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『敬愛なるベートーヴェン』・・・気が早すぎるけど、今年一番かも。

昨年公開の映画なのですが
シウは本日(昨日)みたので、
今年の映画ということにしてしまいます。

本当に気が早いけれど
シウにとって今年一番の映画になりそうです。

エド・ハリス演じる狂気と孤独の中に住むベートーヴェン。
ダイアン・クルーガー演じる美しく凛々しいアンナ・ホルツ。

男女の恋愛も、師弟愛も超えて、
これこそが永遠の愛情かもしれません。
お互いを心の底から認め合い、
そして自分をぶつける。
自分をぶつけて相手が壊れる事も恐れない。
それこそが真の愛の姿かも。

神様はその深い愛のなせる業なのか、
人間の感覚を超越した“幸運”をくださるのでしょうか。
ベートーヴェンから聴覚を奪ったのは
小さき人間の考えでは、
どうしてそんな皮肉をするのか、
どうしてそんな悲劇を起こすのかと思いますが、
もしかすると人間にとって
聴覚を失ったベートーヴェンという音楽家をお創りになったのは
大きなプレゼントなのかもしれません。

途中の第九演奏のシーンは、
どんなセクシーなラブシーンよりもセクシーで、
そして自然と涙が出るほどに感動的で、
映画史上に残る名場面となるでしょうね。
見ている側は、ある人はベートーヴェンとなり、
ある人はアンナとなり、
ある人は聴衆となり、合唱隊となり、
このシーンに参加することが出来ます。
それほどに臨場感あふれる、
官能的な素晴らしいシーンでした。

子供の頃音楽室に飾られていた偉大なる音楽家達の肖像。
その中でもベートーヴェンは異彩を放ち、
その野性味あふれる格好良さは印象的でした。
若き日、ベートーヴェンは本当に女性にモテたとか。
でもこの晩年のベートーヴェンは飲んだくれて、下品で“野獣”といわれます。
イメージがだいぶ変わってしまいますが
ラストには深い優しさに満ちた芸術家の姿を見せてくれます。

アンナの建築家の彼も素敵な人でしたが、
新しい橋作りのコンペで勝って、自分の橋が採用になったら
自分の名前をつけたい・・だなんて。
そんな事を言っているようではまだまだ未熟ということなのでしょうね。
神の声を聴き、
それを人に伝えることだけを考えているベートーヴェンとは
悲しいほど大違いなんです。
元々素晴らしい才能を持ち、
ベートーヴェンに味付けされたアンナにとっては
若い彼が愛情の対象でなくなるのも仕方ないでしょう。

誰もにすすめたい、素晴らしい作品でした。


敬愛なるベートーヴェン
コメント ( 6 )
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コメント
 
 
 
見逃したです! (haroharo)
2007-01-17 10:06:14
しまったです。
見る気がなかったので 見ていないのですが、これほどいい映画だったんですね。
今調べてみたら もう公開もこのあたりでは終わっていました。
残念です。
 
 
 
色々な意見があるんだけど (しんちゃん)
2007-01-17 12:37:12
 わたしはやっぱ「第九」をクライマックスに持ってきて欲しかったな。

 まあ、その後を見せることで「人間」ベートーベンをめちゃ表現できたと思うんだけどさ。
 
 
 
よかったぁ (かめこけ)
2007-01-17 16:37:00
シウさん、ご健在でうれしいです。
またお邪魔させていただきますね。
シウさんのコメント?を読むと、映画に行きたくなります。今年こそはたくさん映画を観るぞ~!!
 
 
 
haroharoさん (シウ)
2007-01-17 22:45:00
ぜひぜひ大画面で見て欲しいシーンがあるのですが
それでもDVDでも、
本当に見て欲しいです。
 
 
 
しんちゃん (シウ)
2007-01-17 22:47:44
シウは逆に
この作品はあれを中盤に持ってきたことが大成功だったと思いました。
多分第九のシーンをラストにもってきたら
それなりに感動作になっていたと思うのですが、
ベートーヴェンにとっては
一つの成功が終わりではなく、
何かを手にしても、
また新しい何かの“渦”に巻き込まれていく、
形を決めずに流れていくことが芸術家の姿だと思うのです。
しんちゃんおっしゃるように、
それこそがベート-ヴェンという
神に近い人間の姿なんじゃないかと思いました。
 
 
 
かめこけさん (シウ)
2007-01-17 22:48:39
いらっしゃいませ。
今後ともよろしくお願いします!

この作品、
実はシウ、今日も見に行ってしまいました。
これは本当に多くの人に見て欲しい映画です。
 
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