左心低形成症候群ってご存知ですか?

お腹の中の赤ちゃんが先天性心疾患の左心低形成症候群という指定難病なので、ブログを始めた新米パパ

ド…ドクター!?

2025-02-03 19:23:03 | 日記
翌日も向かう。

ただ面会時間は平日の13:00-15:00で土日は面会はごめんなさいというものだった。

そして、うちの子供の状態の事もあるので、毎朝9:00~10:00の間でICUの室長さんが状態の報告を電話でしてくれるのであった。

毎日ドキドキもするが、その電話のために遅くてもその時間には起きるサイクルとなり、家に本来ならいるはずの子供もいないので、不規則になりそうな生活サイクルをドクターのおかげ(?)で修正も出来ていた。

今日は胸の洗浄しておきますと言われた当日。

9:20頃電話が鳴る。

ドクターから昨日の様子が伝えられる。

そして「今日の11:00頃ですかねー?胸の洗浄をしておきます。状態は大きく良くも悪くもなってはないので、引き続き頑張っていきましょー!」と内容だけ聞いたら「ええ…??」となるが、ドクターの口調はなんとも軽く聞こえたがそれが逆に「経験値的に大丈夫だと思ってるやつだからか」というこちらに謎の安心感を与えてくれるものだった。

面会に行くと洗浄も終えた子供がいて、麻酔で眠っている。

少し面会をさせてもらっていると、心臓外科の執刀医が現れて「電話でお伝えしたんですが、しっかり洗浄させて頂きました。バンドはう〜ん。そこまでキツくもゆるくもない様子だったので、まだ胸は開いたままで数値の様子を観させてください。おしっこも少しずつ出てきてると思います。また3日後目安に、洗浄をさせて貰えたらなと思います。少しずつ体重も増えてって欲しいですが、循環もすごく大切ですんでね。今は浮腫んでる感じですけど産まれたばっかりの赤ちゃんは浮腫が減るんでそれに伴って体重も落ちるんで、少しずつ様子見ながらですね。引き続きお願いします。」との事だった。

たくさんの命を救ってきた事があるドクターだから信頼をしているが、相変わらずオーラのある人だなぁと思っていた。

ICUの看護師さんは毎日2人体制で見てくれている。

ありがたい。

看護記録もきっちり説明をしてくれて、様子も伝えてくれる。

私達が名前を呼んでいるが、気が付いたら看護師さんの中にはもう愛称で呼んでくれてる方もいて、「ええええ!?俺の初めてを奪われてるー!!!」なんていう気持ちがあるも、皆さんに可愛がってもらえてるんだなとありがたさもたくさんあった。

胸が開いているので、閉じれるまでは、麻酔で眠らされているらしい。

そりゃあそうだ。

胸が開いてて痛くないわけない。

その痛みで泣いちゃうと心肺に負担がかかるからだ。

怖いぜ…。

毎日来て思うが…

うちの子…

眠っている時…

めちゃくちゃ目が半開き…笑

集中治療室

2025-01-31 13:00:41 | 日記
手術後は集中治療室に移動となっていた。

よく聞く「ICU」という所です。

術後翌日も2日目も、子供は眠って呼吸管理をしてもらいながら生きていた。

子供の術後2日目には妻も退院となっていた。

家族が1人でも帰ってきてくれるのは、とても有難いものだった。

心的に。

1人だと楽しいことも苦しいこともタイムリーに共有できない。

ましてや子供の事の色んな気持ちはLINEでやり取りしてはいても、表情や声で伝わるわけではないので、同じ文言だとしても大きな違いがある。

退院前に子供に会いに。

行くと毎日その日担当してくれる看護師さんが2名いて、状態を伝えてくれる。

そして心臓外科の執刀医も伝えてくれる。

「今は起きちゃうと痛みやしんどさで泣くと呼吸状態が悪くなるので、麻酔で眠ってもらっています。気になるのがおしっこの出がちょっと気になるんですよねぇ。あと、保護はしているけど胸が開いている状態なので、明日取って洗浄をします。感染のリスクもありますので。その時に両側肺動脈絞扼術で閉めたバンドの確認をしてみますね。数値的になんとなく緩いんじゃないかな?と思ってますんで」との事だった。

