
正直なところ、この記事を読むまでこの件に関しては楽天側の「負け」、あるいは戦略的撤退で終わり、ベイスターズは現状のまま存続されるだろうというのが私の読みでした。というのは、三木谷氏が自分の提案に対し早く回答を出すようTBS側に再三要求していたからです。
楽天はTBS株を買うにあたって金融機関から多額の資金を借りています。借りるにあたってはその金の用途と返済の見込みを示す必要がありますし、借りた後は金融機関側を納得させるような成果を示さなければなりません。
ところが、そのためには当然TBSとの経営統合の話をできるだけ早くまとめなければならないのです。もし思うように進まなければ、金を貸した側の金融機関は一気に返済を迫るでしょう。
だからこそ三木谷氏はTBS側に早急な回答を求めたのであり、これは言ってみれば三木谷氏や楽天側の焦りの表れではないか、私にはそのように映ったわけです。
逆にTBS側から見ると、楽天の要求にすぐに回答する必要はなく、それどころか時間稼ぎをすればするほど有利になるわけです。そうこうする間に融資の返済に迫られた楽天側が折れ、最終的にはTBS株を高値で買い取ってもらうことで決着する……
なにやらニッポン放送の時と似ていますが、私が予想していたのはこのような展開でして、これならベイスターズが売却される可能性も低い、合併の可能性はまして低い(もちろん楽観し過ぎるのは禁物ですが)と考えていたわけです。
ところが、実際には金融機関側が追加融資枠を設定したのです。要するに、楽天が希望すればここまで貸しますよ、という金額を新たに出したのです。
これは三木谷氏が今後TBS株を買い増しするための資金を得たことを意味します。これまでのようにTBSが牛歩戦術に出ればそのうち楽天が音を上げるというシナリオが怪しくなったことを意味します。
ただ、話はそこには止まりません。むしろ一番厄介なのは、非常に乱暴な言い方になりますが三木谷氏のバックに大手銀行がついているという構図がよりハッキリしたことです。
もちろん、銀行側も最初に融資をした時点でお金の使い道は聞いているはずですし、その意味ではもとから三木谷氏にゴーサインを出していたと考えることもできます。
ただ、一回こっきりでお金を貸すのと追加融資枠を設定するのとでは話が違ってきます。融資を追加すればそれだけ楽天が失敗した時の損失も大きくなりますし、銀行側も様々な面で楽天を支援する必要が出てくるわけです。
つまり、楽天や三木谷氏というレベルではなく、はるかに大きな力によってベイスターズの命運が左右されかねないということなのです。さすがにこういう書き方をすると電波チックになってきますが(^^;)
もちろん、楽天側につく金融機関がある以上、TBS側につくところがあっても全くおかしくはありません。両方に融資する銀行があっても不思議ではないくらいです。
それに、先ほど昨日の株価終値で計算してみたのですが、追加融資枠をすべて使ってTBS株を買ったとしても、手持ちのTBS株の比率はこれまでの株と合わせて全体の3割程度にしかなりません。
これでは経営を支配するには程遠いですし、TBS経営陣は楽天側の要求を突っぱねることがまだできます。となると、最初に書いた私の読み通りに決着する可能性も十分あります。
ですが、これまでと比べてベイスターズを巡る状況が厳しくなっていることだけは実感しています。
さて、そのベイスターズ。私がこれまでこの件についてあまり書いてこなかったのは、「合併は当然許さないとして、球団売却はどうなのだろう?」というのが分からなかったからです。
ご存知の方も多いでしょうが、横浜球団株は複数の企業が非常にややこしい持ち方をしています。だからこそこういう問題が出てくるわけですし、それならこの際所有構造を改めてもいいのではないか、という気もするわけです。
ですが、それで「ベイスターズ」という球団のあり方が根本的に変わるのには賛成できません。TBSがマルハから球団株を買った時、少なくともソフトバンクがダイエーから球団株を買った時の処置ぐらいは再現されるべきでしょう。
というわけで、ベイスターズは「横浜ベイスターズ」として、シーレックスは「湘南シーレックス」として、現状(具体的には球団名・本拠地・球団歌・マスコットの4点が最低ライン)が維持されることを当ブログは希望します。
ただし球団名については、仮に企業名を入れて「横浜○○ベイスターズ」となったとして、企業名が全面に打ち出されなければまだいいかな、という気もします。
