羚英的随想日記

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■鶴羽衣鹿踊@浅草■

2010-06-28 14:20:25 | 風の吹くまま
6月27日(日)、小雨が時折ぽつりぽつりと落ちてくる、曇天で湿度が高くとてもむし暑かったこの日、鹿馬鹿氏から情報を頂いた岩手県奥州市江刺区に伝承される鹿踊り 金津流鶴羽衣鹿踊(かなつりゅう つるはぎししおどり) を観に、羊子を連れて浅草まで行って参りました。

午後からの公演にはしばし時間があったので、お昼がまだたし何か腹ごしらえをと思い、浅草浅草寺の五重塔裏の屋台を物色することにしました。
焼きそばを探していたら、羊子がタコ焼きならあるよとのことで、それを購入。
そうそう!屋台と言えば焼きそばかタコ焼きよね、タコ焼き♪

…で。
買ってから、後悔。
後で悔やむと書いて、後悔。。。

そう言えば、熱いのよね、タコ焼きって。当たり前だけど。
ストックされているのを確認して買ったのだけど、やっぱり酷く熱かった 

さては…焼きたてかーっ!

羊子は冷え性の寒がり、私は超が付くほどの暑がりの真逆な母娘。
自業自得の想定外の大汗をハンカチで拭き拭き、必至で食べました

青海苔パスを伝える間もなくどっさり振り掛けられたタコ焼きをお腹の中にしまって、口周りのチェックと手を洗うために近くにある公衆トイレへ移動。
そのお向かいにあるお店に入って冷たいお茶を買おうと思ったら、目の前に見覚えのある大口袴を着けた人たちが、どうやらお買い物の模様!

わぁ、鶴羽衣さんたちだ~
でも、あら?女の子たちじゃないの 
それもとっても小柄な人たちで、私たちがよりデカく見えるわ。
こんなに華奢な人たちがあの鹿踊りをと思うと何だかおばさん感動しちゃって、ついついお声掛けしてしまいたくなりました♪

結局しちゃったもんね!あの時の変なオバサンは私ですよ~。

そのあと五重塔前に戻り、木の下に腰掛けながらお茶を飲んで小雨と紫外線と暑さをしのいでいると、鹿馬鹿氏からメールを頂きました。
午前の部を観ていらしてそうで、わざわざ画像を添付して鶴羽衣さんの様子や装束の特徴などを詳しく教えて下さいました。
鹿馬鹿さん、メールまで頂きありがとうございます。
年代もののSHでレスポンスが酷く遅く、(せっかちな私は)何度バキっと折ってやろうかと思ったことか…の携帯でお返事させて頂きましたので、開演時間が迫ってしまいひどく簡単なレスになってしまって失礼しました

送信するかしないかの時、向こうから練り太鼓の音が聞こえてきました。
来たぞ、来た来た!
今日浅草寺に来ていた人たちは凄くラッキーね、鹿踊りが観られるんだから!
なんて話していると、鮮やかな赤の半被を着たひとたちが五重塔の前にわさわさと集まってきました。
半被に 『江…』 と書いてあるのを何となく見ていたので、他県民の羊子も私もそれが場所柄“江戸の江”だと勝手に思っていたら、『江刺』 だったんですよね。
よく見てみたら、お尻に鹿踊りが描いてあるじゃない~。もうーっ。

さぁ、いよいよ 金津流鶴羽衣鹿踊 が登場です!