その時には、「わかりました。お願いします。」と頭を下げて言うしかなかったが、今思えば「胸を開いて洗う」ってどうやって洗うの?とは思っている。

なんかもう2ヶ月前には予想してなかった事が起きて、その起きた事について「え?え?ナニソレ?」みたいなワードやそういう世界があってでもその世界にもきっちり人がおるという現実でしんどくて辛いことなのにパラレルワールドに来てるのでは?と思うくらい、理解はすれど中々慣れないなぁと感じていた。

テレビドラマで見るようなICUだとガラス越しで状態を見るしかないイメージがあったが、本人の寝かされている小さな小さなベッドの横まで行って、面会ができた。

まだ変わらず寝ている我が子の触って大丈夫そうな所を指で触りながら「頑張っとるねー!偉いよー!」と伝える。

それしか出来ないのだ。

色んなドクターや看護師さんに支えられている事にとても感謝している。

命の重みという言葉があるが、これはある一定の年齢までだな。なんて感じた。

私は、元々意識の無い延命治療を何故?と思っていた。

でもそれは、私が介護をしていて「高齢な」人を見てきたからだなと思った。

ある年齢だと多くの家族さんは「もう長生きしたよねぇ。そのまま自然の形で。」となる事も多く、これが世の理だとも感じていた。

しかし、今置かれている状況はどうだろう?

子供はある意味延命治療をしていると仮定も出来なくはない。

まぁ法律の部分もあるからね?そこは置いといて。

よくあっちゃいけないけど耳にする言葉「まだ若いのに」「若くして命を」なんて言葉。

自分の子供であるということを差し引いても「若い人が亡くなる」というのは、大衆的にも心象が悪いものだなと思った。

先程は差し引いたが、それを加えるとなると、「若い自分の子供が亡くなる」なんて想像を絶する事だろう。

子供の誕生に際して、私は私自身が色んな価値観が少しずつ変わった気がする。

「命があればこそ」

これに尽きるのでは無いか。

テレビでとある方も言っていた「命があれば丸儲け」本当にそうなのかもしれない。

しかし、この子の行く末はどうなのだろう。

産まれてきたことを感謝してくれるだろうか?

産まれてきたことを悲観するかもしれない?

最近よく目にする「産んでくれなんて頼んだことない」というワード。

本当にそうだよな…と思う。

でも、元気で反抗が出来るならそれは幸せな事なんだと、若い人たちには伝えたい。

それは反抗出来る口があって、体力があって、自分の考えがあるから。

それは反抗されたって受け止めてくれる親の聞く耳があって、体力があって、愛があるから。

きっと行ってしまった事を後悔して親孝行をしてくれる若い子達がほとんどであると信じている。

うちの子は、そもそもしっかり反抗出来る年齢まで、生きていられるかわからないのだ。

命があってなんぼ。

出来れば、自分に反抗してめちゃくちゃ罵倒してくれて、その後も大人になって、母親に、感謝を述べてくれる。

そんな未来が待っていることを、俺は信じ続けたいなと感じた。

子供もしんどいと思う。

妻であり、母親もきっと我が子を産んでいるからしんどいと思う。

ならば自分が、頑張らねばならない。

大黒柱だからね!

