その日は、手術も朝イチと言われていたので、公共交通機関を使って9:00までに病院へ。
子供のいるNICUの待合室に通される。
1人でソワソワと待つというのもそうだが、我が子の事となると「代われるなら代わってあげたい」という気持ちにより一層なる。
前日に手術の内容やリスク等の説明もされ、同意書にサインはしている。
説明の段階でパーセンテージを出してくれたりしてるが、不安は拭い切れない物である。
9時前になると、担当のドクターから
「あっ!すいません!急患が入りまして…1時間ほど遅れての開始にさせて下さい!」と言われた。
まさにドラマでしか中々聞かないような「急患」というワード。
早く終わらせてくれぇ!という気持ちと処置すればリスクあるから少しでもゆっくりと!という気持ちのせめぎ合いが起こる。
この1時間は思ったよりあっという間に過ぎるものだ。
10:00になり、看護師さんから「お待たせしました。お父さん一緒にお願いします!」と言われ、保育器に入れられ、意識があるならないやら分からない我が子の横に、付き添ってあるいて、カテーテル処置を行う部屋に向かう。
カテーテル処置の部屋に着くと
中にいる看護師さんに
患者の名前
手術の内容
どこからカテーテルを入れるか
という質問をされた。
ちゃんと説明されているかの確認だったのだろう。
看護師さんに「お名前は?」と聞かれた時に「私の名前ですか?」とナチュラルポンをカマしたのは、ご愛嬌。
待合室で2時間半ほど待ったであろうか。
この階の待合室は、照明もやや薄暗く、まるで取り調べでもされるのだろうか?といった感じの待合室であった。
2時間半が経過したくらいに看護師さんに呼ばれ、ドクターの元へ。
処置は上手くいったとの事。
「ありがとうございます」と感謝を述べ、安心する。
穴を開けた所は、かなり壁が分厚く、感じたことないくらい「あっ。開いたな。」という手応えを感じたそうだ。
とりあえず、本命の両側肺動脈絞扼術に向けて、繋ぎという意味で言えば、しっかりと出来たと思います。
の言葉に安堵したが、「今回はあくまで繋ぎなんだもんな…」とも思った。
逆に言えば、そこが分厚かったので、循環が上手く回らずに体のサイズであったり、心臓の事に繋がったことも考えれますよね。
とも言われた。
しかし症例の少ない病気なので、そういうパターンもあるのか、こういうパターンが多いのかもまだまだわからない。
説明を受けた後は、また待合室で少し待ち、子供と一緒にNICUへ戻る。
この日は、妻と子供の面会も程々にしていたが、本命の第1回目の手術の日程も決まっていた。
金曜だと。
この子が産まれたのは月曜日。
水曜日にカテーテルして、金曜日に両側肺動脈絞扼術。
なんてハードスケジュール。
普通に暮らしている成人でもこんなに短期スパンで手術なりを受けることもないだろう。
覚悟をしていたから、すんなりと受け入れられるし、なんなら本命2回目の手術が1番難しいと言われているから
「大丈夫。大丈夫。」と自分と妻に言い聞かせ、当日を待つことにした。
翌日も面会に行き、手術当日は朝イチの9時からと告げられた。
そして、結構時間もかかると。
ソワソワなのかザワザワなのかとにかく、良いメンタルでは、過ごせないけれど、私達は医療を。ドクターを。そして子供本人を信じる他ないが、項垂れている時間もなく、その日を迎える。