先頭が中立(あの、画像でみたことのあるお兄さんね~)
次が女鹿(あの女の子たちのうちの一人だわ~)
などと思いながら、わくわくどきどき!
ちょっと太鼓の音(リズム)が他の金津流と違うのかなぁと思っていましたが…。
後に判明いたします。
 





金津流鶴羽衣鹿踊の簡単な説明が始まります。
古い歴史がある伝統芸能であること
連綿と伝承されていることなど
分かりやすく説明されていました。






踊りが始まります。
演目はなんでしょう。
鶴羽衣さんはちょっとミステリアスな(?)金津流だと聞き及んでいるので
どんな踊りなのか楽しみです。






装束にも気を取られます。

中立と女鹿のササラに黒い印がありません。
ササラの長さも他の金津流よりも短めです。
この2匹(2人)の喉印(幕の前・頭の真ん中から縦に走る文様)は
井桁に囲われていない赤い九曜紋が並んでいます。
その両脇には色とりどりの文様が並んでいますね。

角は女鹿が短く可愛らしい。
鹿馬鹿氏によると本角を使っているそうです。
そう言われてみると…裏に溝と着色がない…?(違いはそこ?)


踊りは観たいし、装束は観たいし、画像は撮りたいし!






背中の白い 「ササラ」 で地面をたたきます。
このササラは幣束を象徴していると考えられているそうです。






中立の後ろ姿。
赤地の太い 「華鬘(けまん)結び」 が鹿頭(ししがしら)の後頭部にありますね。
結びの中には赤い九曜紋が。
この踊り組さんは幕の袖部分を後ろで結んでいませんから
「流し」 の絵柄がよく見えますね。

中立・女鹿の流しの絵は他の鹿と違います。
それぞれ何か描かれているんでしょう。

踊りでは、中立の足裁きが特に特徴的です。






鹿が一匹登場です。
一狂いってこのことかなぁ?
袴の文様が八つ矢車紋ですね。






それぞの側にいる鹿を
挑発(?)しているような
自分の力を誇示しているような
はたまた
一緒に踊ろうと誘っているような。






その両側の鹿たちが加わって三人狂いの場面。






手を横に伸ばす所作は行山流の踊りを彷彿とさせます。
ぴょんぴょんと跳ねる場面が可愛いです。






ぐわっと足を開いて。
あれ?詳しい装束の作りはわかりませんが
繋いでる紐が切れちゃったのかな?






再び中立登場。
独特な足裁きを披露し太鼓を大きく鳴らしています。
この画像では見えませんが実は左手の側の皮が破れています。
鹿馬鹿さんのお話では
どうやら午前の部の時に破れてしまったようです。

だから何となく太鼓のリズムが違って聞こえたんですね。
私だけかもしませんが(汗)






最後の場面。
鹿たちが左右に隊形を保ちつつ横移動するときも
中立は動かずその場にいます。
そして威厳を持ってゆっくりと頭を下げて
ササラを地に近づけます。



演目が終了し、まだ時間があるということでしばしの記念撮影の時間が取られました。
特に紹介されていた女性の踊り手さんが大人気
踊り手さんたちは水分補給を受けましたが、流石!中立さん。暑くてたまらないでしょうに、ここでは幕を上げずにそっと飲んでおられました。

庭元さんでしょうか、旗を掲げておられた関係者の方の演目を教えていただくと 『荒金』 だということでしたが、事前に調べていなかったもので字が分からず、荒ぶるの荒ですか?なんて聞いてしまったり(汗)
若い人たちが頑張ってくれているので、今日はここに(踊りを披露しに)連れて来ました…と教えて下さいました。


このコンデジ、三代目のEXILIMなんですが、どうしたものか今までで一番使い勝手が悪いんですよ。
ピントが合い難いし、シャッターを切ってもしばらく長らく考えている(画像処理している)ので、次のシャッターチャンスを逃してしまうんです。
今日のような曇天や聖堂などの室内などいろんな場面で働きが悪く、携帯同様カメラにも…ついでにこの蒸し暑さにもイラっ。
しばらくカメラを触っていなかったこともあり、決定的な場面が写せずにすみません。


次の花やしき前での演舞を観た後、初めての浅草寺の裏手の街を歩いてみると、たまたま江刺の物産展のテントに着きまして。
冷たいジュースがあったので、早速頂くことに。
どれがいい?のお店の方の問いに、羊子は(江刺区のお隣の)東和町のホームステイ時に頂いたジョナゴールドがとても気に入ったので、すかさずチョイス。
すっきりさっぱりの、すっごく美味なジュースでした(こっちで買うジュースとは大違い)

前日、近所のスーパーで時々開催される 「みちのくフェア」 で岩谷堂の羊羹(本練)をすでに購入済み。今は冷蔵庫の中で待機中ですのでここでは買わずにごめんなさい、でした。 




すっごく美味しかった!