両側肺動脈絞扼術

2025-01-28 00:14:34 | 日記
遅筆ですいません。

書いていきます。

11月22日AM9:00

子供が手術へと向かった。

今回はメインの手術の1回目。

まだここを乗り越えたとて3回手術が残っており、2回目の手術が成功率もメインの手術の中では難しい物となっている。

赤ちゃんは産まれてすぐは肌の色も肌色というよりも赤黒い感じだが、息子は心肺機能の関係もあり周りの子と比べても更に赤黒い様に思っていた。

この日の手術時間は2時間~3時間と聞いていた。

9時に手術室へ行ったので、昼頃には終わる計算になる。

私は妻の個室で、妻共々手術の結果を待つ事に。

妻も看護師さんから「もうそんなに動けるの!?」と驚かれるほど回復が早いようだった。

きっと子供の事を思って、自分はしっかりしなきゃという母としての自覚の芽生えと思いもあったと今は思っています。

時折、処置があるので、看護師さんから個室から出て待合で待っててくださいと言われることもあったりしたが、基本は妻と一緒にいられた。

手術に関しての話はあまり口にせず。

ただ、信じるしかないのである。

テレビを見て「退院したらこの店気になるね」などたわいない会話をしたり、朝も早かったりしたので、座ったまま少しウトウトしたりとして過ごしていた。

よく子供が大変な手術を受けてるのに寝れますね!?なんて思われるかもしれませんが、私としてはここは通過点であると思っています。

最悪死ぬことは重々承知の助。

ただ、親が信じてないと運なんて向いてくれないでしょうよ。

そう思ってるから過剰に不安にならずに信じるのみだったのです。

いつの間にやら12:00を過ぎていた。

妻から「遅いね〜?」と言われる。

「手術の前に麻酔とかの時間もあるけんさ。カテーテルの時でも前後1時間くらいは多めにみてください的なこと言うてたよ」と伝える。

そうだよね。

信じなきゃだけど、約束の時間を過ぎると「何かあったんじゃないかな!?」ってのはずっっと胸にあった。

そして時は進む。

13:00。

連絡なし。

14:00。

連絡なし。

いやいや。マジかよ。胸が締め付けられる思いとは正に今。

代わってあげれるなら本当に代わってあげたい。

全く連絡が無いのも怖い。

それでも待つしかない。

15:00。

連絡なし。

不思議とこの辺から夫婦間で「なんか大丈夫そう」という謎の共通認識があった。

16:00。

連絡なし。

17:15。

コンコン。

妻の個室をノックされた。

「失礼します」と心臓外科のドクターが手術着のまま入ってきた。

「えー。遅くなってすいません。麻酔の時間とあとは手術後の検査等でかなり時間を頂きました。手術の方はなんとかなりました。ただこれからが本番です。これからは身体を大きくしてもらって、今は2キロあるかないかくらいなので、少しでも大きくなってもらいましょう」と言い、ドクターは病室を後にした。

ドクターが出て行った後に妻と顔を見合わせて泣きながら抱き合った。

一抹の不安からの解放と安心感から本当にホッとした。

人間とはチョロいもので成功したから「大丈夫だと思ってた〜ww」みたいな事もいうもんだ。

言うたのは私ですがね。

今日からはICUにて、呼吸管理もしつつ胸が開きっぱなしなので管理されつつ治療をしてもらうそうだ。

2日間くらい胸を開きっぱなしにして、バンドが緩まないか締まりすぎてないかを見るらしい。

一旦閉じてやっぱりバンドの具合が悪くてまた開胸してだと感染症やリスクも上がるので、敢えて開きっぱなしにするとの事。

医療ってすげぇ。

報告を受けてから18:00を過ぎた時に少しだけ子供に会えるとの事だった。

薬で眠らされている。

痛みで声を出したりすると負担がかかるからである。

産まれてすぐ産声を上げる赤ちゃん。

それが当たり前だが、うちの子供はそれもリスクがあるのである。

改めて、色々と思わされる。

胸を見ると、痛々しい胸の傷があり、その中にガーゼの様な物が挟まってその上にテープで保護されている形。

写真は載せないしおそらく載せれないと思うので、伝われ俺の脳内!!!笑

おびただしい数の薬のチューブが繋がれ、尿管も繋がれ、言い方は凄く悪いが「生かされている」「管理されている」状態。

それでも、子供が呼吸器をしたままだが、呼吸して胸が動いている。

それだけで、凄く嬉しいのである。

親になると価値観が本当に変わるものだ。

いや変わらざるを得ないのである。

産まれて1週間足らず。

闘病が本格的に始まった気がした。

まちぼうけ

2025-01-06 17:06:37 | 日記
その日は、手術も朝イチと言われていたので、公共交通機関を使って9:00までに病院へ。

子供のいるNICUの待合室に通される。

1人でソワソワと待つというのもそうだが、我が子の事となると「代われるなら代わってあげたい」という気持ちにより一層なる。

前日に手術の内容やリスク等の説明もされ、同意書にサインはしている。

説明の段階でパーセンテージを出してくれたりしてるが、不安は拭い切れない物である。

9時前になると、担当のドクターから

「あっ!すいません!急患が入りまして…1時間ほど遅れての開始にさせて下さい!」と言われた。

まさにドラマでしか中々聞かないような「急患」というワード。

早く終わらせてくれぇ!という気持ちと処置すればリスクあるから少しでもゆっくりと!という気持ちのせめぎ合いが起こる。

この1時間は思ったよりあっという間に過ぎるものだ。

10:00になり、看護師さんから「お待たせしました。お父さん一緒にお願いします!」と言われ、保育器に入れられ、意識があるならないやら分からない我が子の横に、付き添ってあるいて、カテーテル処置を行う部屋に向かう。