要は、「広島東洋カープ」の「東洋」の扱い程度なら、広告費収入のことを考えても許容されるべきではないかというのが私の考えです。
え?USEN?USENは羊の数だけ数えてなさい。
※ トップ画像は『1日1ベイ!』さんより拝借しました。
私も球団売却については選択肢の1つとしておいておくべきだと思っています。ベイスターズを今後も守り続ける意志と能力が一番ある者が球団の所有権を持つべきですからね。
問題はその企業がUSENなのか、ということになりそうです。ただ、この点についても私の考えは佐々木大悟さんと同じで、他に道がなければ支持するしかないのでしょうね。
こういう場合、絶対的な理想を追い求めるより、現実にある選択肢の中から最善のものを選ぶ必要がありますから。
ベイファンの一人として深く御礼申し上げます。
私も合併は反対ですが、売却という選択肢についてはタブー視するべきではないという立場です。存続できるか否かの瀬戸際でオーナーを選んでいるようでは、まだまだ考えが甘いでしょう。
昨年のライブドアの件を考えると、アダルトコンテンツを持つUSENを選ぶのは確かにリスクがあります。売却が本決まり→アダルトを理由にNPBが拒否→合併or解散というシナリオも考えられますので…。
ただ、それでも他に選択肢がなければUSENを支持しなければならないとも思っています。どんな形であれ、他球団の犠牲なしにベイスターズが生き残れば、我々の勝ちですから。
長文失礼いたしました。
>不安定なことが選手などの関係者やファンを不安にさせる。
その通りなんですよね。
以前梨田監督がインタビューで、「去年合併の話が出て以来選手を叱れなくなった。来年の希望がなくなって、みんな抜け殻状態だった。」という趣旨のことをおっしゃってました。
今回の問題はベイスターズの試合がほとんど終わってから出てきたわけで、それが不幸中の幸いだったのですが、それでも契約更改を控えた選手は不安で仕方がないことでしょう。
ただ、TBSが楽天の要求を呑まないという姿勢をとり続ければ、多少不安も和らぐと思います。TBSには今後とも毅然とした対応を求めたいですね。
ともあれ、もうすぐ日本シリーズ。素晴らしい対決が見たいですね!
改めまして。
はじめまして。にわかのつぶやきと申\します。ルパートさんのブログは分かりやすい説明で読みやすく、これまでも拝見しておりました。また書き込ませて頂きます。
とにもかくにも、不安定なことが選手などの関係者やファンを不安にさせる。長引くのも辛いことではあるでしょうね。
この問題や、「『ファン』とはなんぞや」。など肩の凝る話は少しの間横に置いて(置いておきたい)…
明日から日本シリーズ。注目する点の中でも、特に井川投手の投球が楽しみです。
ただ、「合併反対」「合併も売却も反対」など、いろいろ意見が分かれているので、私もどういうスタンスを取っていいか今まで分からなかったんですよ。
ただどの球団にもアイデンティティというものがあるはずで、それを守ることが何より優先されるべきはずだ、そう思って今回のエントリを書いた次第です。
ただ、そのためには球団合併や消滅は絶対あってはならないわけで、今は「合併・消滅反対」を旗印に12球団のファンが一致すべき時だと思います。親会社の問題はその後で考えれば済みますからね。
>USEN
私も調べたわけではありませんが、企業買収の話を巡って労組と対立したり、アダルトコンテンツがあったりと、いろいろ問題があるようですね。
ともあれ、とりあえず明日からは日本シリーズに集中させてもらいたいものです。
長い低迷期を経験してきた球団同士が20年ぶり対31年ぶりの日本一を賭けてぶつかるわけですから、それにふさわしい盛り上がりを用意したいんですがねぇ……
ベイファンの運動を支持する立場をとっていますが、どうも、「合併も売却も許さない」と言う方も多くて少しだけ戸惑っています。
(USENと言う企業は随分嫌われているようですね。良く知りませんが・・・)
ベイファンの方とファンでない私との間の考えに差があるのかな?と思っていたのですが、ルパートさんの記事を読んで、「合併を目の当たりにし、その後の悲痛な経過も見てきた関西のパ・ファン」との差じゃないかと思えてきました。
なんにしても細かい意見の差をどうこう言って、ブレが生じるのは良くない事なので、私は今のベイファンの方々の意志を支持して行こうと思います。
でも日本シリーズの間だけはゴタゴタはご勘弁・・・。