五重塔の方へ戻ると、そこで3回目の演舞を終えた鶴羽衣さんたちが待機していましたが、どうやら様子が…。
踊り手さんの一人が足を痛めてしまったらしく、処置を受けていました。
朝から踊りっぱなし(7回目!)にこの暑さだもの…大丈夫かしら?大事無いといいのだけど、などと話していたら、関係者の方が 『若いから大丈夫だろ』 と話しているのが聞こえてきて。
そっかぁ、若いっていいな!←そんな簡単に納得?

最後の公演は、件の踊り手さんたちに声掛けさせて頂いたお店の前でした。
ポツリポツリと雨がまた降り始めた中、踊りが始まりました。




鹿馬鹿氏がメールで、鶴羽衣さんの頭は 「ウワザイ」 で
「華鬘(けまん)結び」の上に 「ザイ(馬の毛で出来ているたてがみのようもの)」が
あると教えて下さいました。

何か違うと思っていたら、そういうことだったのね…と羊子。
「華鬘結び」 が他の金津流のものより下の位置の後頭部にあるのですね。

参考までに
金津流丹内鹿子躍さん(花巻市東和町)の鹿頭です。↓







最後の公演は演目が違うようです。
どの演舞も時間の関係上ショートバージョンですが
これはなんの演目かな…?






画像に撮りそこないましたが
中立が正面で待機している関係者の帽子をひょいと取りました。

『案山子』 です!






ベテランの踊り手さんもおられながらも
若くのびのびとした歌声で歌い、太鼓をたたき
元気よく躍る鶴羽衣鹿踊さんに大きな拍手が!
 


1日8回の浅草の公演を無事終えられ、なによりでございました。
本当にお疲れ様でした!
当日は気の毒なほどに蒸し暑く、さぞやお疲れになったことでしょう。
若い人たちが伝統芸能を守り伝えようと頑張る姿は、いつも、より大きな感度を受けます。

金津流鶴羽衣鹿踊のみなさま、関係者のみなさま、素晴らしい躍りをありがうございます。
そしてこの公演の情報や鶴羽衣さんの詳しいお話を届けてくださった鹿馬鹿さま、改めましてありがとうございます。


#鹿踊り #ししおどり
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4 コメント

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お久しぶりです。 (鹿踊マニア)
2010-06-30 17:02:38
鶴羽衣さんは金津流と言っていますが、行山踊と自分達は言っていて、本来であれば中立と女鹿の流しに「行山」と染めてあるはずですが・・・元々鶴羽衣さんで踊られていた踊りは行山系の踊りであったのが、金津流の元祖の犬飼氏より流儀の巻物の写しを許されたことにより、金津流鶴羽衣鹿踊の始まりとなります。 金津流獅子躍の直系である石関とは踊りが全く異なります。 ややこしいですね! 鶴羽衣さんは若手が入り、打倒石関と頑張っております。場数を踏んで練習を増やせばもっといい踊組になれる素質があります。 鶴羽衣さんと石関は同じ地区なので、お互いいい刺激になってます。 石関が復活したことにより、鶴羽衣さんは伸び始めましたので、今後とも金津流石関獅子躍は勿論、金津流鶴羽衣鹿踊も宜しくお願いしますね! 
返信する
ご登場ありがとうございます! (羚英)
2010-07-01 09:57:08
鹿踊マニア様