カテーテル処置の部屋に着くと

中にいる看護師さんに

患者の名前

手術の内容

どこからカテーテルを入れるか

という質問をされた。

ちゃんと説明されているかの確認だったのだろう。

看護師さんに「お名前は?」と聞かれた時に「私の名前ですか?」とナチュラルポンをカマしたのは、ご愛嬌。

待合室で2時間半ほど待ったであろうか。

この階の待合室は、照明もやや薄暗く、まるで取り調べでもされるのだろうか?といった感じの待合室であった。

2時間半が経過したくらいに看護師さんに呼ばれ、ドクターの元へ。

処置は上手くいったとの事。

「ありがとうございます」と感謝を述べ、安心する。

穴を開けた所は、かなり壁が分厚く、感じたことないくらい「あっ。開いたな。」という手応えを感じたそうだ。

とりあえず、本命の両側肺動脈絞扼術に向けて、繋ぎという意味で言えば、しっかりと出来たと思います。

の言葉に安堵したが、「今回はあくまで繋ぎなんだもんな…」とも思った。

逆に言えば、そこが分厚かったので、循環が上手く回らずに体のサイズであったり、心臓の事に繋がったことも考えれますよね。

とも言われた。

しかし症例の少ない病気なので、そういうパターンもあるのか、こういうパターンが多いのかもまだまだわからない。

説明を受けた後は、また待合室で少し待ち、子供と一緒にNICUへ戻る。

この日は、妻と子供の面会も程々にしていたが、本命の第1回目の手術の日程も決まっていた。

金曜だと。

この子が産まれたのは月曜日。

水曜日にカテーテルして、金曜日に両側肺動脈絞扼術。

なんてハードスケジュール。

普通に暮らしている成人でもこんなに短期スパンで手術なりを受けることもないだろう。

覚悟をしていたから、すんなりと受け入れられるし、なんなら本命2回目の手術が1番難しいと言われているから

「大丈夫。大丈夫。」と自分と妻に言い聞かせ、当日を待つことにした。

翌日も面会に行き、手術当日は朝イチの9時からと告げられた。

そして、結構時間もかかると。

ソワソワなのかザワザワなのかとにかく、良いメンタルでは、過ごせないけれど、私達は医療を。ドクターを。そして子供本人を信じる他ないが、項垂れている時間もなく、その日を迎える。

乱高下

2025-01-04 17:10:16 | 日記
遅くなってごめんなさい。

息子が産まれて、妻が無事に手術が終わり、一夜が明けた。

出産が終わってからは、妻は自分の体のダメージと向き合いながら、退院に向けても短い時間の間で整えていく。

退院まで6日間。

女性って…母親ってすげぇなぁ…。

6日で整うわけも、完全に回復する訳もないのだから、こうなれば夫の出番ですな!!!

子供の面会時間はご時世柄・季節柄13:00~15:00の間と言われた。

しかし妻は入院しているので朝から夜の8時まで自由に来れますとのこと。

子供に関わりたいと思う私は、「パパにも優しぃしてくれぇ」と千鳥のノブばりの心の声。

でも、大事なのは我が子が元気かどうか。

そして、最初の手術に向けての準備ですね。

出産の翌日に、子供の面会へ。

NICUに行くとちょうどドクターが子供を診てくれていた。

両目にガーゼをしていて芸人みたいな姿の子供がいてびっくりした。

ドクターが「あっ!お父さん!改めましてご出産おめでとうございます。今ですね黄疸が朝から出てましてその治療で紫外線を当てさせて貰ってました。」との事。

俺「あぁ!そうなんですね!びっくりしました笑 ありがとうございます

ド「それとですね。昨日産まれて1日経過したんですけど、肺の方が普通の赤ちゃんでしたら産まれてくると自分の呼吸で徐々に広がっていくって説明を受けられましたよね?」

俺「はい。聞いてました。」

ド「それで1日観させて頂いてたんですけど、左の肺がペチャっと潰れてて広がってこないんですね。なので、口から呼吸器を入れて、呼吸をアシストする形をとらせてもらってます」との事。

心肺機能と1つの言葉であるように、心臓だけじゃなくて肺にもそういう弱さが出ちゃうのかーと思いつつ

俺「そうなんですね…。ありがとうございます。これは年齢とともに治ったりとかするもんですか?」と聞く。

ド「年齢によって改善される事もあります。ただ現状の呼吸がしんどいと心臓にも負担が来てしまいます。心臓にフォーカスを当てつつになりますが、しんどくなっちゃう要因は回避して来るべき手術に備えて行くのが良いかなと判断させて頂きました。」