こんにちは(^^)
こちらこそ、ご無沙汰しております。

鹿馬鹿さんから情報を頂き、どうにか都合がつき鶴羽衣さんを観ることが出来ました。
久しぶりに観る鹿踊りに、やっぱりいいいなぁ…としみじみ感じ入りました

鹿馬鹿さんからの情報では装束は最近新調したそうですね。
それを機に金津流であることを前面に押し出した、ということでしょうか。
装束にも踊りにも行山がそこかしこにあって不思議な感じでしたが、習い伝えられてきた伝統も守りつつの姿勢がいいですね。

鶴羽衣さんの一団を拝見していて、年長者が若い人たちを温かく見守っている様子が微笑ましかったです。
そういう年齢を超えた地域の繋がりって、こっちではほとんど見られませんからね。
若い時分は、時にはそれが鬱陶しく感じることもあるかも知れませんが、実は人生の修行の中ではとても大事で必要なことなんだと、あとで解るんですよね(汗)

切磋琢磨お互いに技を磨いて、この素晴らしい伝統を守っていって下さいね!

これから鹿踊りの本格的な季節になりますが、どうぞお身体ご自愛のほど。

マニアさん、コメントありがとうございます。
返信する
ありがとうございました! (鹿馬鹿)
2010-07-09 10:31:37
お礼が遅くなってしまいましたが、情報upしていただきてありがとうございました!

まさか、お二人でみえてると思わなかったので、良かれと思ったありあわせの鶴羽衣写メ送ってしまって…。五重塔の前で迫力ありますね、あんなんだったら良かったんですが苦笑

んでも、羚英さんの日記はやはり面白いです♪ためにもなります。もっと勉強しなきゃなぁ。マニアさんがいつもフォローをいれてくれるのでありがたいですし。

この日は、在京の行山流都鳥鹿踊踊手の方と観に行ってまして、彼は午後の部の食い入る様に中立の太鼓破れを観ていたようなので、恐らく羚英さん羊子さんのすぐ横に!いたかもしれませんね笑

そうそう、私達も二人してリンゴジュース(ジョナ)をうんめぇうんめぇと飲みましたよ!

明後日、私らも行くか分かりませんが、都合がつきましたらどうぞ。(浅草行きすぎですがね)
返信する
こちらこそ! (羚英)
2010-07-09 16:20:18
鹿馬鹿様

こんにちは(^^)

この度も(!)鹿情報本当にありがとうございました。
お蔭さまで、素敵な時間を過ごすことが出来ました。

鹿馬鹿さんからいただいた鹿画像なんですが、是非いっしょにUPを…と許可をいただこうと思ったんですが…。
実は今のOffice標準搭載の画像ソフト(Picture Manager)で処理した場合、画像をブログに公開するには不都合な場合(プロパティが残る問題)がある上に、使いたい機能がなくなってしまったので、わざわざ古いタイプのPhoto Editorをインストールして今まではそちらも使って画像処理していたんです。
でも新しいPCにはそれがインストールが出来なくて、あれやこれやと調べてみたんですが、どうも大変なようなのでインストールは諦めてしまって。
このPCに入っている別のソフト(待ち受けを作ったヤツ)は、プロパティ問題は無いんですが、いかんせん画像の劣化が酷くて私としては写真の画像処理には使いたくないんです。
とてもいいアングルの画像ですので使わせて頂きたかったんですが、その問題がクリアー出来ずにいたのでお願い出来ずにいました。
(ちなみの私の画像はばっちりそれが残っていますが…汗)

当日は他の鹿さんもいらしてたんですね
『都鳥』を“みやこどり”と知らずに読んでいましたが“とどり”さんなんですね。
歌に詠まれる都鳥はゆりかもめ説が有力ですし(ちなみに東京都の“都”鳥もゆりかもめ!)、そんな由来の名前かと思いきや鳥取部に関係するみたいですね。
地名にしても鹿踊りにしても、由来というものは奥深い!

今度の日曜は所用がありお江戸入りは出来そうにありません。
残念!
お天気と暑さが心配ですが、踊り手さんたちには素晴らしい踊りを披露して頑張って欲しいですね!

鹿馬鹿さん、コメントありがとうございます。
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