正直、この時に話した先生めちゃくちゃええんですよ。

話し方も丁寧で、なんというか雰囲気的に子供好きそうなものがあって個人的に話がしやすい方です。

俺「そうなんですね。ありがとうございます。」

とは言え、心臓がまともではない状態で、肺もちゃんと現状きっちりとは機能していないと聞くとショックがあった。

しかしそれは、普通に元気をプラスマイナスで0とすると、心臓の事で気持ちはマイナス10になってる所に肺の事でマイナス値が少し増えて、マイナス15になった感じなので、めちゃくちゃ落ち込むとかよりも、じんわりと理解して噛み砕いて受け入れる他なかった。

その後は、妻にも同様の説明がされた。

次に、メイン手術1回目に向けての説明…となる前に、1つ壁が立ち塞がった。

それは、心房中隔に普通は空いていて、血液の循環を回しているその空間が極めて小さいとの事だった。

簡単に言うと、

ペットボトルを想像してください。

ペットボトルの飲み口を開けて、常に蛇口から水を入れます。

ペットボトルのおしりに小さな穴を開けるとします。

その時、ペットボトルのおしりの穴が小さいとそこから出る水は少ししか出なくて、飲み口から溢れますよね?

という状態が心臓で起きてます。

良いことでは無いことは想像出来ると思います。

良くないんです〜笑

だから、敢えて心臓に穴を開けます。

血液循環のために。

赤ちゃんでたまに、心房中隔欠損症という、心臓に穴が空いて産まれてしまう子がいます。

それの逆パターンですね。

何が悪いって、欠損症は経過観察で、成長の過程で治る事もあること。

うちの子は、穴を造る。

これは成長で穴が広がるのを待ったりする時間がないと言うこと。

産まれて2日目で、分かっていたことだが、本当に普通じゃない。

我が子が、うちの子と同じ病気だった親達はこんなに辛く、虚しく、なんとも言えない喪失感と戦いながら、子供に愛情と希望を注いでいるのかと思うと、本当に頭が上がらないと思った。

そして、ドクターからカテーテル手術をします。と話を受ける。

何がすごいってこのカテーテル手術がメイン手術ではなく、メイン手術に向けての準備の1つなのだからすごい。

もはや壮絶である。

産まれながらに、色んなチューブが繋がれ、口に呼吸がされている。

顔の半分が見えないと言っても過言では無い。

手や足にももちろんテープがされ、上半身と下半身でそれぞれ、spo2が常時測定されている。

動くと正常に測定されないから、足も固定されている。

産まれているが、尊厳とは…と少し考えてしまう事もあったが、私達はこの子に賭けると決めたから。

そして、親のエゴを押し付けられたこの子は、辛いことが沢山待ち受けているんだよなぁ。と思わない日は、10月中頃から今日に至るまで、無かった。

自分が死ぬまで、思い続けるだろう。

でも、それを凌駕するくらい自分で自分の存在意義や幸せを作って感じてくれたらいいなと思うし願うばかり。

そして、その穴を開けるべくところの心臓の壁がどうもぶ厚い様に思います。

カテーテルで開かなければ、最初の開胸術の時に開けて、メイン手術に同時に臨むかもしれないですとの事。

重い。

ドラマやテレビで聞くような言葉が、こんなに連日で畳み掛けるように、耳に届くことがあるのだろうか。

事実は小説よりも奇なり。

本当にこれに尽きる。

俺「そのカテーテルはいつするんですか?」

ド「明日の10:00に行います。」

との事だった。

妻は出産が済んですぐなので、当日は、自分が1人で、カテーテル手術の待合や説明を聞いたりとをする様になった。

その日は、子供の面会の時に、普通よりも小さく産まれたその体躯を見ながら、触れてもいい部分の手を掴み、エールを送るしか出来なかった。

まだ、自分が産まれたことも気付かす。

自分が人であるかもわからず。

自分の自我を持つまでにいっていない存在。

でも、その存在に意味を持たせて感じるのが親。

私も、親になったのだなと改めて感じ、「落ち着く日は来るのだろうか…」と一抹の不安を抱えて、その日は、病院を後にするのであった。